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    2008

04.01

「ぼくのフェラーリ」坂元純

ぼくのフェラーリ (講談社文庫)ぼくのフェラーリ (講談社文庫)
(2006/07/12)
坂元 純

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ぼくの名前は加藤和也、十二歳。趣味はスポーツカー。家族はお父さんとお母さん、それにまだ一歳の妹の平凡な四人家族。今朝、ぼくの家に一台のフェラーリがやって来た。色はもちろんイタリアンレッド、一九五〇年型166MMだ。このフェラーリは生産台数がとても少なく、全部で二十五台程といわれているから、現在残っているのは世界でも数台だ。まさに宝石のような貴重な車なのだ。それが何故、フェラーリが和也のものになったのかは、ちゃんとわけがある。

一年前、父方の祖父が危篤になり、和也とお父さんは、会ったことがない大金持ちのおじいちゃんのお屋敷へ駆けつけた。そのお屋敷の母屋にはおじいちゃんと本妻が住み、同じ敷地内の離れに妾のおばあちゃんが住んでいた。そう、和也は妾の孫だったのだ。その母屋に集まるのは、莫大な遺産をねらう近親者たち。おばあちゃんもお父さんも遺産を放棄したが、そこでの遺産をめぐる露骨な雰囲気は異常だった。そこに、死にかけていたおじいちゃんが、入院中の病院を抜け出し、会社の大金庫に閉じこもってしまった。そして、この大金庫には、ほとんどすべての財産が納められていた。

らちの明かないやり取りをする親族たちを置いて、おばあちゃんが大広間を飛び出した。おばあちゃんは、きっとこの事件を解決するに違いないと和也はピンときて、おばあちゃんの後を追う。そこに、納屋からおばあちゃんが運転するフェラーリが現れた。おばあちゃんは、ヒコーキ野郎ばりの大きなゴーグルをして、空色の羽二重プリントのスカーフを首に巻いている。和也はなんとか一緒に乗せてもらうことができた。そして…。

その事件を通して、和也はおばあちゃんの大事な秘密を知ってしまう。そのおばあちゃんの秘密を、おばあちゃんが死ぬときまで誰にもいわなかったら、そのときは和也がフェラーリをもらう、という秘密の約束を和也とおばあちゃんの間で交わされていた。そして和也とおばあちゃんはお互いに約束を守り、和也はこのフェラーリを手に入れたのだった。第36回講談社児童文学新人賞、第7回椋鳩十児童文学賞受賞作。

児童書ではありえない設定が面白い。まず、本妻と妾が同じ敷地内で生活しているが、ここには何の問題もない。ただし、本妻の息子は妾の一族、つまりおばあちゃんやお父さんを蔑視している。そして遺産相続をめぐって生々しいやり取りをしている。児童書では語られることがないこれらが、平然と描かれているのだから、これにはさすがに驚いた。そこで欲を出してみたり、いやいやと揺れるお父さんが面白いし、そんなお父さんをたしなめる和也も面白い。そんな中で、春風駘蕩のおばあちゃんがカッコよく、そんな初めて会ったおばあちゃんに頼もしさを覚えた和也が、まんまとフェラーリを射止めてしまう。たった十二歳のカーマニアが、本物を手に入れてしまうのだ。この痛快さがたまらない。

和也がはじめて見る、さまざまな大人たちや、興味、疑問、驚き、そしておばあちゃんの秘密。これらを子供の目線で見るあれこれが、大人にとっては新鮮で、とてもいい作品だと思った。

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-:2010/10/02(土) 20:29 | | [編集]

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