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    2008

01.11

「名前探しの放課後」辻村深月

名前探しの放課後(上)名前探しの放課後(上)
(2007/12/21)
辻村 深月

商品詳細を見る

名前探しの放課後(下)名前探しの放課後(下)
(2007/12/21)
辻村 深月

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大好きな辻村深月さんの新刊なので買いました。

依田いつかがそれに気付いたのは、本当に突然のことだった。撤去されたはずの看板が、何でまだあそこにあるんだろう。ふと見た携帯に表示された日付は、三ヶ月前の日付。これはタイムスリップ? いつかは、口を聞いたことがない一人の女子生徒に相談を持ちかけた。彼女の名前は坂崎あすな。これから俺たちの学年の生徒が一人死ぬ。自殺して死ぬ。しかし自殺の詳細を覚えていない。誰が死んだのか、どういう理由で、どんな方法で死んだのか、何度も思い出そうとするが、無理だった。肝心なところが、全然覚えてない。いつかは三ヶ月後に起こる「誰かの」自殺を止めるため、あすなに相談し、仲間たちと放課後の名前探しをはじめる。

上下巻の作品なので、どこまで書いて良いやらとネタバレの判断が難しい。まずは登場人物の紹介からいこう。主人公のいつかはモテ系な男子で、即物的な考え方をする。読者にはやっぱり違和感があるのかな。後で書くけど、個人的には彼に近い学生時代を送ったので共感できました。もう一人の主人公であるあすなは負けず嫌いの女の子で、「グリル・さか咲き」を経営する祖父と二人暮らし。少し情緒不安定なところがあって、そこがちょっと…。でも彼女のじいさんはかわいらしかった。

他にいつかを手伝う仲間は天木敬、長尾秀人、椿たち。リーダーシップを発揮する天木は、目標を決めて邁進する優等生。いつかの親友の秀人は、ひょうひょうとしながら臨機応変になんでもこなす。秀人の彼女である椿は、お嬢様だけど人との関係を築くのが上手い。個人的には秀人と椿のバカップルが好ましく思えました。それにこの二人は…、ねえ。

作品については、各章のタイトルを文学作品にし、その章の内容を匂わせていたのは上手と思った。上巻は仲間集めがメインになっているので、毎度のごとく展開がスロー。これにはもう慣れてきたような気がした。中盤に入ってからは水泳のレッスンが始まる。元バリバリの水泳選手だったいつかが、泳げない河野くんとあすなの二人の弟子に丁寧に泳ぎを教える。自分も中学生まで水泳の選手だったので、泳げて当たり前の人からすれば、泳げないということが理解しにくい。しかし、いつかはすごく親切に指導していく。こういった温かなスポーツ風景は好きだな。

先にちらっと書いたが、このいつかの境遇とあの頃の自分が結構ダブった。だから、ケガがなければ、といういつかの気持ちがすごくダイレクトに分かるのだ。今では読書に明け暮れる自分だか、かつてはメダルをもらうようなちょっとした水泳選手だったからね、と何気に自慢。でもケガが原因で逃げてしまったのは、いつかと一緒。それゆえにすごく共感できた。

作品の内容に触れられるのはこれぐらいまでかな。ああ、そうそう。本書はこれまでの既刊とのリンクがすごく多かった。下巻に入ると、あの人もこの人もという懐かしい人たちがオンパレードでした。特に「凍りのくじら」と「ぼくのメジャースプーン」の人物たちがバンバン出てくる。本書を読む前に、この二冊だけは絶対に読んでいた方が良い。というか、「ぼくのメジャースプーン」を読んでいなければ、ラストは??すぎて理解できないかも。

ラストでは、これまでムズムズした違和感が見事に消えていきます。これまたお見事としかいいようがない。本当にこの著者はラストが上手い。ミステリであり、逃げてきたことへ立ち向かう成長であり、仲間の絆を深める青春であり、恋の物語でもあった。しかし、お薦めはしにくいな~。既刊を読んでいないと、本書の面白さが存分に楽しめない。そこが残念だったかな。初の単行本だけど、ノベルスで出版した方が良かったと思うのは自分だけだろうか。だけど既刊を読んだ方なら満足できる作品だと思います。


余談。既刊から確認できた人物は6人でした。


TBさせてもらいました。「今日何読んだ?どうだった??」

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辻村深月
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comments

辻村さんは私も注目している作家さんです。

処女作の『冷たい』が新書で出たときはすぐ読んで
すごく感心したのですが、全然評判にならなくて
何でだろうと切歯扼腕してたのですが、
昨年あたりからだんだん評判になってきて、
うれしく(あるいは、逆に、寂しく?)思っていたところです。

ただし、作品は『子どもたちは』を読んだところで止まっています(;^_^ A
実は辻村さんはうちの娘も好きなんですよ。
三作目の『凍りのくじら』は買ってすぐ娘に渡し、
娘が読み終わってから読もうと思っていたら、
何と娘が本を紛失してしまい、
それっきりになってしまってるんですよね。

うーむ、これをきっかけに、もったいないけれど
『凍り』はもう一度買って読むか。

辻村さんはコンプリートしたい作家さんですし。

じっちゃん:2008/01/12(土) 05:34 | URL | [編集]

じっちゃん
この若いおなごには毎回泣かされています。
すごく面白い作品ばかりなのになー。
それなのに中々メジャーになりませんね。
二冊で出版とかも影響してるのかな。
それともノベルスだからかな。

買って損はないと思いますよ。
うちは全部買ってコンプしてま~す。

しんちゃん:2008/01/13(日) 12:19 | URL | [編集]

そうですね。
もう少し辻村さんは評価されてもいい作家さんだと思います。

ただこの作品は前作やその前あたりに比べると、ちょっと物足りなかった印象があります。
辻村さん特有のヒリヒリ感が、割合少なかったからかな??

それにもう一つの原因これを制覇した後、もう一度読んでみようと思います。

リベ:2008/01/17(木) 00:15 | URL | [編集]

りべさん
「スロウハイツ」が良すぎました。
っておいおい、SNSで語ったではないかー。
早く「メジャースプーン」を読みなさい!

初めてのコメントのふりは困るな~(笑)

しんちゃん:2008/01/17(木) 00:27 | URL | [編集]

しんちゃん、こんばんは。
こちらにコメントのこすのは、もしかして初めて??!

「名前探しの放課後」今日読みました。
辻村さんの本、私はじつはまだこれが2作めなのだけど、
前に読んだ一冊が「メジャースプーン」。
「名前探し~」を読むには大正解だった~~♪

それにしても、既刊から6人も登場してるのですね・・・!
あのピアニストはちょっと怪しいかな。
なんておもいっきりハズレかしら^^; あはっ

ことり:2008/02/25(月) 21:46 | URL | [編集]

ことりさん、こんにちは。
ラストはふるふるものでしたね。
でもそれには「メジャースプーン」ありき。

その想像は当り。あの人と付き添いの人でした。

しんちゃん:2008/02/26(火) 12:05 | URL | [編集]

「ぼくのメジャースプーン」読んでたんですけどほぼ忘れていて、??って思ったくちでした^^;
ほんといろいろ出てきてたみたいですね。「スロウハイツ~」のと「ぼくの~」しかわかんなかったですが。

わたしもいつかにちょっと共感しました。
って言ってもこちらは単なる水泳部員だったってだけなんですけど。

うまいなと思うものの、割と小さな穴もあるな…と今になったら思うんです。でもうまい!次の作品も楽しみです^^

まみみ:2008/04/15(火) 15:14 | URL | [編集]

まみみさん
えーーっ、一番のびっくりポイントが楽しめなかったのですか!
そりゃあ、もったいなさすぎっすよ。

おおー。まみみさんも水泳をやってましたか。
プールになれた人は、意外と海が嫌いだったりするよね。
それとゴーグルなしの体育でのプールが。

「スロウハイツ」超えはなかったですが、面白かったです。

しんちゃん:2008/04/15(火) 19:28 | URL | [編集]

一番肝心のところで、置いてけぼりにならなくって良かったです~。
6人も登場しているんですか。読む順番を間違えたっぽいけれど、既刊を読むのが楽しみです。
実は全部積んでるんです・・・早く読まねば(^_^;)

エビノート:2008/08/13(水) 21:29 | URL | [編集]

エビノートさん
ぎりぎりセーフの読書になったようですね。
長編が多いですけど、他の既刊も面白いですよ。
はやく読んで、やられちゃって下さい!

しんちゃん:2008/08/14(木) 10:47 | URL | [編集]

しんちゃんって水泳選手だったんですね。
私は、河野やあすなの気持ちがよくわかります。
もう少しで泳ぎきれるところで足をついてしまう・・・・
今までに登場していた人物が6人もいたんですか。
主要人物しか名前の記憶がないので、気がつかない人物もいたってことですね。

花:2008/08/30(土) 21:07 | URL | [編集]

花さん
背泳ぎの選手で、毎日1キロは泳いでいました。
ですが今では25メートル泳ぐ自信がありません^^;
チヨダコーキは名前だけでしたけれど、6人は確認できましたよ。

しんちゃん:2008/08/31(日) 17:26 | URL | [編集]

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