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    2008

07.07

「ささらさや」加納朋子

ささらさや (幻冬舎文庫)ささらさや (幻冬舎文庫)
(2004/04)
加納 朋子

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生まれて間もない赤ん坊をかかえる新婚夫婦だが、突然の交通事故で夫はあっけなく亡くなってしまった。義姉夫婦には子供がおらず、義姉は赤ん坊を養子として引き取ると言い出し、養母からはいっそ身軽になってしまった方が、あなたのためになると言われ、養父からは孫の将来のことをじっくり考えろと言われた。このままじゃ、ユウスケを盗られてしまう。サヤは彼らが怖かった。逃げるしかない。でもどこへ? ここでようやく、思い出したことがあった。可愛がってくれた亡き伯母が、遺言で自分の家を遺してくれていたことを。サヤは赤ん坊のユウスケと佐々良の街へ、伯母の家へ引っ越してきた。

サヤの周辺では不思議な事件が次々と起こる。けれど、サヤの側にはいつも守ってくれる存在があった。ささら さや……。と風が吹く。馬鹿っサヤ。おまえがそんなに馬鹿だから、そんなに弱くて頼りなくて馬鹿だから、俺は成仏できないんだぞ。なにか問題がサヤの身に降りかかると、亡き夫が他人の身体を借りて助けに来てくれる。馬鹿っサヤ、という愛情のこもった言葉と共に。

理不尽でおかしなことだらけの世の中で、怒らずに、いつだって気弱な笑みを浮かべて、簡単に諦めたり許したり忘れてしまうサヤにも、佐々良の街に来て新しいお友達ができた。世間知らずで内気なサヤを叱咤激励してくれる読書家の久代さん、甘えさせてくれるお母さんのようなお夏さん、いつも目を光らせていてくれる詮索好きな珠ちゃん、という女学校時代に同級だった三人の老婆たち。そして、公園で知り合ったヤンママのエリカと息子のダイヤくん。

にぎやかな彼女たちお友達と日々を過ごす中で、サヤを助けてくれる人たちがもうたくさんいるということにやがて幽霊の夫は気づく。サヤ自身と、サヤの周りにいる人たちの力があれば、いくらかは遠回りになるかもしれないが、問題はきっと解決するに違いない。自分がいなくても、何とかやっていける。いくらでも幸せになれる。それは喜ぶべきだ。本当にありがたいことだ。自分はすでに、死んでしまったのだから。

個人的なことだが、この「ささらさや」がマイベスト加納作品だ。そして、今回が三度目の再読になった。いや、再々読か。大好きで頼りになる夫が、冒頭で死んでしまうという悲しい設定のはずが、むしろほんわか温かく描かれている。サヤの頼りないところやどんくさいところにやきもきし、三人の老婆たちのやり取りに笑って元気をもらい、エリカの毒舌におもわず吹き出してしまい、時折あらわれる郵便配達員のサヤを眩しそうに見る目線が微笑ましい。そして、やはり一番は泣けてくるところだ。悲しくて、切なくて、泣けるのではない。たくさんの愛を感じて、泣けてくるのだ。

いつも謝り、いつも騙され、いつも助けられている印象があるサヤだけれど、すべてを許せてしまうということは、一番の強さなのかもしれない。それに、かなり強情な面もあって、思い込んだらテコでも動かない。弱々しくてお人形さんのように見えても、女性の本質の強さを持っている。これに気づかないで、俺が守ってやる、と思ってしまう自分を含めた男ってお馬鹿さん。女性は強い。母は強しなのだ。

この本はまた、確実に再読するだろう。そして「てるてるあした」もまた。

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加納朋子
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ささら さや*加納朋子


☆☆☆☆・  ささら さや・・・・・。  逝ってしまったあの人にもう一度会わせてくれる哀しくて懐かしい魔法の音。    サンキュ、サ...

2008/07/08(火) 06:45 | +++ こんな一冊 +++

「ささらさや」加納朋子


ささらさや 加納 朋子 突然の事故で夫を亡くしたサヤは2ヶ月になるユウ坊と佐々良市に移り住む。そこで出会う人たち、困った時に助けてくれる夫。少しずつ強くなっていくサヤの物語。 どうしてたらこんなに薄幸に慣れるのかって言うくらい幸せと縁のないサヤ。

2008/07/08(火) 09:22 | ナナメモ

ささら さや  加納朋子


ささらさや (幻冬舎文庫)/加納 朋子 加納朋子 幻冬舎文庫 2004  STORY: 子供が生まれたばかりのサヤの目の前で夫が車にはねられ死んでしまう。死んだ夫は成仏できず幽霊となり、サヤがピンチに陥ると現れるようになって…。 感想:  生まれたばかり...

2009/06/01(月) 19:13 | 読書・映画・ドラマetc覚書(アメブロ版)

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