2008
![]() | 阪急電車 (2008/01) 有川 浩 商品詳細を見る |
ネタバレを注意しましたが、本人が気付かずにバラしているかも。
宝塚劇場で有名な宝塚駅から西宮北口まで、片道わずか15分の阪急今津線。えんじ色の車体にレトロな内装が個性的な車両が、兵庫県の南北をちょろっと走る。そんな今津線の各駅で乗客が乗り降りするたびに、何がしかのエピソードが繋がり、新たな物語が始まっていく。
征志が宝塚駅から隣り合わせで座った女性は、征志の側から一方的に見覚えのある人だった。宝塚中央図書館でよく見かけ、その女性を観察した結果、どうも好みの作家や興味の傾向が似ているらしい。征志が運命の女性と出合う。...「宝塚駅」
翔子が宝塚南口駅から電車に乗り込むと、呪い!?という男女の会話が聞こえてきた。五年も付き合っていた男が、翔子のコバンザメをやっていた女と浮気をし、できちゃった結婚をすることになった。不幸を願う新郎新婦に呪いの願をかける...「宝塚南口駅」
時江が孫娘と逆瀬川駅から電車に乗ると、純白のドレスの女性がドアの近くに立っていた。孫娘の花嫁さんの声に、その女性の目から涙。時江は彼女に話しかけ、励まされた女性が電車を降りたあと、孫娘の気をそらすべく、犬を飼おうと思うと告げる。...「逆瀬川駅」
翔子は老婦人にいい駅だからと勧められて小林駅に降り立った。駅で見上げるとツバメの巣。見るとあちこちにツバメの巣がかかっている。渡ってきたツバメが安心して巣をかけ、子育てのできる、いい町で、いい駅だった。翔子が途中下車して業を落とす。...「小林駅」
カツヤの看過できない暴言に、ミサは仕返し半分、心配半分で言い募った。するとカツヤが突然電車のドアをガンと三度も蹴った。向かいの女の子が泣き出すし、ミサは停車した仁川駅でキレた彼氏に置き去りにされた。ミサが別れの覚悟をする。...「仁川駅」
別れを決意したが、ルックスがめっちゃ好みやし、と心が揺らぐミサ。そこへ甲東園駅からにぎやかな女子高生が数人乗り込んできた。その中のえっちゃんが語るアホな社会人との恋バナに引き込まれるミサ。悦子が年上の彼の話を披露。...「甲東園駅」
圭一は女子高生の嬌声を聞きつつ、電車は門戸厄神駅でラッシュを向かえた。乗り込んでくる客に押され、圭一は同じ大学指定の教科書を持つ女の子にぶつかった。お互いにコンプレックスを持つ圭一と美帆が出合った。圭一の初めての恋の予感...「門戸厄神駅」
西宮北口は阪急神戸線と連絡し、西へ向かえば三宮(神戸)、東へ向かえば梅田(大阪)という、都会への中継ポイントだ。翔子の持つ引き出物がこの駅でゴミになり、ミサはえっちゃんたちをそっと見送り、圭一は美帆ちゃんを誘って初デート。宝塚から出発し、乗客を乗せたり降ろしたりしながら西宮北口まで到着した電車は、また新たな乗客をその車内に招きいれ、人数分の物語を乗せて、宝塚まで線路を走っていく。...「西宮北口」
そして、折り返し。「西宮北口」から「宝塚駅」まで、電車とともにミサ、悦子、圭一、翔子、征志たちのその後の物語が続いていく。ここは迷ったけど書かないでおこう。というか書きすぎたかも。
前半部分の電車の南下も面白かったが、後半の折り返してからの北上がすごーくとってもグレイトに面白かった。感謝の気持ちにニンマリとなり、人生の機微にカッコいい〜となり、男の理性にキュンとなり、ベタな甘さにデヘヘとなり、常識ない集団をやっつけてヤッターとなり、温かな幸せにムフフとなった。良いーーっ!すごく良かったです。これは買って正解の本でした。
しかもサイン本だったりして。

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TBさせて貰いました。
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