2008年01月13日 (日) | 編集 |
![]() | 親不孝通りディテクティブ (講談社文庫) (2006/08/12) 北森 鴻 商品詳細を見る |
地元の博多に帰ってきてから、紆余曲折を得て八年、いつの間にか長浜の一角にバーの屋台を構えるおじちゃんになった鴨志田鉄樹。そこを訪れるのが、結婚相談所の調査員を生業にしている根岸球太。通称テッキとキュータの腐れ縁コンビが、事件に巻き込まれてしまう、博多を舞台にしたハードボイルドな連作短編集です。
収録作は、「セブンス・ハウス」「地下街のロビンソン」「夏のおでかけ」「ハードラック・ナイト」「親不孝通りディテクティブ」「センチメンタル・ドライバー」の六編。
分別があって洞察力がするどいテッキ。野性の勘に頼って直情型暴走思考のキュータ。そんな腐れ縁の二人が、ベストカップルな夫婦の自殺、謎の失踪人の捜索、男誑しと拳銃を持ったストーカー男、殺された援助交際をしていた女子高生、逮捕された性格の温かな親父、過去に因縁のあった男といった事件に関わり、足を使い、表裏の情報を集め、偶然の一言などをきっかけに、真相に迫ってゆく。
二人以外にも脇がしっかりしていた。腐れ縁コンビのかつての恩師であり、結婚相談所の代表をするオフクロこと華岡妙子。裏のバイトをしている博多署の悪徳警察官。ライブハウス「セブン」の経営者にしてシンガーの歌姫。みんな個性があって魅力があった。特に二人は頭が上がらないけど、すごく慕っているオフクロとの関係が良かった。悪徳警察官も意外といいヤツっぽい側面があるし、煙たい歌姫がテッキとキュータの資質を比較するのも面白い。
本書が普通の作品と少し違うのは、主人公の二人がまっとうな仕事をしながらも、裏の世界のきわどい部分に半歩ほど入っていて、ありふれた捜査をしないこと。金と引き換えに情報を引き出したり、時には暴力を振るう。しかし、二人の陽気さ、特にキュータのはじけっぷりがあるので、あまりダークさを感じずに読むことができる。この部分がパートタイム探偵でありながら、ハードボイルドなのだ。
それに二人の会話が博多弁というのがめずらしかった。「〜ったい」「〜やろうもん」「〜じゃと」という聞きなれない言葉が、温かみがあってテンポがあってかなり新鮮だった。福岡の方が読むと、大阪弁の作品を大阪人が読む感覚と同じなんだろうか。どんな風に感じるのかちょいと興味があるね。
ラストは続編を望めないような終わり方ではあるが、こういう終わり方は嫌いではなかった。切なさがあって、二人の絆が見え隠れしていて、こんなのもありかなと思う。たぶん少数意見だろうけど。馴染みのない博多ですが、違和感を感じさせない描写は、さすが北森鴻と言える。異色の作品で少し雑だけど面白く読めました。
この記事へのコメント
おはようございます。
北森さん、面白いですか?
私は、北森さんの作品って読んだことがないんですけど、
すごくはまっている本好きさんがいて、
以前から気にはなっていたんです。
何となく、「身近な謎解き」が自分も好きそうな気がして。
何か最初に読むのにお薦めがあったら、教えてくださーい。よろしくです。
北森さん、面白いですか?
私は、北森さんの作品って読んだことがないんですけど、
すごくはまっている本好きさんがいて、
以前から気にはなっていたんです。
何となく、「身近な謎解き」が自分も好きそうな気がして。
何か最初に読むのにお薦めがあったら、教えてくださーい。よろしくです。
2008/01/15(Tue) 09:43 | URL | えびすけ #zniSEbEA[ 編集]
えびすけさん、こんばんは。
「狐罠」で始まる、骨董の贋作をあつかった冬狐堂シリーズ。
「凶笑面」で始まる、民族学ミステリーの蓮丈那智シリーズ。
「花の下にて春死なむ」で始まる、人間ドラマの香菜里屋シリーズ。
これら三シリーズが代表作です。
身近な謎解きは意外と少ないかもです。
あっ、料理ミステリの「メイン・ディッシュ」は読みやすいか。
公式サイトがあるので、参考にしてみて♪
http://vote2.ziyu.net/html/rain98.html
「狐罠」で始まる、骨董の贋作をあつかった冬狐堂シリーズ。
「凶笑面」で始まる、民族学ミステリーの蓮丈那智シリーズ。
「花の下にて春死なむ」で始まる、人間ドラマの香菜里屋シリーズ。
これら三シリーズが代表作です。
身近な謎解きは意外と少ないかもです。
あっ、料理ミステリの「メイン・ディッシュ」は読みやすいか。
公式サイトがあるので、参考にしてみて♪
http://vote2.ziyu.net/html/rain98.html
2008/01/15(Tue) 19:58 | URL | しんちゃん #-[ 編集]
紹介してくださってありがとうございました〜♪
テッキとキュータ以外の同情人物も個性的で、魅力がありました。そして、何といっても博多弁。耳に馴染んだ言葉がたくさん出てきて、とっても楽しかったです。
北森さんの作品、初だったんですが、これを機にいろいろ読んでみようと思います。
テッキとキュータ以外の同情人物も個性的で、魅力がありました。そして、何といっても博多弁。耳に馴染んだ言葉がたくさん出てきて、とっても楽しかったです。
北森さんの作品、初だったんですが、これを機にいろいろ読んでみようと思います。
エビノートさん
喜んでもらえて良かった〜!
北森的には異色だけど、お薦めのかいがあったと、ほっ。
喜んでもらえて良かった〜!
北森的には異色だけど、お薦めのかいがあったと、ほっ。
2008/01/26(Sat) 22:57 | URL | しんちゃん #-[ 編集]
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