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    2008

01.21

「風少女」樋口有介

風少女 (創元推理文庫 M ひ 3-5)風少女 (創元推理文庫 M ひ 3-5)
(2007/03)
樋口 有介

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赤城下ろしが吹き荒れる二月のある日、父親危篤の報を受け、六年ぶりに故郷の前橋駅に降り立った斎木亮は、駅舎を出たところで偶然、中学時代に好意を寄せていた川村麗子の妹・千里と出会う。そこで聞かされる、初恋の女性の死。昨年地元に帰っていた彼女の身に何が起こったのか。なぜ睡眠薬を飲んで風呂場で溺れたのか、麗子らしくない死に方に納得いかない斎木と千里は、中学時代のかつての級友たちに会い、彼女の死の真実を追う。

麗子は常識では考えられないぐらい綺麗だった、その彼女があんな死に方をするはずがない、という変な理由で行動し始める大学生の斎木亮と高校生の川村千里。ちょっとここに違和感を覚えるが、それ以外は面白かったです。淡くてほろ苦い記憶でしかなかった麗子。未だに引きずるほど一途に好きだった彼女。それが自分の虚像であったこと、まったく知らなかった一面を持っていたことを、斎木はどんどん知っていく。だけど彼女はもういない。

これってすごく切なーい。自分なら耐えられないと思う。だけどその隣にはいつも千里がいて、弱みを見せることが出来ない。その千里が涙をながして無防備に弱みを見せるからだ。そして毎日隣にいて一緒に過ごす千里が、どんどん自分の中で大きな存在になっていく。そんな千里だが、普段は明るくてすごく魅力があった。それと対をなすのが斎木の妹の桜子。あだ名はつぼみ。

樋口作品にいい女は付きもの。それが本書ではかわいい女の子になっている。年下の明るい女の子と、兄をイジめるがかわいくてしかたがない妹。この作品が書かれた時代には萌えという言葉は生まれていないが、まさにそれ。主人公は萌え系女子の二人に囲まれて、毎日を過ごす。なんて羨ましいことだろう。しかも頭をなでなでしたり、からかってみたり。うん?これって少女マンガの世界に近くないかな。まあ、いいか。その少女たち二人との会話がすごく面白かった。これが樋口作品の一番の楽しみなのだ。

しかしこの主人公は大学生という設定なのだが、柚木草平なみにニヒルをきめている。柚木と違ってナンパではないが、実際にこんなスカした話し方をするヤツがいたら、自分なら絶対に敬遠する。でも二次元の世界ならカッコよく思えてしまう。そこが本の不思議なところでもある。そしてこのニヒルが最後までニヒルのまま終わる。あんなにかわいい千里に手を出さないなんて、こいつは渋すぎ。主人公の姉が島倉千代子の「人生いろいろ」が好きってのも渋すぎ。

柚木シリーズも面白いが、それ以外の作品も面白いことが、本書を読んでわかった。今年も樋口有介をどんどん読んで行きたい。というか、こんなに面白い作品を知らなかったのが、いまさらだが悔やまれる。復刊を踏み切った東京創元社はえらい! すごくお薦めしたい作品でした。

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樋口有介
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comments

こんばんは。
柚木シリーズ以外にも、まだまだおもしろい作品がたくさんありますよ。
 ・「ぼくと、ぼくらの夏」文春文庫
 ・「林檎の木の道」 創元推理文庫
毛色が変わっていてドキっとしたのは
 ・「雨の匂い」中公文庫

ディック:2008/01/21(月) 22:12 | URL | [編集]

ディックさん、こんばんは。
ブログを訪れましたが、TBを撥ね付けられます。
メッセを残せば良かったですかね。

お薦め作を読みたい~、と思っています。

しんちゃん:2008/01/21(月) 23:17 | URL | [編集]

こんばんわ☆

そうそう!私も東京創元社の復刊がなければ柚木草平シリーズに出会うこともなかっただろうし、もしかしたら樋口さんの作品を手に取ることがないままだったかも。
東京創元社には感謝感謝です。

主人公、とくに口調が大学生っぽくなかったですよね(笑)
こんな大学生いるか?!と思いつつでも楽しく読みました(笑)

マメリ:2008/01/22(火) 00:37 | URL | [編集]

マメリさん、こんにちは。
東京創元社はほんとえらいよね。
今後もどんどん出るみたいなので楽しみです。

こんな大学生がいたら怖いっすよね~。

しんちゃん:2008/01/22(火) 12:05 | URL | [編集]

これも面白そうだね。
「創元推理文庫」の表紙の絵が結構私は好きだな♪
今年も樋口さん、ゆっくり読んで行こう~。
しんちゃんの後を追うかな(^^)

まる:2008/01/24(木) 00:59 | URL | [編集]

まるさん
期待以上に面白かったです。
表紙が風景ってのがいいよね。
作品の舞台になった場所のイメージがわくし。

しんちゃん:2008/01/24(木) 11:59 | URL | [編集]

しんちゃんさん

こんばんは。
ぼくのお勧めは、『ぼくと、ぼくらの夏』ですね。

刑事の息子とヤクザ(正確にはテキ屋)の娘のコンビという設定が楽しくて、初めて樋口さんの作品を読んだ妻も「面白い」と言っていました。

『風少女』はロマンチックなタイトルと、内容とが少しかけ離れているような気がしますが、これもそれなりに楽しめました。

touch3442:2008/01/25(金) 22:46 | URL | [編集]

touch3442さん、こんにちは。
「ぼくと、ぼくらの夏」ゲットしてます。
わくわくです。

しんちゃん:2008/01/26(土) 11:57 | URL | [編集]

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『風少女』 樋口 有介


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