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    2008

03.10

「桃山ビート・トライブ」天野純希

桃山ビート・トライブ桃山ビート・トライブ
(2008/01/05)
天野 純希

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時は安土桃山時代。本能寺の変により織田信長が謀殺され、天下が豊臣秀吉のものとなったころ。歩き巫女の母に捨てられたあと、女猿楽の源八一座に拾われた少女・ちほは、秀吉の御前興行にて見事な舞を披露し、秀吉から喝采を受ける。一方その頃、かつては武士の息子でありながら、浪人となって最後は無残な死を遂げた父を見て、親父の轍は踏まん、悪の道に生きる、と掏摸や置き引きを繰り返しながら毎日を過ごしてきた藤次郎は、ある日、商人風の男から大きな皮袋を盗んだ。中に入っていたのは、その頃まだ珍しかった三味線。その音色に魅せられた藤次郎は、独学で演奏法を取得し、諸国修行の旅に出た。

そこでたどり着いた京の五條河原で、藤次郎は出雲のお国一座の笛役者・小平太と出会う。すったもんだの挙句、お国一座を飛び出した二人は、自由な一座を作ろうと座員探しを始めた。その二人に、元奴隷の黒人の鼓打ち・弥介を加わり、そこにちほが合流して、四人で一座を結成、諸国巡業の旅に出る。一年半の西国での修行を経て京に戻った四人は、五条河原で小屋を掛ける林又一郎の夢、この国の芸の歴史を俺らで塗り替える、に賛同した彼らは、やがて都の人々を惹きつけてゆく。

そんな折り、豊臣家の行政を担う石田三成は、河原や寺社の門前に巣食う芸人や遊女の統制をはじめた。型破りな音楽と、自由な踊りを武器に、権力に立ち向かった若者たち。激しいビートが自由を謳う。第20回小説すばる新人賞受賞作。

これはロックです。各々が楽器を手に持ち、気持ちがいい音楽がしたくて仲間を探す。仲間が集えば人前で演奏したい。さらにお客を自分たちの音で酔わせたい。自信満々の者がいれば、自分の演奏に自信がない者もいる。陽気な者がいれば、何も考えていない者もいる。ときには対立もするが、このメンバーでしか出せない音楽がある。そして個々の音が合わさったときに、大きなうねりを生み出す。疾走するグルーブ、弾けるリズム、ビートを刻み、得体のしれない勢いが身体を揺らす。楽器が三味線だろうが、笛だろうが、鼓だろうがそんなのは関係ない。好きなように自由に奏でれば、それはロック。ロックンロールなのだ。

というわけで面白かったです。ジャンル的にいえば歴史ファンタジーかな。それぞれの生い立ちから出会い、修行時代を経て、ちらほら噂が広まる。そしてプロデューサーの仕掛けで、満を持してプロデビュー。一躍お客のハートをがっちりつかむが…。とここまでは申し分がないほどわくわく。だけど、そこから先は中だるみをしていたように思えた。

物語が彼らの手を離れ、その時代背景、つまりは石田三成の民衆への締め付けや、秀吉に世継ぎが生まれたことで、後継者にまつられていた秀次が邪魔になる、という地の文になったところは少々退屈だった。しかしラストでは、彼らの勢いが盛り返し、最後は気持ちよく、ぱたんと本を閉じることができた。読みやすく、疾走感もあって、とてもこれがデビュー作とは思えないほど、充分に満足できた作品だった。次回作も楽しみな作家だと思う。

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comments

勢いがあって面白かったですね~
音楽はこうでなくっちゃ!ロック最高~!
というところを存分に感じさせてもらいました。
こういう楽しい作品を読むと
続編あるといいなぁ~と思っちゃいますね。

エビノート:2008/03/10(月) 21:42 | URL | [編集]

エビノートさん
ロックは最高でしたね。バンドの勢いをびんびん感じました。
どうやら次は違う作品みたいですね。バンドじゃなくて残念。
雑誌によると、戦国時代を舞台にした軍用犬、だそうです。
ちょっと想像がつきませんが、楽しみ~。

しんちゃん:2008/03/10(月) 21:56 | URL | [編集]

こんばんは。
ロックンロールなお話、楽しめました。
ラストとか燃えました。

次回作も時代物なのですね。
確かにちょっと不思議な設定。
でも楽しみです。

ちきちき:2008/03/11(火) 20:35 | URL | [編集]

ちきちきさん、こんばんは。
ロックは熱かったですよね。
バンド、最高ー!というノリで楽しめました。
楽しみな作家が誕生したと思いました。
次回作も絶対に読んでしまうよね。

しんちゃん:2008/03/12(水) 21:54 | URL | [編集]

時代の閉塞感を撃ち破るようなスカッとした展開を作ろうってのは、悪くないんですけどね。今の時代ともあってますし。でも三成の所はやっぱり横道にそれすぎなんですよね。

たまねぎ:2008/03/12(水) 22:32 | URL | [編集]

こんばんわ☆

表紙はなんだか異様な雰囲気の歴史物でしたけど、中身はしっかりした歴史物だったので驚きました。
まぁ、設定は奇抜でしたが…。
でもそれがすごく楽しかったです!まさかこの時代にロックとは…!
勢いがあって、読んでる最中もすごく気持ちよかったです♪

次回作も楽しみですね~♪

マメリ:2008/03/12(水) 22:46 | URL | [編集]

たまねぎさん、こんばんは。
三成のあれは少し邪魔でしたよね。
突然の異物登場に、盛り上がりが下がちゃった。

しんちゃん:2008/03/13(木) 19:26 | URL | [編集]

マメリさん
無茶苦茶ロックしてましたよね。
わくわくで、この部分だけはノリノリでした。
もう少し書きなれると面白い作家になりそう、と思いました。

しんちゃん:2008/03/13(木) 19:30 | URL | [編集]

こんばんわ。
ロックでしたね~!音楽が聞こえてきそうでした。
桃山時代のお話だと知らずに読んで、度肝を抜かれましたよ。
読後感もスッキリしていて、気持ち良かったですね。
次回は戦国ものか~楽しみです♪

ia.:2008/03/30(日) 19:39 | URL | [編集]

ia.さん、こんばんは。
ロックの魂が溢れていましたよね。
途中は助長かと思いましたが、ロックスピリッツは気持ち良かったです。
次回作はどんな内容でしょうね。期待値大の作家が誕生っすね。

しんちゃん:2008/03/30(日) 23:17 | URL | [編集]

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