2008年03月13日 (木) | 編集 |
![]() | 先端で、さすわさされるわそらええわ (2007/12) 川上 未映子 商品詳細を見る |
語り手の少女、あるいは女性が、銭湯、部屋、図書館、教室、電話、渋谷、といったそれぞれの場所から物語を思弁を、言葉と言葉にならぬものを渾身で発信します。わたしにとっても大切な一冊になりました。読んでくれはった方にはとっても、なんというか、いい一冊になってくれれば本当にこれ以上に嬉しいことはありません。
(川上未映子公式ブログ「純粋非性批判」より)
詩集です。ポエジーです。収録作は、表題作の「先端で、さすわさされるわそらええわ」「少女はおしっこの不安を爆破、心はあせるわ」「ちょっきん、なー」「彼女は四時の性交にうっとり、うっとりよ」「象の目を焼いても焼いても」「告白室の保存」「夜の目硝子」の七編。
詩とは謳うことであって、これに一々感想をいうのは無粋である。なんてカッコいいことをいいたいが、何を謳っているのかよく理解できなかった、というのが本当のところ。しかし、リズミカルな文章がすーっと頭の中に浸透し、そこに留まることなく、すーと抜けていく。おいおい、抜けてはいかんだろう。ははっ。というわけで、本書の良さを上手く伝える自信がない。内容を紹介するのも難しい。そこで本文の一部を引用させてもらって、内容紹介ならびに作品の雰囲気を伝えたいと思う。
まずはきらりと輝く言葉のセンス、物事のとらえ方が素晴らしいと思った一文。「抜いた毛はしばらくすると細くなって面白くなくなってちり紙のうえで死んでゆく。おおよ艶としていたさっきまでの命は毛から失われてしまうのです。ぐいんぐいんとしていた髪の毛いっぽんさよなら」 抜いた髪の毛一本で、ここまで生命のはかなさを表現するなんてすごい。それに文章がきれい。
次は苦悩する人を表現した妙の一文。「どれくらい首を折り曲げたらそれは『うつむく』ということになるのかを、ただぼんやりと、考えるというほどのあれもなく、指が草をぷっと吸って捨てるように思えば、気まぐれならば美しさもあるもの、ぼんやりと、人は、生まれて、生きて、そして死んでゆく、それだけではなんでいったい駄目なんでしょうか。それだけでは、なぜこんなにも色んな場面が苦しいのでしょうか」 抽象的な一節を加えることで、苦悩する姿にも美しさを感じさせる。
次はまず一文を。「ここにはやはり、思想しかないのです。語られなかった思想、切り捨てられた思想も相殺された思想もあるなかで、利用するものとされるものの偶然の導くところによって、遺された思想はここで結晶したのです」 これは図書館を評したもの。普段なに気に利用している図書館が、この一文では生き物のような迫力を感じさせる。確かに思想のかたまりだし、偶然の本との出会いもある。思想の結晶とは、怖くもあり、好奇心をくすぐるものである。
最後は素敵だと思った一文。「『われわれは不在のものを抱きしめるばかりでなく、かつて存在していたものをも、いまだ存在しないものをも抱きしめる』のだから、こんなことは生きているのなら誰にでもわかっていることなのだと思いながら、あらゆる濃紺の輝く空白に突き当たり、もう一度だけ顔をあげれば、そこには、光の中で視力がとらえる、あなたの顔も、あるのです」 この一文は、あえて語らず。
引用ばかりだが、これに何かを感じてもらえ、本書を手に取るきっかけになれば嬉しい。

サイン本を買ってしまった。
この記事へのコメント
いいなぁ、
この本読みたいんだよ〜★
(まだ、思想の塊の中に、この思想は入ってません)
この本読みたいんだよ〜★
(まだ、思想の塊の中に、この思想は入ってません)
つたまるさん
頭がぐらぐらと揺れました。だけどクセになります。
感想泣かせですが、他の本も読みたいと思いました。
頭がぐらぐらと揺れました。だけどクセになります。
感想泣かせですが、他の本も読みたいと思いました。
2008/03/15(Sat) 19:23 | URL | しんちゃん #-[ 編集]
『乳と卵』読んだー★
読書ブログ、2ヶ月ぶりに書きましたー( ̄∇ ̄;)
読書ブログ、2ヶ月ぶりに書きましたー( ̄∇ ̄;)
つたまるさん
おー、読まれましたか。こちらもすぐに読める状況になりました。
ですが図書館の取り置き期限ぎりぎりまで借りに行きませんが。
予断を持ちたくないので、読んでから伺わせてもらいますね。
こちらは毎日読書ブログです。つうか書くのが追いつかない(汗)
おー、読まれましたか。こちらもすぐに読める状況になりました。
ですが図書館の取り置き期限ぎりぎりまで借りに行きませんが。
予断を持ちたくないので、読んでから伺わせてもらいますね。
こちらは毎日読書ブログです。つうか書くのが追いつかない(汗)
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