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    2008

02.05

「フルタイムライフ」柴崎友香

フルタイムライフフルタイムライフ
(2005/04/14)
柴崎 友香

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美術系の大学のデザイン科に入った。だけど、自分にはこういう仕事はできないと思うようになった。だから当然、厳しい就職活動で勝ち抜けるなんてことはなくて、このままだとアルバイト生活かなと思っていた。そんなところに、担当の先生に見せられた求人票の会社が、仕事内容は社内報の編集・デザインと書いてあって、場所も心斎橋だったので、受けてみた。喜多川春子22歳。思いがけず包装機器会社の事務職についた。

軽妙な大阪弁が踊る踊る踊る。はたらく生活をはじめて体験する女の子のゆるやかな毎日、恋を描いた長編小説。新入社員の10ヶ月の物語。

「おもしろいで。会社。おっちゃんばっかりで、ほんまにコピーしたりお茶入れたりするねん。なんか、まだ、そういう役をやってみてるっていう感じ」「セクハラとかあんの」「話では気持ち悪いこと言うてくるおっちゃんのことも聞くけど、わたしの周りは温厚な人ばっかり揃てるんか、まだない。でも、いかにもおっちゃんの社会やなとは思う。うーん、けど、思ったより楽しいで。知らんことばっかりやから」「仕事、慣れた?」「まあまあ。今日は、三時間ひたすらシュレッターしてた」

上に書いたしゃべりだけで、なんかすべてが伝わりそうやな。そやからこの本の感想はパスしよっかな~。やっぱりあかんかな。なんて大阪弁で書いてまう影響力がこの本にはあるねん。もうちょっとこのまま書こうかと思ったが大阪弁はここまで。

本書はこれまでと同じで、ふつうの日常を淡々と描いただけで、なにも大きなことが起こらない。お局の小言もないし、いがみあう派閥もないし、スケベな上司もいない。そんな派手なイベントはまったくないのだが、巧みな文章にぐいぐいと読ませるパワーがある。

それとこれまでは風景が浮かぶような描写が多かったけど、この本はほとんどが会話中心になっていて、ずーっと春子が3コ先輩の桜井さんや友達の樹里たちと、だらだら話しているだけ。それもべたべたの大阪弁で。よその地域の方はどうかわからないが、この大阪弁の文章が大阪人のじぶんにはすーっと入ってくる。これは大阪人だけの特権だと思う。ええやろ。と自慢してみるのも大阪人っぽいかな。

普通のことにわくわくできて、恋がしたいと思えて、仕事に慣れていく姿が微笑ましくて、こんな会社で働けるっていいなと思えて、きらきら輝くユーモアセンスに笑えて、お仕事小説としても読めて、とにかくすごく波長があって、めちゃめちゃ好きだー、となった作品やった。これまで読んだ柴崎友香の中で一番好きな作品でした。

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柴崎友香
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comments

これほどまでに大阪弁の会話の物語を読んだのが初めてだったので、すごく新鮮だった記憶があります。
しんちゃんの大阪弁レビューもすごく新鮮!

なな:2008/02/05(火) 22:14 | URL | [編集]

こんばんは☆
私もこの作品好きです。

>お局の小言もないし、いがみあう派閥もないし、スケベな上司もいない

本当です。
それなのに新人OLさんの小説としてしっかりと
読ませるんだから、柴崎さんてすごいですよね。。

acco:2008/02/05(火) 22:20 | URL | [編集]

ななさん
ちらっと大阪弁で書いたけど、変換が大変でした。
柴崎さんも変換に苦労したんだろうな~。
いやらしさのない大阪弁で、めっちゃ好きな作品でした。

しんちゃん:2008/02/06(水) 12:03 | URL | [編集]

accoさん、こんにちはー。
すごく良かったですよね。
余分な痛みを極力排除したふつう。
それをぐいぐい読ませるのだからすごい。
柴崎さんって只者じゃないですよね。

しんちゃん:2008/02/06(水) 12:08 | URL | [編集]

こんばんわんこ。
この本は、楽しい本でした。
話は変わりますが、届いた『ちくま』を見ていたら、《しんちゃん》の名前が出ていました。
《しんちゃん》は、どこでも出没しますね。
書評家を目指して頑張って下さい。

モンガ:2008/02/08(金) 17:37 | URL | [編集]

モンガさん
ギクッ、目についちゃいましたか。
読書カードを出したら、選ばれてしまいました。汗たら~。
つうか、無茶をいわないで~。汗、汗。

しんちゃん:2008/02/08(金) 22:56 | URL | [編集]

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「フルタイムライフ」柴崎友香


フルタイムライフ 柴崎 友香 美術系の大学を卒業してごうごく普通の会社に勤め始めた喜多川春子の5月から2月までの10ヶ月の物語。 「君たちに明日はない」に続き「会社」の話。OLと呼ばれる仕事をした事のない私、「5月」の機能のたくさんついたコピー機

2008/02/05(火) 22:14 | ナナメモ

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