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    2008

08.15

「ごめん」原田マハ

ごめんごめん
(2008/05/27)
原田 マハ

商品詳細を見る

その瞬間、4人の女性は何を決意したのか?
「天国の蠅」「ごめん」「夏を喪くす」「最後の晩餐」の4編を収録。

「天国の蠅」
その雑誌を見つけたのは夫だった。中ほどのページにピンク色の付箋が貼ってある。開くと投稿コーナーに娘の名前が載っていた。娘の詩を読んでみる。いつのまにか娘の中に育っていた前向きな資質を読み取って、範子は嬉しくなった。詩の雑誌なんて、初めてみたな。そう思いながらパラパラとページをめくり、ふと閉じかけたページに目がとまった。タイトルは天国の蠅。作者の名前は載っていない。その詩が、自分たちを捨てた父親の記憶を呼び起こした。

「ごめん」
それは純一の会社の近所らしき支店名のある普通預金の通帳だった。開けてみると、びっしりと振りこみの明細がある。陽菜子は帳面を凝視した。毎月、給料日に一万二百十円が、どこかに振りこまれている。そして、その翌日に同じ金額が、この口座に振りこまれている。振りこみ人の名前はオリヨウとある。意識不明の重体に陥った純一に会ったときですら、陽菜子は落ち着き払っていた。けれど、陽菜子は、初めて不安になった。陽菜子は口座のやり取りをするオリヨウを探しに高知にやって来た。

「夏を喪くす」
咲子はこの夏、四十歳になる。忙しい人生。でも、充実した日常。ともに歩む仕事仲間がいる。恋する相手がいる。なんとなく、夫もいる。そして、その夫にも恋する相手がいた。咲子は乳癌の告知を受けた。いまのままでいい。これ以上のことは何も望んでいない。なのに、どうして。自分が癌だなんて。しかも乳房を取ってしまうなんて。死ぬのかな。わかっている。乳房を失うということは、渡良瀬を失うことだ。乳房切除を拒否することは、命を失うことを意味するのかもしれない。夫は、どうするだろうか。

「最後の晩餐」
麻理子は足早に進む。この街では自然と早足になる。ニューヨークは実に七年ぶりだった。階段を上がれば、そこには懐かしい街の風景が待っているはずだ。街の匂いがする。見慣れた風景。初夏の青空が、ぽかんと広がっている。麻理子がこの街に暮らす時分には、そのくすんだ青の中に二本の巨大な超高層ビルが建っていた。それがもうなくなった。クロはいなくなった。あの運命の日に。麻理子はかつて暮らしていたアパートにやって来た。行方不明になったクロとシェアしていたあの部屋に。

デビュー作を読んで面白かったので、現時点での最新作を読んでみた。めっちゃ好みかも。ガツンとくる作品はないが、それぞれの作品を読むと、じわーっと余韻が広がってくる。このじわーの正体を上手く言葉にできない。そこがもどかしい。だけど、好きということだけは間違いない。主人公はすべて女性である。彼女たちの決意に、おおっとなるのだ。それに引きかえ男たちは、現実もこんなものかなと思った。女性は強い。男は…自分を含めて弱いかも。

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原田マハ
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comments

確かに女性が強かった。
なんだか手のひらで転がされているような。

原田さんの作品ではこれは結構いいです。
他の作品には
「?」って思うものもあるかもしれませんが・・・。

す〜さん:2008/08/15(金) 18:55 | URL | [編集]

す~さん
この人は男性不信なんでしょうか。
そう思ってしまうぐらい男の扱いが非常に悪い。
でも面白く読めました^^;
?があるとしても、他の作品も読んでみたいです。

しんちゃん:2008/08/16(土) 10:30 | URL | [編集]

原田さんの作品、なぜか出ると必ず借りて
読み始めると物語にひきこまれちゃう私です。
「夏を喪くす」の咲子は強かったですね。

なな:2008/08/22(金) 20:56 | URL | [編集]

ななさん
まだ二冊しか読めていませんが、この人好き。
そのような読み方にはやく追いつきたいです。
咲子の強さは半端じゃなかったです。

しんちゃん:2008/08/22(金) 21:48 | URL | [編集]

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ごめん   ~原田 マハ~


範子―偶然目にした詩が、自分たちを捨てた父親の記憶を呼び起こした。 陽菜子―意識不明の夫の口座に毎月お金を振りこみ続けていた人物...

2008/08/15(金) 18:53 | My Favorite Books

「ごめん」原田マハ


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