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    2008

05.18

「カツラ美容室別室」山崎ナオコーラ

カツラ美容室別室カツラ美容室別室
(2007/12/07)
山崎 ナオコーラ

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主人公は、二十七歳の佐藤淳之介。高円寺にある1DKのアパートへ引っ越してきて、梅田さんに「近くに引っ越してきました」と連絡した。梅田さんは、三十二歳で奥さんがいるのにも関わらずフリーターという自由人。梅田さんとオレは、友達の友達、という間柄で知り合い、なぜか意気投合して、だんだんと間の友だちの介在なしに二人で遊ぶようになった。その梅田さんから、美容院へ誘われた。それが、カツラ美容室別室だった。

梅田さんが紹介してくれた、店長のカツラさんは、カツラを被っていた。黒い七三のカツラだ。「カツラ美容室別室」は、四十七歳の桂孝蔵と、二十七歳の樺山エリコと二十四歳の桃井ゆかりの、三人で切り盛りしているのだった。髪を切ったあとに、店の慰労会を兼ねた花見へ参加することになった。美容院を舞台に、淳之介とエリ、梅田さんたちの交流を描いた作品。

この作家さんの作品を読めば、何かしら感じるものがあるのだが、本書に限っていえば残念ながら何も感じなかった。その要因を考えてみたら、ヒロインが結構しんどい女であったり、カツラさんが捉えどころなかったり、独りよがりな会話を聞かされたりと、登場人物たちに魅力を感じることができず、彼らの想いに共感できなかった。

しかしその一方で、ちょっとした描写に、おお、いいなぁと感じさせるセンスの良さは健在だった。例えば、しんどい女をアパートまで送ったあと、自分のアパートへ帰った場面を引用すると、「部屋へ戻ってから、牛乳を温めた。電子レンジへ入れ、スイッチをオンにしてから、中を覗くと、カップがくるくると回り始めた。このカップが耐熱かどうかオレにはわからなかったので、割れるんじゃないか、とドキドキして、オレンジに光る電子レンジの中をじっと見ていた。一分して音が鳴り、ドアを開けると、ホットミルクの匂い、すごい、出来上がっている。疲れる女といるよりも、アパートで牛乳を温める方がいい」とある。

こういうなに気ない一場面に、やはり作家さんは違うなー、と感心してしまう。自分の日常にもある場面のはずなのに、こういう一文はまず出てこない。耐熱かどうか心配しながらも、停止するまで見て、なおかつ出来上がりに感心した上で、しんどい女と対比する。こういうのを才能だと言うのだろうと、しみじみと思った。

乾ききった人間模様にはノレなかったが、作者のこういった物の捉え方や描写力は好きだ。本書は自分には合わなかったが、今後も注目はしていきたい。たぶん、何かを感じさせてくれるだろうから。

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山崎ナオコーラ
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comments

こんばんは。
ヒロイン、ちょっとめんどくさい感じの女の子でしたね…私もあんまり好きじゃなかったです。

ちきちき:2008/05/18(日) 21:50 | URL | [編集]

ちきちきさん、こんにちは。
ヒロインもカツラさんも魅力を感じませんでした。
それよりも本書が何を云ってるのかわかりません。
これが文学なのかな。

しんちゃん:2008/05/19(月) 12:14 | URL | [編集]

>それよりも本書が何を云ってるのかわかりません。 これが文学なのかな。
おぉ、これが「文学」なのか。
私もまったく意味がわからずでした。
牛乳を温める…のところは私もすごく印象に残りました。

なな:2008/05/19(月) 16:09 | URL | [編集]

こんばんは。
私も「疲れる女といるよりも、アパートで牛乳を温める方がいい」のひと言が記憶に残ってます。
女性からすると強烈なひと言ですもん。
でも、それ以外はあまり印象に残ってなくて…。
カツラさんは別にカツラをかぶってなくてもいいんじゃないか?と思ったりして(笑)。
それでも山崎さんの作品はやっぱり気になるので次の作品も図書館で予約しちゃいました。

mint:2008/05/19(月) 19:22 | URL | [編集]

ななさん
まったく意味がわからずの言葉。
自分だけじゃなくてほっとしました。
芥川賞に関連する作品は難しいっす。

しんちゃん:2008/05/20(火) 11:44 | URL | [編集]

mintさん
牛乳のエピソードは印象深いですよね。
しかも、女性作家からでた言葉だからなおさら。
こういうのがあるから山崎さんを読んでしまう。
カツラさん、普通でしたよね。

しんちゃん:2008/05/20(火) 11:49 | URL | [編集]

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