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    2008

06.04

「夕陽の梨」仁木英之

夕陽の梨―五代英雄伝夕陽の梨―五代英雄伝
(2008/04)
仁木 英之

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中国、唐代末期。師の元で武術と兵法を学んでいた朱温は、全土を揺るがす黄巣の乱に参加。数々の試練をくぐり抜けていく。五代十国という動乱を切り開き、後梁を建国した朱全忠の若き日の苦悩と成長を鮮やかに描く。第12回歴史群像大賞最優秀賞作品。《出版社より》

世界帝国として栄華を極めた唐王朝は、中国全土を揺るがした安禄山と史思明の反乱、いわゆる安史の乱に始まる大乱で国土は荒廃していた。朱温が幼き日、父が突然この世を去り、彼の家族は劉家の下人として馬のようにこき使われるようになった。朱温は口うるさい姉の目を盗んでは師の庵を訪れて、李我から武術、兵法の教えを受け、自分が強い大将になって、母や兄や姉を立派な屋敷に住まわせることを夢見ていた。朱温が十六歳の時、もうじきこのあたりを乱が通る、と師が言う。そこで、朱温は曹三という私塩商を紹介され、彼の元で商売を通して、それぞれの利害や思惑を学び、初めて自分の手勢というべき人数を得る。

朱温はその部下たちを連れて、龐を頭領に担いだ反逆軍に参加して善戦するが、進展しない戦況に隊は途中で解体し、その後、龐軍は天朝側に鎮圧されてしまう。そこで得たものは、もろそうに見えて天朝は固いということ。そこで師の勧めもあって、漂白の人である布袋和尚と旅に出て、都の妓楼では佳梨という妓に心を奪われる。やがてふるさとに朱温は帰ると、そこには新たな戦乱が待っていた。朱温は龐の乱で共に戦った朱珍や龐師古といった仲間たち、新たに張存敬、兄の朱存を加え、王仙芝・黄巣軍に身を投じる。

本書は黄巣の乱で、朱温たちが長安を陥落するところまでが描かれている。ただ、主人公は一軍の将でしかなく、そのことによって、主人公に焦点を絞らずに、龐軍や黄巣軍の行軍のような全体的な流れに重点が置かれて書かれている。だから、主人公を応援してわくわくするような描写は少ないし、全体が散文的で、主眼がどこにあるのか掴みづらかった。

それに終盤になると、どこか急いでいるような描写が多く感じられ、なにより、朱温が朱全忠を名乗るようになる謂れがないまま、突然物語が終結してしまう。これはちょっと読者を置き去りにしすぎではないだろうか。それとも知っていて当たり前のことなのだろうか。そこがものすごく引っかかってしまった。

しかし、テンポが良くて読みやすいし、李我老師や布袋和尚、朱珍や龐師古に魅力があり、主人公を襲う悲劇にはグっと来るものがあった。だけど、すべてが中途半端のまま終わってしまったので、個人的には物足りなかった。あと、英雄の立身ではなく、自分探しという内容もしょぼめの原因のひとつ。前の二冊が良かっただけに、ちょっと期待しすぎた。それとも続編がこの消化不良を埋めてくれるのだろうか。

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仁木英之
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comments

李我老師や布袋和尚って、何者?という気になるところもあるし、これは続編を書いて欲しいですよね~。

エビノート:2008/06/04(水) 22:11 | URL | [編集]

エビノートさん
個人的には消化不良でした。
でも続編が出るのなら、読んでみたいです。

しんちゃん:2008/06/05(木) 12:10 | URL | [編集]

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夕陽の梨―五代英雄伝 〔仁木 英之〕


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2008/06/04(水) 22:07 | まったり読書日記

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