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    2008

03.25

「ほんたにちゃん」本谷有希子

ほんたにちゃん ほんたにちゃん
(2008/03/20)
本谷有希子

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いやー、笑えた。本を読んで声を出して笑ったのは久しぶりかも。これは予断を与えたくないので、消極的な紹介になってしまうかも。だけど、最高に面白かった。買うのはえらい恥ずかしかったけど…。

90年代。東京。高校卒業後、自己啓発本コーナーに置いてあった『あなたも大丈夫だよ』というなんだかわけの分からない本にまんまと「大丈夫なのかな……?」と惑わされて入学した、写真の専門学校での生活も、両親を幼い頃に二人とも亡くしているっぽい感じで、エヴァンゲリオンの綾波レイのイメージである不遇キャラを、それとなく匂わせてみるが、中途半端だったせいもあったけど、クラスの中でもすぐに浮上。初めは気取ってみんなから離れていた自分も、そのうち本当に放っておかれるようになり、「個性派で売っていくぞ」って東京デビュー狙ったはずだったんだけど。それでも理想を貫き、無口で無表情で陰のある女を努める、ほんたにちゃん。

そんなほんたにちゃんはある日、「え、あの人、お正月に来て家の中うろうろしてたけど親戚のおじさんじゃなかったの?」作戦で、まるで初めから同行していたかのように、紛れるカタチで飲み会に参加した。そこにスペシャルゲストとしてやって来たのは、カリスマ・イラストレーターの野次マサムネだった。その世界の野次から、作品のモデルになって欲しいと頼まれた。これがこのおっさんとほんたにちゃんの因縁の出会いだった。

自分が何者かになる資格があるのか、才能がある人物なのか、有名人になりたい、お金持ちになりたい、人生の勝ち組になりたい、みんなから羨まれる人間になりたい。敗北して、実家の石川県に帰って農業を継ぎたくない。そのためには、目の前に現れたカリスマに、このおっさんに認められなくてはと、目前に現れたビッグチャンスに己の人生を賭けた死闘を挑んでゆく。執筆当時、19歳。本谷有希子の原点、幻の処女小説をセルフリメイク。

あらゆる人間から馬鹿にされる女だった主人公は、曝しに曝した生き恥で身動き取れなくなっていたので、上京を期に、カッコいい女イコール謎の人となぜか思い込み、他人の言動などに一切の興味がないという性格設定を装う。だけどやっぱり上手くいくわけがない。そんな自意識過剰な痛い勘違いの繰り返しにニヤリ笑いをし、ジタバタと脳内で妄想する姿に吹き出し笑いをし、その結果悶絶する姿に腹がよじれそうだった。

最近よくメディアに登場する本谷有希子だが、そのときに目にした、彼女の行き当たりばったりの思考や、やたらと高いテンションが、本書の主人公は本人を投影しているのではないか、と感じさせてしまうところがある。どうやら雑誌『hon-nin』連載時から、「これって本谷有希子の自伝?」と話題騒然になっていたらしい。というわけで、この主人公のおしゃべりを、本谷有希子の早口な口調に当て嵌めて読むと、さらに面白さがアップするかも。

本谷有希子最大の武器である両輪は、ブラックな笑いと、痛い笑いだと個人的に思っている。そのいつものようなブラックさはあまりないが、痛い笑いがこれでもかというぐらいに、ぎゅうぎゅうと詰め込まれていた。そんな笑える痛さを、主人公が絶えず提供してくれるのだ。ネタバレしたくないので具体例は避けたが、これは読んで損なしだと思った。小気味よく疾走する文章が気持ちよく、冒頭から最後のおっさんとの壮絶な戦い(一方的な)まで、一気読みをしてしまった。劇団の匂いがほとんどしない、こういう純粋なお馬鹿の小説を、また読みたい。これは大好きです。買って正解やぞ。

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