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    2008

02.25

「海神の晩餐」若竹七海

海神(ネプチューン)の晩餐 (講談社文庫)海神(ネプチューン)の晩餐 (講談社文庫)
(2000/01)
若竹 七海

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一九一二年。タイタニック号に乗り合わせた作家は、悲劇の船と共に海に消えてしまった。そして時代は飛び、二十年後、一九三二年。資産家の家に生まれた本山高一郎は、苦労知らずの三代目。かつては神童とまで呼ばれたものだが、身を立てようという気概もなく、日々ごろごろと探偵小説を読むことに明け暮れていた。そこへ親戚一同集まって協議の結果、ここは荒治療、米国は沙市(シヤトル)に住む貿易商の知り合いのもとへ修行に出されることになった。

横浜から氷川丸に乗り込んだ本山高一郎こともとさんは、幼なじみの牧野照嗣ことテディと船上で再会した。そして二人は、日系二世の美少女サラと知り合い仲良くなる。10日間の航路を共にする他の船客たちは、サラの弟でやんちゃなミチオ、リチャアドと名付けられた元貴族院議員をしていた武松翁、夫婦の危機を向かえているジョージとエディスのレモン夫妻、米国官憲になった中国人の張大人、妻に頭の上がらないエド、立教大学のラッシュ教授、謎の使命を持つ女性などなど。

タイタニック号で命を失った作家の遺作らしい原稿を持ち込んでいた本山だが、その原稿の一部を何者かに盗まれてしまう。だがその事件がきっかけで、隠された暗号が原稿に忍ばされていたことを知る。そんな最中に、金髪女性の幽霊出現、金髪女性の死体消失、殺人未遂騒動など、次々起こる怪事件。航海中の船上を舞台にした長編ミステリ。

がっつり読めるボリュームたっぷりの大長編。吹雪の山荘、絶海の孤島ではなく、逃げ場のない船上ミステリ。そのような閉鎖された舞台で起こる原稿を譲った人物の謎、原稿を盗んだ犯人の謎、盗まれた探偵小説の解答の謎、金髪女性にまつわる怪事件の謎、ある船客の不思議な行動の謎、と謎、謎、謎のオンパレード。

それでいて血生臭さはまったくない。これはネタバレになるのかな…。そして恋や友情、船客たちの抱えた悩み、不穏な時代背景などが加味されて、こいつはすげえ作品、とおもわず言葉を漏らしてしまうような重厚なミステリだった。

上海事変や満州建国。日中関係がピリピリして、世界から見たら日本が暴走をし始めた時代。物語は太平洋戦争が始まる寸前で終わる。そんな時代背景ゆえの動機に、こういうのもありかなと思った。それにしても、エピローグの一九四一年、戦争直前の強制引き揚げ船に乗せられた日本人は何を思ったのだろうか。小説を読んでだが、歴史に触れた、と思えたラストだった。

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