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    2008

06.04

「ボーイズ・ビー」桂望実

ボーイズ・ビー (幻冬舎文庫 か 23-1)ボーイズ・ビー (幻冬舎文庫 か 23-1)
(2007/10)
桂 望実

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主人公の川端隼人は小学六年生。母さんが亡くなったばかりなのに、消防士の父が忙しく、ひとりで小学一年生の直也の面倒を見ている。直也は母の死を受け入れることができず、突然泣き出したりする。精神的にも不安定になっていくが、隼人は父さんに期待されているからと、夜勤の続く多忙な父に相談することができないし、ひとりで何とかしようと頑張るが、なかなか上手くいかない。ある日、絵画教室に通っている直也を待っていると、怖そうなおじいさんとフトしたことがきっかけで話すようになった。

アトリエが集合したビル内で、オーダーメイド靴の工房をしている園田栄造は、気安く近づいて来るヤツらが大嫌いだった。栄造はあらゆる種類の接触を拒んだ。魂を込めて靴を造る。それを邪魔する者は許さない。そんな栄造は七十になってから満足のいく靴ができなくなり、むかむかした気分を持て余し、見るもの聞くものに当り散らしていた。ある日、トイレに行こうとアトリエを出た途端、廊下に座っている子どもに目がいった。それが隼人だった。

二人の女の子からラブレターをもらった隼人だが、上手く断る手段が思いつかない。そこで栄造に話してみると、はっきり断れとアドバイスをくれた。その通りにしてみたところ、女子全員からシカトをされてしまう。その後ろめたさがある栄造は、靴のことを隼人に教えてやると、目をキラキラさせて喜ぶ。そのことがきっかけで、母親の死を受け入れない弟に、母が死んだことを理解させようと、隼人は相談し、栄造は相談に乗る。泣けないガキと偏屈ジジイ。そんな彼らが、徐々に心を通わせていく。

これは面白かった。自分の寂しさよりも弟を大事に思う隼人。人の命を守る消防士の父に心配をかけたくない。だからと全部をひとりで抱え込んでしまう。ほんと隼人少年は健気やねえ。そんな一方で、父は子どもたちに向き合おうとしない。ここにイラっとくるのだが、栄造さんが親身になって相談に乗ってくれるし、プツンと切れそうな張り詰めた糸を緩めてくれる。そんな栄造だが、思うような靴を造れなくなりスランプに陥っている。そこへ無防備に飛び込んできた隼人がきっかけで、凝り固まった心もゆっくりと解けて、周囲の人たちと付き合うようになっていく。

この作品の流れは、児童書に通じているように思えた。子どもと老人という組み合わせもそうだし、家族の再生もそうだし、欠けていた大事なものに気づくのもそう。ダメな部分をお互いが助けることによって埋めていくのもそう。サイドストーリー的なエピソードも考えさせる部分があるし、人はひとりぼっちでは生きられないことや、相手を思う優しさや、たくさんのためになる教訓的なものがさり気なく盛り込まれていた。これはとてもいい作品だと思う。爽やかであったかくて、気持ちよく本を閉じることができた。

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桂望実
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comments

児童書にも通ずる流れ、確かにそうですね~。
こうなるんだろうな・・・って、先は読めるんですが、でもそこまでの過程がとってもあたたかで、良いなぁと思えた作品でした。

エビノート:2008/06/04(水) 22:17 | URL | [編集]

そう、隼人君がけなげなんですよね。
偏屈じいさんの心が少しずつ開いていくのも素敵でした。
文庫本の表紙、たしかに…ですね。

なな:2008/06/05(木) 09:51 | URL | [編集]

エビノートさん
すごくわかりやすい展開でしたね。
でもこういう単純な流れの作品は好きです。

しんちゃん:2008/06/05(木) 12:12 | URL | [編集]

ななさん
隼人くんの健気なところにキュウとなりました。
それにはじめは傍若なだけのジジイも良かったです。
でしょ。文庫版のジャケはイケてない…。

しんちゃん:2008/06/05(木) 12:15 | URL | [編集]

兄弟二人も良かった。
でも、偏屈じいさん、園田が少しずつ
変わって行く姿がとても良かったです。
人と関わることで
誰しも変わって行くんだなぁ~と。
ほんと良かったです。

す〜さん:2008/06/07(土) 11:06 | URL | [編集]

す~さん
兄弟もじいさんも良かったですよね。
人との出会いって大事やなと思いました。
これは良書でした。こういう本との出会いもいいね。

しんちゃん:2008/06/07(土) 11:20 | URL | [編集]

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