2008
![]() | あやつられ文楽鑑賞 (2007/05) 三浦 しをん 商品詳細を見る |
まずお断りですが、文楽についての説明は省きます。気になる方はここ「仏果を得ず」をどうぞ。
今まで読んだエッセイの中で一番面白かったです。これは先に「仏果を得ず」を読んでいたのが関係あると思う。先に小説という媒体を通して文楽の世界に触れていたので、ふつうなら取っ付きにくいだろう古典にも、す〜っと入っていくことができた。
演者さんと呼んでいいのかわからないが、三味線、人形、太夫さんたちのインタビューは、銀大夫師匠や兎一兄さんのインタビューとして読めるし、「仏果を得ず」のモデルになったあれこれが書かれていたり、「仮名手本忠臣蔵」や「女殺油地獄」という演目の、三浦版の解釈やツッコミが入った指摘が楽しめる。なにより三浦さんの乙女度全開のテンションの高さに、こちらまで楽しくなってくる。
まるでアイドルに会ったようなインタビューだが、三味線の鶴澤燕二郎さんこと六世鶴澤燕三さんって、絶対に兎一兄さんのモデルですよね。それに愛媛県の内子座では、出演者のみなさんが楽屋から出て、屋外の縁台で開演前のひとときを過ごしているなんて、そのまま小説内に同じ描写があったし。と一つの作品ができるまでの取材としても、楽しんで読むことができた。これらは「仏果を得ず」→「あやつられ文楽鑑賞」の順に読むと楽しめる。出版順に「あやつられ文楽鑑賞」→「仏果を得ず」と読んだ方はさぞ残念なことだろう。
「仮名手本忠臣蔵」に関連した本は井沢元彦で読んでいたが、三浦版の解釈はすごくわかりやすかった。ノリノリの文章でストーリーをなぞり、三浦さんにツッコミを入れられた江戸時代の風習や人物たちに親近感がわき、ある程度は知っていた内容けど、こんなお話だったのかとあらためて知ることができた。これだけでもお得でした。
とにかく文楽愛がぎっしり詰まり、読者にも文楽への愛をわけてくれる。「仏果を得ず」で文楽に興味を持ち、さらに文楽鑑賞に行きたいと思うようになった。せっかく文楽の聖地である大阪に住んでいるのだから、今年は絶対に見に行くぞう。前にも同じことを言ったような記憶があるが…温かくなったら必ず行くぞー。おーう!
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