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    2008

08.12

「蜘蛛の糸」黒川博行

蜘蛛の糸蜘蛛の糸
(2008/06/20)
黒川博行

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笑われても平気。男だもの。 彫刻家・遠野公彦。独身、四十二歳。頭髪と体型に少々の難あれど、相続資産あり。そんな遠野に巡ってきた、千載一遇のモテモテチャンス。だが、ひょんなミスをしたことが運の尽き。艱難辛苦、抱腹絶倒、めくるめく夜の迷走劇がはじまった──。(表題作『蜘蛛の糸』) 他、しょうもなさ天井知らずの男たちを濃厚に描いた全七編。人間の本質を独特のユーモア、視線で描いたミステリーで絶大なる支持を得る黒川博行。彼の魅力が濃縮されたユーモア短編集。女の前で条件反射的にええかっこをしてしまう男たちのあほらしさ、むなしさ、そして脳天気さを、抉って晒して笑いのめす。《アマゾンより》

黒川博行といえば刑事もの。そんなイメージを発破による爆破のように瓦解させる恐るべき短編集だ。主人公が彫刻家の遠野公彦である作品が三点、それ以外の作品が四点。では、さらっと内容紹介をしてみよう。

モデルにやって来た亜実は、直前になってヌードにはならないと言い出した。彫刻に着衣のモデルなんて、あってはいけない。なんとか裸にしてやろう。いや、裸に剥いてみせる。これは芸術のためだ。本心は亜実の裸が見たい。下半身の疼きが、遠野を狂わせてゆく。……「充血性海綿体」

見知らぬ番号だった。相手は瑠美。かつて飲みにいった店の女で、記憶にあるのはEカップのブラとピンクのショーツだけだった。USJに行きたいという電話だった。オープンしたばかりのUSJのディレクターだと自分は言ったらしい。モテたくて。……「USJ探訪記」

先輩の作家から、アルバイトを紹介された。刑事が素人の手習いでミステリー書きはじめ、それを添削するというものだ。刑事の書いた原文はだらだらと長い。どうでもいい描写が多すぎる。あまりの下手さに、書き直して見本を見せることになるが。……「尾けた女」

彫刻家の遠野が再登場。きっかけは田中医院で打ってもらった精力剤だった。体がカーッと熱くなった。股間の膨らみの勢いにまかせ、狙っている女に会おうと電話した。それが遠野を襲う不幸への連鎖の始まりだった。……「蜘蛛の糸」

黒マントを着た中年男から、判進平刑事はご指名を受けた。中年男は十一階から飛び降りるといって騒ぎになっていた。飛び降り男はバンパイアだと名乗り、判刑事はヴァン・ヘミング教授にされた。高所恐怖症の判刑事の受難。……「吸血鬼どらきゅら」


車だけは自慢だ。ボルボのワゴンタイプだった。それが検問に遭い、車検切れが発覚し、即レッカー移動。電話をかけた車検代行会社はすべて、外車お断り。そこに、所有者が検査場に持ち込むユーザー車検というのがあることを教わった。……「ユーザー車検の受け方教えます」

三度目の今回は、遠野の前に映画プロデューサーが現れた。これから制作する映画に出資しないかという誘いだった。そこに、知り合いらしい男から、裏カジノに行かないかと誘いがくる。ディーラーと裏でつながっているので絶対に勝つという……「シネマ倶楽部」

遠野が登場する作品がすっごく面白かった。下心がまるだしで、浮かれ具合が突き抜けていて、悲惨な目に毎回遭うのだが、これが懲りないおバカである。憎めない愛すべきキャラだ。特に男性なら遠野の気持ちがわかるだろう。のん気に笑っていられない方もいるだろう。

「USJ探訪記」もやりたい一心で女のわがままに振り回される遠野と同系統の作品だ。「尾けた女」は作家が作家志望の刑事にミステリを指南することになる。この二人のやり取りがとにかくシュールだ。「吸血鬼どらきゅら」は建設中のビル十一階の縁に高所恐怖症の男が立つという設定が面白い。「ユーザー車検の受け方教えます」はやることなすこと上手くいかないという滑稽さが絶品だった。

今回は下ネタが多い。だけど、全然いやらしさがない。なぜかと言うと、すべてが失敗談だからだ。男っていくつになってもだらしない。成長しない。そう笑えてしまう抜けている部分が楽しいのだ。こういう短編集ならまた読みたい。遠野に再会したい。そう思えた一冊だった。

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黒川博行
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comments

こんばんは。
なんで手に取ったのか不明ですが、初黒川さんでした。
黒川さんといえば刑事ものなんですね。
なんだかどうしようもないオジサンばかりで
情けないを通り越して、かわいらしく見えてきました(笑)

なな:2008/09/20(土) 21:30 | URL | [編集]

ななさん、こんばんは。
ありゃま、これがお初ですか。えらいもんを手に取りましたね。
言っときますけど、これは異色作ですから(笑)
まっとうな?作品がたくさんあるので嫌いにならないでね。

しんちゃん:2008/09/21(日) 21:30 | URL | [編集]

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蜘蛛の糸 黒川博行 JUGEMテーマ:読書 深慮遠謀が見事に空振りする、しょうもなさ天井知らずの男たちを濃厚に描いた全七編。 本当に「しょうもなさ天井知らず」です。ここに出てくる男の人の浅はかさったら…女性を見ると血が下半身に集中しちゃって、それ以外何

2008/09/20(土) 21:30 | ナナメモ

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