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    2008

02.06

「さよなら妖精」米澤穂信

さよなら妖精 (創元推理文庫)さよなら妖精 (創元推理文庫)
(2006/06/10)
米澤 穂信

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一九九一年四月。藤柴高校に通う守屋路行(おれ)は、女友達の太刀洗万智(センドー)とともに帰宅していた。その途中、守屋たちは雨宿りをしていた少女と出会った。マーヤと名乗るその少女は、日本のことを学ぶためにユーゴスラヴィアからやって来たという。行くあてがなくなっていたマーヤは、守屋の紹介で白河いずるの家でホームステイすることになった。見慣れぬものごとに出会うたびに、「哲学的意味がありますか?」と友人たちに問いかけるマーヤ。いずれも日常に転がる他愛のない謎ばかり。そして彼女が帰国したあと、おれたちの最大の謎解きが始まった。マーヤがやって来た(帰った)六つの共和国で成り立つという複雑な背景のあるユーゴスラヴィア。彼女の祖国とはどこなのか。謎を解く鍵は、マーヤとのやり取りをした記憶の中にあるはず…。

千反田えるの「わたし気になります」と同じように、マーヤは「哲学的意味がありますか?」と次々と疑問を持つ。それはまあいいのだが、その小さな日常ミステリーの回答が、うんざりする年配者の薀蓄めいていて、これがありえなさすぎてリアルに欠けていると思った。とても高校生の知識で答えが導けるものではないんだよ。

でも異国からきた文化の違う同年代の友達ができたことで、マーヤが見てきた世界や、どんな国で生まれたのか興味をもって調べようとする意気はわかる。何かをしなくては、したいという衝動もわかる。そう思うけどなにゆえにそう思うに至ったかわからない、という自分の感情の答えが、どこからくるのかわからないやるせなさもわかる。これを若者の青さで片付けるのは簡単だが、こういう熱さはいつまでも持っていたいと思った。人間は枯れたら味気ないからねえ。

自分は文庫版を読んだのだが、ある一点が気になって気になってしょうがなかった。それは「ユーゴスラヴィア」「ユーゴスラヴィヤ」と表記が統一されていなかったこと。同じページ内で「ア」と「ヤ」が同居していたので、これは複線?などと思っていが、最後まで読んでも明らかにされない。結局はただの誤植だったのかな。

それと元ラノベ作家の本で、まさかユーゴの歴史を勉強するとは思わなかった。個人的なことだが、世界のスポーツが好きでよくサッカーやバスケのゲームを観ている。そこで活躍した有名な選手も、旧ユーゴの紛争の犠牲者としてニュースで取り上げられていた。

そんなユーゴスラヴィアも現在は、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、マケドニアと現在それぞれが単一国家として存続している。そんな祖国が消滅の兆しがあった国から来ていたマーヤを思うと、日本人にはない祖国への愛をよりいっそう感じた。

しかしこの作品は、前半部分と中盤以降のバランスが悪かったと思う。日常系でいくのか、マーヤの謎でいくのか、どちらかに絞ったほうが良かったのでは…。そう思ったのは自分だけでしょうか。そこのところが少し残念でした。

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米澤穂信
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comments

私も日常の謎か、マーヤの謎かにしぼったほうがいいのでは・・と思いました。というか日常の謎がないほうがすっきりしたような気がします。

june:2008/02/06(水) 21:17 | URL | [編集]

こんばんは。
確かに高校生にしては知識ありすぎでした。
後半部分、そんなところに着地するのか!と驚きました。

なな:2008/02/06(水) 22:13 | URL | [編集]

juneさん
ですよね~。何かちぐはぐを感じてしまいました。
でも作風だからしかたがないと諦めます。

しんちゃん:2008/02/07(木) 12:38 | URL | [編集]

ななさん、こんにちは。
オヤジかよ、という知識の持ち主でしたね。
内容紹介を読んで、まさかこんな風になるとは思いませんでした。

しんちゃん:2008/02/07(木) 12:41 | URL | [編集]

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