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    2008

01.25

「吉原手引草」松井今朝子

吉原手引草吉原手引草
(2007/03)
松井 今朝子

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出入り口は大門たったひとつ。お歯黒溝にぐるりと囲まれた三丁四方の遊郭の中は、思えばひとつの大きな舞台なのかもしれぬ。いずれも綺麗に着飾った女郎役を相手にして、お客人は皆われこそ天下の二枚目なりという心意気で舞台に立つ。色事の口舌や濡れ場はもちろん、惚れたあげくに生きるの死ぬのといった愁嘆場もあり。されどそれすべて仮そめの芝居だと思えば、下手な間違いはせずとも済むのかもしれぬ。

その吉原で一、二を争う花魁だった舞鶴屋の葛城が突然消えた。吉原に足を踏み入れた男は、舞鶴屋の見世番、番頭、新造、遣手、妓楼の主人、客など、関係者に聞き込みをし、葛城失踪の謎を追う。それと共に、吉原とはどのような場所であったかと案内する。第137回直木賞受賞作です。

隆慶一郎氏の「吉原御免状」が好きなので、吉原という異質な世界にすんなり入ることが出来た。吉原に住むさまざまな人たち。そのそれぞれの人生や仕事内容、そして彼らの語りによって、少しずつ葛城という花魁を肉付けしていく。彼女はどこからやって来て、どんな風に育ち、トップへ駆け上がり、そして何を考え、なぜ消えてしまったのか。

まず読ませ方が上手いと思った。そこにいない人物を他人の目線で語らせることで、葛城という女性を読者に想像させる。顔が見えずに煙に巻かれたままの葛城。吉原を代表する女性だったのだから、綺麗なのはもちろん、それプラスどんな魅力があったのだろう、同性から見てどう思われる女性だったのだろう。そして全盛のときに消えてしまった背景には何があったのだろうと。

ただ、直木賞受賞作にこんなことを言っては失礼だが、地味だった。インタビューに答えるそれぞれの人物たち。彼らが自分たちの人間ドラマとか生き様などを語るのだが、それが淡々としたもので、ぐいぐい読ませる勢いというのが欠けていたように思う。個人的なことだが、彼らのドラマにはあまり惹かれなかった。

だけど、葛城のことや、聞き込みをしている名の無き男の正体などは、興味をもって読む事ができた。まあ、読み終わってみると、二人とも想像の範囲内だったけど。花魁は男を上手くだますのが商売。そんな吉原という異質な世界でトップにまでなった女性。彼女はいったいどこへ消えてしまったのでしょう。ただ、華やかそうな吉原だが、一方では苦界という側面もあるのは事実のこと。

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comments

吉原って、どんなところなのか具体的に知らなかったんで、勉強になりました。
指きり屋とか、そんな商売があったというのにいちいちへぇぇ~っとなっちゃいました。今では考えられない職業ですよねぇ。

エビノート:2008/01/25(金) 21:14 | URL | [編集]

エビノートさん
吉原を知らなかったら楽しめたのかも。
もうちょっと何かがあれば良かったな~。残念。
先駆者がいると、たまにこう乗れないときがあります。

しんちゃん:2008/01/26(土) 11:55 | URL | [編集]

なるほどそういう事でしたか。
しかしそれは比べるのが酷って話です。
あの作品、作家が獲れなかったになぜ?
ってのは直木賞と芥川賞には付き物ですね。

たまねぎ:2008/01/29(火) 00:52 | URL | [編集]

たまねぎさん
庄司甚右衛門とか裏柳生とかわくわくしました。
あれと比べちゃって…。
直木賞ってほんと変ですよね。
死んだらあげれないもん。

しんちゃん:2008/01/29(火) 11:38 | URL | [編集]

TBさせていただきました。


ミステリーでありながら、吉原のガイドブックとしても読める。
この時代特有の人情なんかもあって、読後は何ともいえない充実感い包まれました。

タウム:2008/02/09(土) 11:51 | URL | [編集]

タウムさん
堪能できたみたいで良かったですね。
悪くはないし受賞に値する作品だと思いました。
でも個人的には少し物足りなかったです。

しんちゃん:2008/02/09(土) 12:31 | URL | [編集]

こんにちは。
淡々とした感じがおもしろかったですが、それが物足りなかったのかもしれませんね。
苦界としての吉原はあまり描かれてなかったかもしれないけど、指切り屋とか遣手とか、へぇ~という感じでした。

mint:2008/05/20(火) 12:51 | URL | [編集]

mintさん、こんばんは。
直木賞という色眼鏡があったからか、期待ほどではなかったです。
華やかさがもっとあれば良かったのですが、商業別の説明が退屈で…。

しんちゃん:2008/05/20(火) 19:43 | URL | [編集]

実は私も商売別の説明のせいかな~?中盤まで進みが遅くて、どうしようかと思ったくらいです。「あの事件」もみんな口にするけど、真相に迫るのは本当に最後の方だし。
でも、語り口に慣れてからは俄然スピード上がって、読み終えてみると、面白かった!の一言です。

じゃじゃまま:2008/07/02(水) 16:07 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
同じでしたか。人物がころころ替わるのが乗りにくかったです。
何度かもういいかなと思いました(笑)

しんちゃん:2008/07/03(木) 11:31 | URL | [編集]

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