--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2008

04.11

「FINE DAYS」本多孝好

FINE DAYS (祥伝社文庫)FINE DAYS (祥伝社文庫)
(2006/07)
本多 孝好

商品詳細を見る

「FINE DAYS」「イエスタデイズ」「眠りのための暖かな場所」「シェード」の四短編が収録。

「FINE DAYS」
高校三年の僕は、学校中の女子生徒の頂点に君臨している安井と仲が良く、校舎屋上での喫煙仲間でもある。そして生粋のいじめられっ子だが、僕と安井と話すようになり、いじめられっ子を卒業した神部画伯。彼ら三人は、当てもなく漂流するいかだに乗っているみたいだが、思い思いに時を過ごしていた。そこにある噂を引っさげて、一学年下に彼女が転校してきた。美少女の彼女に何か事を起こすと、たたられるらしい。

「イエスタデイズ」
売り言葉に買い言葉で家を飛び出してから一年。死の床にある父から、僕は三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた。手がかりはスケッチブックに描かれた若かりし頃の彼女の絵と、真山澪という名前だけ。その人と父の子供がいるかもしれないとも。かつて彼らが一緒に住んでいたアパートへ向かったところ、僕の前に現れたのは、絵と同じ美しい女性と、若き日の父だった。

「眠りのための暖かな場所」
大学院に進んだ私は、担当教授の切なる願いで、ゼミに友達がいない結城ツトムと喋るはめになった。その後、すれ違えば会釈ぐらいは交わし、多少の言葉も交わすようになった。そこに結城のことが好きだという立川明美が事故に遭い、結城の幼なじみが現れ、信じられないような過去の話を語りだす。結城と私は、何かを抱えている者同士、間にある線を認めて抱えた冷たさを分け合う。

「シェード」
彼女の住むマンションへの行き帰り、通りかかるたびに覗いていたアンティークショップのショウウィンドウ。ずっと前からクリスマスプレゼントにしようと決めていたガラスのランプシェードだけが、そこからなくなっていた。場所を移しただけかもしれないという微かな期待に、僕はその店のドアを押した。そこで店主の老婆から語られるランプシェードにまつわる物語が、今の自分と重なりあって、僕を霞めていた霧が晴れていく。

文章は相変わらずきれいで読みやすい。背表紙に恋愛小説とあるが、ファンタジーのようなホラーでもあるような、恋愛色の薄い恋愛小説だ。これまで本多作品を読むたびに、腑に落ちないと書いてきたが、本書は表題作以外を面白く読めてしまった。さて、どう褒めようか。

「FINE DAYS」は、いつも一緒にいる三人にすごく魅力があった。しかし、同じような内容のホラー作品を読んだ記憶があった。違う展開なら、褒めていたかもしれない。次の「イエスタデイズ」も、過去の女性に恋をするのはありがちな作品だと思う。だけど、そこに乗っからないというか、距離を取る主人公の強さに心地よさを覚えた。「眠りのための暖かな場所」は、二人の抱えた重みよりも、主人公である私のぶっきらぼうさ、横柄さ、消極的なところが、個人的な好みをくすぐられた。「シェード」は昔語りとしては凡庸。だけど、そこから導きだされた現在、これからを予想するベタな会話は好きとしか言いようがなかった。

強烈なシーンはなく、淡々としているのだが、ほろ苦い切なさや痛みがすうっと浸み込んでくるような、短編集だったと思う。これまで読んだ作品の中で、一番好きかも。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

本多孝好
トラックバック(0)  コメント(0) 

Next |  Back

comments

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。