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    2008

04.04

「リセット」垣谷美雨

リセットリセット
(2008/02/13)
垣谷 美雨

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ここに三人の四十女がいる。もしも人生をやり直せれば、絶対に専業主婦なんかならない。女優のオーディションを受けるのだ。理解のない夫や暴君の舅にうんざりしている主婦、香山知子。高校時代から人生をやり直したい。それができれば短大へ行って、卒業後は地元で就職して、二、三年したら結婚して子供を産む。母が認めてくれない独身キャリアウーマン、黒川薫。タイムマシンで戻れるのなら、高校時代に戻りたい。そしたら絶対にあんな男に騙されないで、ちゃんと高校を卒業する。昼はコンビニのレジ打ち、夜はスーパー銭湯の清掃では、何の楽しみもない。安定した生活が欲しい、赤坂晴美。

ある日、彼女たちは偶然再会した。高校時代に話をしたことはほとんどなかったし、卒業後もつき合いはなかった。それが何者かの手によって三人は、高校時代にタイムスリップさせられてしまう。三十年前に戻ったのだ。?未来の思い出?がリプレイされる毎日は、彼女たちの意識を少しずつ変えていく。今度こそ理想の人生を!と願う三人の運命は!?

デビュー作が良かった。だからすごく期待して二作目である本書を読んだ。よくありがちな、未来を変えてはならないというタイムマシンものではない。そのまったく逆の展開で、あんな現在は絶対に嫌なので何が何でも変わってやる、と昭和50年代からまるまるもう一度生きていく作品だ。ここで面白いのは、同時に三人が過去に戻ってしまうというところだ。あくまで想像だが、女性が集まると、本音を隠した上辺の見栄をはり、その内心では、どす黒い嫉妬や妬み卑屈さが渦巻くのだと思う。その内面が妙に生々しく描かれていて、少し疲れさす部分はあるものの、これが怖いもの見たさなのか、ページを捲る手が止められない。

優等生の二人は、男尊女卑の考えがはびこった世間の壁にぶち当たり、劣等性の一人は、そんな考えは当り前だと認めてしまっている。私が会社の社長なら絶対に女など雇わない。慈善事業ではなく商売だ。結婚や出産でいつ辞めるかわからない人間や、子供の熱による突然の帰宅や、出産休暇やら育児休暇など、そんなプライベートことは会社に関係ない、と一人は言い切る。これは古い男社会の考えを代弁させているが、今もこの風潮は残っていると思う。だけど使う側、使われる側の言い分は、簡単に埋まるわけではない。そこら辺のぶつけ合いは、すごく読み応えがあった。

それと家事をまったくしない男、育児をまかせっきりの男に、愛想をつかす場面があったが、これには男性諸氏は反省せねばならない。また夫の仕事の内容をしらない妻も反省せねばならない。いろんな形の夫婦はあるとは思うが、無関心からはなにも生まれないと思う。本書に登場する男女を読んでいると、わざと出来た人間を排除して、どこか大きな欠点がある人物ばかりで、作品世界を構築しているような気がした。主人公の女三人にしても、言いたいことが言えなかったり、能力の高さゆえに相手を負かしてしまったり、安易に流されたりと、何をやっても不満ばかりで、とても好感なんて持てない。

だけど面白い。それに素敵だ、気付いて良かったね、という描写も多々あった。例えば、高校生時代の部屋に入って、壁に貼られたアイドルのポスターを見て、あの頃は子供だったと実感したり、母に何もかもしてもらって当然だと考えてことに気付いたり、必死になって働く母の目に隈があることを知って、ねぎらった上で自主的に手伝たり、あの頃は家の経済的なことを知ろうとしなかったことなど、毎日見ていた風景が、大人になったことで見えてくるあれこれが、読んでいてすごく心を打った。そして親の言うことは正しいことだと、親は全能だと思い込んでいたが、親もわかっていなかったことを知る。

彼女たちは、もう一度人生をやり直して、そしてリセットして、そこで気付いたこと、変れたこと、得た経験地を生かして強くなったことなど、これらプラスによって突き進んだ人生は、すごく読後感を良くしていたと思う。しかし、実際は人生って上手く行かないものである。でもこんな夢を見てみたい。デビュー二作目も期待を裏切らなかった垣谷美雨氏は、今後も要ちぇーっく。

ネタバレを避けて恐々と書いたが、なんとまあ、えらい長文になってしまった。

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垣谷美雨
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comments

しんちゃん こんばんは。
確かに女の本性が、めちゃ生々しくて
ちょっと疲れたかも。
そないリアルに書かんでもって。
でも面白く読みました。
やっぱりデビュー作ええんですね。
未読なんで楽しみです。

naru:2008/04/04(金) 21:33 | URL | [編集]

これも良さそう。
タイムスリップって私も妄想したことあるから、
共感できそうだし。
チェックだ♪

まる:2008/04/04(金) 23:54 | URL | [編集]

naruさん、こんにちは。
めっちゃリアルに生々しく描写されてましたよね。
デビュー作を読んだときも、女性作家だと思ったぐらいです。
この作家さんって男性であってるよね。
「竜巻ガール」も面白かったですよ。

しんちゃん:2008/04/05(土) 12:51 | URL | [編集]

まるさん
面白かったですよ。人生に疲れた女性がやり直そうとするお話です。
でも幸せいっぱいのまるさんに共感できるのかな??
まあ生きてりゃ願望はいっぱいあるか(笑)

しんちゃん:2008/04/05(土) 12:54 | URL | [編集]

こんにちは。
夫婦間の話、嫉妬などあまりにリアルで気がついたら眉間にしわ寄せて読んでました。
昔に戻って、お母さんに感謝したり、違う人生を歩んでみたけど、だけど自分は元に戻るべきだって考えたり。
素敵な物語でした。
作者、男の方なんですか???

なな:2008/04/05(土) 14:21 | URL | [編集]

ななさん、こんばんは。
女性の嫉妬や見栄がすごくリアルでしたね。
眉間のしわはマズいでしょ。のばして、のばして(笑)
すごく変わったタイムマシンもの作品でしたね。
こういう趣向ははじめて読みました。面白かったです。
どこかで男性だと見た記憶があるのですが…。
ちょっと自信がなくなってきました。

しんちゃん:2008/04/05(土) 20:38 | URL | [編集]

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