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    2008

07.17

「ハチミツドロップス」草野たき

ハチミツドロップスハチミツドロップス
(2005/07)
草野 たき

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クールな高橋。坂本竜馬フリークの真樹。ちょっとエッチな田辺さんに、運動神経ゼロの矢部さん。これが我がソフトボール部の面々。仲間たちとの楽しい部活のかたわら、直斗との恋も絶好調な私・カズ(いちおうキャプテン)。でも、この幸せな中学生ライフが、なんとなくズレはじめてきて…。《出版社より》

中学三年のカズこと水上果頭子は、ジャンケンで負けてソフトボール部のキャプテンをすることになった。部員は二、三年をあわせてたった五人。しかし、彼女たちにはなんのあせりもなかった。それは何故かといえば、彼女たちがソフトボール部に所属している理由にあった。べつに汗まみれになって青春を謳歌するつもりでも、試合に勝つためでもなく、ただ、部活に入っていると内申書によさそうだからだ。サボリはOKだし、きびしい上下関係もない。つまり、ソフトボール部はいい加減な集団だった。よって、ドロップアウト集団のくせに、部活の甘くておいしいとこだけを味わっているやつら、という意味をこめて、ハチミツドロップスという別名を持っていた。

そんなソフトボール部に妹のチカちゃんが入部してきた。しかも、小学生のときにバレーボールで全国大会まで進んだ元バレー部の仲間九人を引き連れてやってきた。練習が始まってみると、新入生たちの完璧なプレイに圧倒され、最後にはふりまわされて終わってしまった。自分たちの居場所だったハチミツドロップスが、妹たちに乗っ取られて解散してしまったのだ。さらに、カズの災難は続く。付き合っていた直斗から好きな子ができたと別れを告げられた。ハチミツのように甘かった中学生ライフに一変して危機が訪れた。

少し痛い。いや、かなり痛い。だけど、こういう作品は好きだ。主人公のカズは、明るくて陽気、オバカでお調子者というカズらしさを演じてきた。高橋のクールにしても、田辺さんの見栄にしてもそうだ。ハチミツドロップスという場所でふざけたり、遊んだりして、自分たちの気持ちをごまかしていた。でも、その場所がなくなったことで、カズたちはひとりで苦しみとむきあわなくてはならなくなる。

しかし、それは突然の出来事で、カズたちは急には変わることが出来ずに各々に苦しむことになる。なにかを守るために、ふざけてごまかしてしまうカズの気持ちもわかる。シリアスな母を笑わせようとするカズは健気だ。そのカズと対照的に見える妹のチカちゃん。くそ真面目にがんばってしまうチカちゃんの自分しか見えていない痛さも少しはわかる。だけど、この姉妹は、似ていないようで似ていると終盤で明らかにされる。そして、これまで心の中を見せなかったチカちゃんが、ラストでそっと本心を覗かせるシーンにほろっきてしまった。

だけど、物語としては何も解決していない。カズの受けた心の痛みは、少しだけ前向きな一歩を踏み出すが、彼女たちの学校生活はまだまだ続くし、家族の傷の方は、この先にどうなったの予測がつかない。子供の方がより適応能力があって、大人の方がこじれると難しいということなのか。それとも、大人の方が打たれ弱いということなのか。そこが少し未練がましく感じる部分ではあるが、なんとなくまあいいか、と思えてしまう魅力があった作品だった。

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草野たき
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-:2012/08/06(月) 17:16 | | [編集]

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-:2013/08/18(日) 16:09 | | [編集]

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