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    2008

05.29

「のぼうの城」和田竜

のぼうの城のぼうの城
(2007/11/28)
和田 竜

商品詳細を見る

戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかで最後まで落ちなかった支城があった。武州・忍城。周囲を湖で取り囲まれた「浮き城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約2万の大軍を指揮した石田三成の水攻めにも屈せず、僅かの兵で抗戦した城代・成田長親は、領民たちに木偶の棒から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。城代として何ひとつふさわしい力を持たぬ、文字通りの木偶の棒であったが、外見からはおおよそ窺い知れない坂東武者としての誇りを持ち、方円の器に従う水のごとき底の知れないスケールの大きさで、人心を掌握していた。武・智・仁で統率する従来の武将とは異なる、新しい英傑像を提示したエンターテインメント小説。《出版社より》

これは面白かった。史料に残された史実とフィクションが上手く融合されている。そのことによって、歴史好きなら知っている有名なエピソードが多い序盤は少し退屈だった。逆を言えば、歴史に疎いかたにはとても親切な作品だと思う。まあ、主な人物紹介や時代背景は作品に欠かせないから、歴史が好きだと言うかたは中盤までガマンしてもらいたい。

主人公は成田長親という無名の戦国武将。馬にも乗れず、刀術、槍術、体術、あらゆる運動ができない。武勇もなければ知力もない。百姓仕事を手伝うことを大いに好むが、恐ろしく不器用なために感謝されるどころか迷惑がられている。図抜けて背が高いが、ただ大きいだけ。その大きな男がのそのそ歩く。その姿がまさに、でくのぼうのごとくで、それに申し訳程度に様を付けただけ。家臣はおろか小物、さらには百姓領民にいたる者たちが、面と向かって呼ぶ。のぼう様と。しかしそこには愛情がある。俺たちがついてなければ、のぼう様は何もできない、そう思わせる得体の知れぬ人気があった。

石田三成に率いられた二万の秀吉軍に対し、忍城方は士分五百人と女子供の領民を合わせた総勢約三千七百人。篭城戦が繰り広げられるのは主に三箇所。成田家一の家老であり、長親の幼馴染みでもある正木丹波守利英は、東南の門佐間口で長束大蔵大輔正家と対峙。戦うために生まれてきたという同じく家老の柴崎和泉守は、東の門長野口で大谷刑部少輔吉継と対峙。兵書に親しみ、毘沙門天の生まれ変わりと豪語する若き家老の酒巻靱負は、南の門忍口で石田治部少輔三成と対峙。そして、のぼう様のためにと集まった百姓たち。

彼らの寡兵で大軍を破る合戦場面にわくわくし、三成の水攻めによって孤立してしまう忍城にドキドキし、それによって、でくのぼうと思われていた長親が取る行動に興奮する。天下統一を目指す秀吉の軍勢が、唯一、落とせなかった武州・忍城。その軍事絵巻が思う存分堪能できた一冊だった。読後は痛快の一言に尽きる。今後もこの作家は要チェック。


サイン本を見つけたら買うしかないでしょ。

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comments

「昼行灯」の大石内蔵助みたいな武将なんですね~★

内蔵助も、どこかの作家が、
「松の廊下」がなかったら平凡に人生を終えた人物みたいなこと書いてました。

のぼう様も、「事件」があって名をなした武人なんですね~( ̄▽ ̄)σ

探してみよ♪


私信。
まもなく、誉田哲也『国境事変』読み終わります♪

つたまる:2008/05/30(金) 02:17 | URL | [編集]

つたまるさん
こういう人物がいたことを知りませんでした。
信長の野望にいたかもしれませんが記憶にあらず。
少し変わった面白さのある歴史小説でしたよ。

しんちゃん:2008/05/30(金) 11:26 | URL | [編集]

しんちゃん こんばんは。
サイン本だぁ。そりゃ買うしかないかも(笑)
私は時代小説をあまり読まない人なので
史実のあたりも楽しく読みました。
今『忍びの国』読んでいます。やっぱり面白い!!

naru:2008/06/01(日) 00:35 | URL | [編集]

naruさん
でしょ。買うしかないよね。
史実を知ってると、ちょっと野暮ったい。
でもこれはしょうがないと諦めます。
「忍びの国」は借りるつもりです。
サイン本を見つけると買うかも(笑)

しんちゃん:2008/06/01(日) 13:06 | URL | [編集]

こんばんは。
あっ、サイン本なんですね。
私も図書館での予約数が多いのでやむなく買ったのですが、普通の本でした(笑)。
この本は時代小説だけど、読んでいてそういう感じが全然しないのもおもしろかったです。
のぼう様のキャラもおもしろかったし、豪放磊落な丹波に和泉、三成と吉継など、登場人物が魅力的でした。
合戦のシーンも迫力があっておもしろかったし、戦いが終わってのぼう様と三成が会うシーンもよかったです。

mint:2008/06/30(月) 19:44 | URL | [編集]

mintさん、こんばんは。
大阪の某書店では、未だにサイン本を販売しています。
地元だからかすごい力の入れようです。
時代物っぽくなかったのは、身分意識がなかったからでしょうか。
人物たちがタメでしゃべっていましたしね。
ちょっと三成くんはカッコよすぎかな~。
こめかみに青筋のイメージだったので(笑)

しんちゃん:2008/06/30(月) 22:08 | URL | [編集]

こんにちは。
読み始めはつらかったけど、戦いが始まったとたん、心が踊りました!

思わず「あっぱれ」という言葉を発してしまった(笑

ある意味、トップのあり方かもしれませんね。

じゅずじ:2008/07/03(木) 18:17 | URL | [編集]

じゅずじさん、こんばんは。
時代背景の説明は、知ってるとうるさいですよね。
でも、いざ篭城戦が始まると、わくわくしっぱなしでした。
のぼう様は名将でしょうか、それともただのわがまま?
歴史ものとしては新しいカタチの面白さがあったと思いました。

しんちゃん:2008/07/03(木) 21:38 | URL | [編集]

こんばんはー
彼らの性格は史実から想像して描かれたと思いますが、ここまでよく魅力的なキャラクターを作り上げたものだと感心してしまいました。
もし上司が「のぼう様」と同じような性格だったら自分もきっと頑張ってしまうかもしれません(笑)。

リベ:2008/07/08(火) 23:14 | URL | [編集]

りべさん
フィクションの部分がすごく輝いていましたね。
関羽、張飛、孔明がモデルかなと思いながら読みました。
のぼう様はもちろん影の薄い劉備で。

しんちゃん:2008/07/09(水) 12:31 | URL | [編集]

面白かったです。
ひさびさにこういう歴史小説読んだなあと思って。
キャラが良かったですね。

蜀ですか。なるほど…

ちきちき:2008/07/19(土) 11:24 | URL | [編集]

ちきちきさん
キャラ読みできる歴史小説というのが新鮮でした。
こういうのはこれまでに読んだことがなかったです。
キャラが立つ、って今風でしたね。

しんちゃん:2008/07/19(土) 21:42 | URL | [編集]

こんばんは!
史実を書いている部分は歴史小説なんですが、他は現代ものか、異世界ファンタジーを読んでいる感覚に近くて、サクサク読めてしまいました。
城から打って出る戦の場面はわくわく、登場人物たちは個性的で、爽快感が残りました。

雪芽:2008/08/17(日) 23:08 | URL | [編集]

雪芽さん、こんにちは。
史実とエンタメが絶妙に融合されて、すごく読みやすい作品でした。
異世界ファンタジーですか。小野不由美さんが浮かんでいるのかな。
キャラ読みできるという点では、近いかもしれませんね。

しんちゃん:2008/08/18(月) 12:24 | URL | [編集]

小中学校の時に光栄の歴史ゲームにハマって、戦国時代については滅茶苦茶詳しくなるのはお約束ですよね。
しかし、私はアレが昔からどうも苦手で実は歴史も弱かったりします(汗)。国力が上がるのを待っていられないというか、すぐ攻めたくなっちゃうんですよ。
って、ゲームの話じゃありませんね。なんで前半の説明は分かりやすくてかえって良かったです。水攻めってそこまで大規模だったんかいと驚いたり。

たまねぎ:2008/08/19(火) 21:08 | URL | [編集]

たまねぎさん
歴ゲーは内政命だったので、攻められてばかりでした。
それ以前から歴史は好きだったので、よりはまったくちです。
と、ゲームの話に乗っかってみました。
関西はこういった跡地が多いので、馴染みやすいのかも。

しんちゃん:2008/08/20(水) 13:42 | URL | [編集]

この作品に描かれた時代には詳しくはないんだけど、序盤は読み飛ばしてしまいました。
だから、最後のほうまで忍城ってこの作家の創作上の城だと勘違い(^_^;)
それでも、少人数で大群に立ち向かうってところで手に汗握りました。面白かったです。

エビノート:2008/10/30(木) 19:51 | URL | [編集]

エビノートさん
序盤は知ってる人でも退屈です。どんまい、どんまい。
でも開戦からはスピード感があって、わくわく読めましたよね。
終わりよければ・・・です。

しんちゃん:2008/10/31(金) 11:43 | URL | [編集]

ついに読んだー!!
これで無事2008年を終えることが出来る♪
・・・って思ったら、
本日プリンターが壊れました( ノД`)シクシク…

年賀状、
今夜やろうと思ったのに。。。( ̄□ ̄;)ガーン

http://tsutamaru.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-e60a.html



p.s.
『じーさん武勇伝』も借りてきました(〃∇〃) てれっ☆

つたまる:2008/12/21(日) 18:26 | URL | [編集]

つたまるさん。
わかるー!うちも紙の配給が怪しくてひやひやでした。
騙し騙しでなんとか印刷することが出来ましたけど。
で、壊れて、どうするの??

しんちゃん:2008/12/21(日) 19:21 | URL | [編集]

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