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    2008

04.19

「夢見る黄金地球儀」海堂尊

夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)
(2007/10)
海堂 尊

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二〇一三年、晩夏。舞台はおなじみの桜宮市。平沼平助は家族経営である平沼鉄工所の営業部長にして臨時工員。天才エンジニアで社長の父親の豪介には、現実味のない妄想に振り回され、経理課長でありIT関連を一手に引き受ける女房の君子には、支払いを先のばす役所に催促するようせっつかれている。彼らに息子の雄介を加えた平沼一家は、少し惰性はあるものの平和に暮らしていた。

そこに、「久しぶり。ところでお前、1億円欲しくない?」と8年ぶりに現れた悪友が言い放った。かつてバブル華やかなりし頃に、政府が人気取り政策の一環で地方自治体に景気よくばらまいた「ふるさと創生基金」というものがあり、それをすべて金の地金に替えて黄金をはめ込んだ地球儀を作って、同時に開館した桜宮水族館別館「深海館」の目玉として安置していた。それをガラスのジョーこと久光譲治が、盗まないかと持ちかけてきたのだ。

そこに不当な市役所との契約書に父親が判を押していた事実が明らかになり、黄金地球儀の警備の全責任を負わされ、しかも金塊になにかあれば、損害額を賠償しなければならないことになった平助だが…。

しかしフトしたことがきっかけで、ある計画を思いついた平助は、蓮っ葉通りにあるジャズバー・ブラックドアを訪れ、アルトサックス奏者、歌姫、女性バーテンダーに計画を打ち明ける。困り事全般を引き受ける4Sエージェンシーのメンバー、牧村瑞人所長と浜田小夜にセキュリティ・バックアップを依頼し、高校の後輩で怪力の持ち主である殿村アイに協力を頼む。こうして、市民のお金を湯水の如く浪費する、桜宮市役所に天誅の鉄槌を浴びせ倒す?ジハード、ダイハード(聖戦に死ね)″、桜宮市水族館別館中央ホール安置黄金地球儀強奪大作戦が始動する。

冒頭から100ページを超えるまで続く第一部が、はっきり言ってどうしようもないぐらいつまらなかった。エキセントリックな父親との不毛なやり取りや、役所の小西課長とののらりくらりしたやり取りが、退屈だし面白くないしイライラを誘う。医療シリーズを読んでハマっていなければ、つまり、これが初めて海堂作品を読むことになっていたとしたら、途中で投げ出していただろう。ああ、言っちゃった――。

だけど、第二部に入ったあたりから徐々に面白さを発揮し、他作品とのリンクも次第に増えていく。ハイパーマン・バッカス、でんでん虫、コンビナート火災に直撃されたショッピングセンターなどの、ちらっと登場する小物や風景。水色本で重要人物だった瑞人と小夜の驚きのコンビが登場して、さらに強奪計画にまでからんでくる。それにバカバカしいネーミングのすごい機械が数々登場する。これにはこの親子ならガンダムでも作れそうに思えて、ひとりニヤついてしまった。

第三部に入ってからのストーリー展開は、二転三転する大掛かりなものを目論んでいるが、ちょっと手を抜きすぎというか荒っぽいというか、イマイチのめり込むことが出来なかった。軽いキャラも狙いすぎのようで、田口や白鳥と比べて書き込めていないように思えた。それにやはりこの人はミステリが下手だなという馬脚が見えてしまうのが残念。しかしエンタメとしては面白く読める。これだけは毎回の謎だ。さまざまな不満が出てくるのだが、ラストを読むと爽快な気分になれ、気持ちよく本を閉じることが出来る。中身がすかすかなのに、何故、というぐらい二人の関係が微笑ましくなってくるのだ。これがこの作品の一番のミステリだったりして。ああ、また言っちゃった――。

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海堂尊
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comments

いつも、書評を楽しく読ませていただいています。
この本はまだ読んでいないのですが、「中身がすかすかなのに~
これがこの作品の一番のミステリだったりして。」に、思わず、うなずいて、笑ってしまいました!

たこΩ:2008/04/19(土) 12:54 | URL | [編集]

こんばんは。
私も「中身はすかすか~」にちょっと笑ってしまいました。ははは。

序盤、きつかったですね~。読んでてかなりストレスを感じました。
でも後半は勢いよく読めたし、ラストもそれなりに爽快でした。

ちきちき:2008/04/19(土) 19:52 | URL | [編集]

序盤は確かにイライラ。
ゲストキャラの登場あたりから、楽しくなってきました。
小夜、意外な再登場でビックリでした。
そろそろ田口&白鳥コンビの新作が読みたいです。

エビノート:2008/04/20(日) 00:07 | URL | [編集]

たこΩさん、いつもありがとうございます。
まあ、娯楽に中身を求めてもどうしようもないですけど。
それでもそこそこ楽しめましたよー。
だけど、これが海堂作品じゃなかったら、読んだかどうか^^;

しんちゃん:2008/04/20(日) 12:22 | URL | [編集]

ちきちきさん、こんにちは。
ついうっかりと言っちゃいました。てへっ。
序盤はほんとにキツかったですよね。バクハツ寸前にまでなりました。
あのシリーズを読んでいなかったら、放り出していたかも。
でもラストの読後感が良くて結局は許してしまう。
ただ単にベタに弱いだけですがねー。

しんちゃん:2008/04/20(日) 12:27 | URL | [編集]

エビノートさん
驚きのゲストキャラが登場していましたね。
まさかあの小夜が、それに瑞人くんまで登場とは!
水色本を取り出してきて、確認しちゃいましたよ。
そういえばシリーズの方は止まっていますね。
もうそろそろ新作が出てもいいように、同じく思います。

しんちゃん:2008/04/20(日) 12:31 | URL | [編集]

発明家のお父さんのネーミングセンスに大笑いしました。
海堂さん、時々あれ?って思うのがありますが
やっぱり色々リンクしているのがわかると
それだけで面白い!って思えるから不思議です。

なな:2008/04/21(月) 16:47 | URL | [編集]

ななさん
ネーミングのダサさは笑えました。でもちょっとしつこかったかも。
これはあれ?って作品でしたね。なんとかリンクでカバーといったところでしょうか。
もしリンクがなかったら、なんてね。

しんちゃん:2008/04/22(火) 13:00 | URL | [編集]

医学の話ではないことにびっくりしました。
やっぱり田口&白鳥コンビがいいです。
白鳥ほどのキャラは他にはいないです。
ジョーもそれほど強烈ではなかったですし・・・。

Yuki:2008/09/12(金) 23:46 | URL | [編集]

Yukiさん
作品によって田口はちょこっと出ますけど、白鳥は全然出ないですね。
時間軸がバラバラだから出しにくいのでしょうか。
「黄金地球儀」の記憶がすでにありません。そのコメントは助かった^^;

しんちゃん:2008/09/13(土) 11:17 | URL | [編集]

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