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    2008

04.22

「そのぬくもりはきえない」岩瀬成子

そのぬくもりはきえないそのぬくもりはきえない
(2007/11)
岩瀬 成子

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主人公の波(なみ)は小学4年生の女の子。波のお父さんとお母さんは四年前に離婚して、中学一年のお兄さんとブティックを経営しているお母さんと三人暮らし。進学塾、ソフトボール、絵の教室に通っているが、お母さんにそうしたらと言われて、「うん」と返事した結果だった。お母さんの言うことは正しいと思う。でもちょっと違う、という気持ちがお腹の中でもやもやするのに、言葉になっては出てこない。お母さんの考えと違うことを言おうとすると、言う前に言葉がへなへなとしぼんでいく。

ある日、ひとつ年上の真麻ちゃんから、足の不自由な高島のおばあちゃんの代わりに犬の散歩をしているのだけど、金曜日は散歩させられなくなったので、あんた代わって散歩させてよ、と頼まれた。お母さんが犬を飼うのはダメと言いそうだから、犬に接することなんて考えもしなかった。でもハルの散歩を引き受けてしまう波。

それがきっかけで、高島さんちの二階には幽霊が出るという噂を知りながら、フトした用事を頼まれて、波は二階へ上がる。そこには青いパジャマを着た高島朝夫くんという少年がいて、折り紙をきっかけに次第に仲良くなっていく。すっかり仲良くなったふたりだが、朝夫くんの存在は波以外に誰も知らなかった。

自我の目覚めを迎えるが、上手く口にできない女の子が主人公。ああ言っても、こう言っても、お母さんに間違ってるって言われそうな気がする。それはほんとの気持ちじゃないよと、お母さんは言う。よおく考えてごらん。波がしたいのは、ほんとはこうでしょ。お母さんはいつも波のほんとの気持ちを説明しようとする。痛たたたっ。お母さんの決め付けが痛すぎる。お母さんの言う通りにしておけば、心配ない。ちゃんとうまくいくから。だってさ。

ぐるぐる巻きにされた少女は、さぞや息苦しかっただろう。お兄さんも同じ目にあっていたのでわかってくれるのだが、強く言ってくれない。いや、言えない。それぐらい強い思い込みをしてるお母さんだが、かつて自分もお母さんに同じことをされていたのに気づいていない。こうなって欲しいという想いはわかる。でもそれが、その子にとってベストなのか。合っているのか。進学校に行くのが子供の将来にとって幸せなのか。

そんなストレスのある日常にもある変化が訪れる。自由人であるひとつ年上の真麻ちゃんであり、犬のハルの散歩であり、朝夫くんという正体不明の少年との出会いである。ハルの散歩をするためにはソフトボールをさぼらなければならない。ここで少女はささやかな反抗を生まれて初めてする。お母さんに嘘をついて、習い事をさぼるようになるのだ。おっとり屋で口にだせない少女は、自分の想いを行動で示していくのだ。だけど、いつかは嘘がばれるときが来る。

本書のおかあさんは、最後にわかってくれたが、実際の親たちはどうなのだろう。自分のエゴを子供たちに押し付けていないだろうか。子供にとって一番いいことを考えている。それが子供からすれば本当に一番なのだろうか。そんなことを思った一冊だった。子供と一緒に、子育て中のお父さんお母さんに読んで欲しい作品だ。

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