2006年09月04日 (月) | 編集 |
![]() | しゃべれどもしゃべれども 佐藤 多佳子 (2000/05) 新潮社 この商品の詳細を見る |
売れない落語家で、いまだ二つ目でしかない三つ葉。
三つ葉は、吃音がひどい従兄弟の綾丸良のために落語教室を開く事に。
しかも、その落語教室には何故か人が集まってくる。
集まった訳ありの面々だが、中々心を開いてくれない困ったやつら。
個性派の面々は自分に自信がもてず、どうしていいのかが分からないのだ。
しかし落語が好きだが、師匠の二番煎じにしかならない悩みを持つ三つ葉も同じ。
黒猫女、大阪弁をしゃべる村橋少年、野球解説者の湯河原、従兄弟の良。
彼らとの三つ葉の落語を通した交流と、彼らの成長を描いた作品です。
江戸っ子でいきのいい三つ葉の軽快な会話が、まるで落語を聞くようで心地が良いのだ。
しゃべりのプロだけあって会話のテンポが良く、江戸っ子らしく短気だが面倒見が良い。
だから感情移入も自然と出きるし、ぽんぽん飛び出るしゃべりも絶品なのだ。
そんな彼を困らせながらも一緒に成長していく仲間にも、とっても魅力があるのだ。
大阪から引っ越してきた村林は、関西弁ゆえにクラスで孤立をしている。
十河という女性は黒猫のような美人だが、気まぐれで口下手なので失恋ばかり。
湯河原は解説者として気の利いたことを話せず、仕事にも影響も出る始末。
人を寄せ付けない雰囲気や肩肘張った堅さが、人を遠ざけがちになっていたのだ。
そんな彼らが集まる落語教室は、紆余曲折をしながらも次第に回を重ねる。
そしてついには、「まんじゅうこわい」という噺の公演会をひらくまでに成長する。
公演会を経験して彼らが得るものは、自分に対する自信だけでは無かったのだ。
彼らと真剣に取り組んだ三つ葉にも得るモノが大きく、彼も大いに成長する。
師匠の真似事だった落語しかり、もっともっと大事な存在だったりと。
くすくす笑いながら、ほろりとさせる気持ち。じーんとくる暖かく幸せな気持ち。
上手く言えないが、読み終えた時には身体がぶるぶる震えたのだ。
この本を読んで、佐藤多佳子さんにメロメロになり大惚れしてしまったのだ。
この記事へのコメント
こんばんは★
清々しく、本当の落語のように小気味いいテンポで、
(生の落語は聴いたことないんですが…)
さくさく読んでしまいました。
かといって決して印象の薄い作品ではなく、
登場人物たちの持つ悩み・苦悩がひしひし伝わってきて、
彼らがそれを乗り越えようとする姿に、
ただただ感動、そして私自身の励みにもなりました。
佐藤さんのほかの作品もぜひ読んでみたいです。
清々しく、本当の落語のように小気味いいテンポで、
(生の落語は聴いたことないんですが…)
さくさく読んでしまいました。
かといって決して印象の薄い作品ではなく、
登場人物たちの持つ悩み・苦悩がひしひし伝わってきて、
彼らがそれを乗り越えようとする姿に、
ただただ感動、そして私自身の励みにもなりました。
佐藤さんのほかの作品もぜひ読んでみたいです。
Rutileさん、こんにちは。
佐藤さんはいいっすよー!
読むたびに温かくなれて癒されてます。
すべての佐藤作品がお薦めです。
佐藤さんはいいっすよー!
読むたびに温かくなれて癒されてます。
すべての佐藤作品がお薦めです。
2007/07/10(Tue) 08:40 | URL | しんちゃん #-[ 編集]
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しゃべれどもしゃべれども佐藤 多佳子 2000/6/1文庫化 新潮文庫 P.416 ¥620★★★★★ 自信って、一体何なんだろうな。 自分の能力が評価される、自分の人柄が愛される、自分の立場が誇れる――そういうことだが、それより、何より、肝心なのは、自分
2007/06/22(Fri) 23:12:49 | ほんだらけ
しゃべれどもしゃべれどもこの本はCiel Bleuの四季さんにオススメいただきました。ありがとうございました。■やぎっちょ書評はじめての佐藤多佳子さん。うん。文章は正統派という感じがひしひしと伝わってきます。粗筋など読まずにいきなり本文だったので、どん...
2007/07/07(Sat) 22:04:44 | "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!
シェアブログ1152に投稿噺家の今昔亭三つ葉は、師匠に「噺に個性がない」と言われ、少々ヘコんでいた。そんな折、ひょんなきっかけから『落語教室』を開くことになる。『生徒』はそれぞれワケアリの4人。自身の悩みに加え
2007/07/09(Mon) 22:36:01 | 道草読書のススメ
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