2008
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ニューヨーク市警三十八分署の失踪人課に所属するダニエル・ワットマンのもとへ、かつて暗闇で生きてきた少年サミュエルが訪れて言った。彼女が、ペギーがいなくなったんだ。しかしその少女は死体にになって発見された。その現場には、胡桃の実が付いたキーホルダーが少女の遺留品として残っていた。そのキーホルダーと同じものを見た記憶がある。それは別の少女の自殺現場で見つかったキーホルダーとまったく同じものだった。刑事の勘なのか、ワットマンは何かが気になり調べてみると、飛び降り自殺した二人の少女は同じような悪夢を見ていた。
一方、ニューヨークで暮らし始めたCGデザイナーの巡矢新(メグリヤ)は、友人であるフォトグラファーの恵野かんなから幽霊が写っている写真を見せられた。そこには良く知る警察官のワットマンに向かって、居るはずのない女の子が微笑んでいる姿が写っていた。メグリヤはワットマン宅を訪れるが彼は留守。そこで同居している彼の父デイヴィットに、言伝を頼もうと例の写真を渡そうとする。するとその写真を見たデイヴィットは驚愕の表情を浮かべ、その直後に発作を起こして倒れてしまった。
ダニエル・ワットマンは、サミュエル少年と同僚で家族同然のレベッカと共に、二人の少女の自殺の謎を追いかけ、メグリヤは、かんなと共にワットマンの家族を探り始める。今もお互いの心の中に「彼」がいる二人の男。彼らが動いた末に明らかになった真実とは。
かなり前に前作を読んでいたので、記憶がすぱっと抜け落ちていた。しかし読み進めていくと、ぼんやりとだが思い出してきた。前作で主人公に頼られたのがメグリヤで、ニューヨークの地下に住む「彼」と子供たちが一緒にいた描写もあったなと。そして短い章割り、作品の雰囲気も同じ。切なさがあるところもと、ドンドン思い出すことができた。ただワットマンだけは思い出せず、それがちょっと残念。前作を読んでいてこれだから、単独で本書を読んでも理解できない部分が多いだろう。一番良いのは続けて読むこと。当たり前か。
これまでに何度か書いたことがあるが、翻訳ものが苦手だ。だからまったく翻訳ものを読まないので、当っているのか検討はずれなのかわからないが、本書の所々で向こうの作品のモノマネのような部分があった。向こうの作家ならこう書くだろう、という意識しすぎのような描写が多々あったように思う。そこが少し引っかかってしまった。本書を読むのは日本人、あるいは日本に住む人たち。向こうの作品と並ぼうと意識せずに、舞台はアメリカでも日本の作家であることを貫いて欲しかった。これは全くの個人的な感想だけど。
ネタバレを避けて抽象的なことを書いてきたが、登場人物たちは素敵な人ばかりだった。真面目なダニエル・ワットマン、大人びいたサミュエル、過去から脱皮したレベッカ、思いやりのあるメグリヤ、唯一ふつうのかんな。彼らの魅力で読ませる本書だが、ちーと物足りなさを感じた。だけど続編が出たら必ず読むな。だって小路さんのファンやもん。
TBさせて貰いました。「今日何読んだ?どうだった??」
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