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    2008

08.17

「ひゃくはち」早見和真

ひゃくはちひゃくはち
(2008/06/26)
早見 和真

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新聞社に勤める青野雅人は、徳島支局に移動になったことを恋人佐知子に告げたその夜、二人が高校時代に会ったことがあるという事実を佐知子から打ち明けられた。しかも、出会いは飲み会で、初体験の相手が自分で、さらに佐知子を振っていた。思い出せ、思い出せ。ああ、イライラする。でもどうしても思い出せない。こんなに好きになった子のことを思い出せないはずがない。この八年間、高校時代を思い出すことはただの一度もなかった。逃げたものと対峙するほど雅人は強くなかった。雅人は野球部に所属していた。その封印したはずの三年間の過去を振り返る。

前年夏に甲子園ベスト4という華々しい結果を残した京浜高校には、多くの新人部員が集まった。シニアリーグの全国大会で三年連続優勝した春山をはじめ、抜群のキャプテンシーを持つ三重のボーイズリーグ出身の健太郎。お調子者の純平ですら、湘南のポニーリーグで全国優勝しており、京浜高校入学後も一年からレギュラーとして試合に出場している。その誰もが所属していたリーグは違えど、一度は全日本の舞台を経験しており、言うなれば全日本選抜ともいうべき豪華な顔ぶれがこの年の京浜高校に集結したというわけだ。

一方、雅人とノブはそんな華やかな世界とはかけ離れた場所で野球をしてきた。お互い地元中学の軟式野球部の出身で、県大会にすら出場できなかった。雅人とノブ以外に三人いた一般入試組の野球部員は、入寮するまでの一ヶ月の間にみな辞めてしまった。二人は落ちこぼれのコンプレックスを胸に秘め、反発心だけでここまでやってきた。何よりもお互いの存在だけを拠り所にしてきたのだ。

そして自分たちが最上級生になり、雅人に与えられた仕事は伝令だ。四六時中監督の隣にへばりつき、時にはその指示を仲間たちに的確に伝え、時には直接マウンドに出向いてピッチャーを優しく癒す。野球エリートばかりのチームにあって、こんな役割ができるのは自分しかいないと雅人は自負している。そう、これは野球小説だけど、主人公は補欠の少年なのだ。

文章はあまり上手くない。だけど、少年たちのイマドキ度がおもしろい。部員全員が寮生活を強いられる私学の強豪校ともなれば、ガチガチの管理体制が敷かれていると思われがちだ。しかし彼らは、野球エリートであるレギュラーでさえ、寮の屋上でタバコを吸い、酒を飲み、週に一度の休みには渋谷で合コンをして、セックスをしまくっている。

だけどその一方で、彼らが屈強な絆で結ばれているのは、目指す方向が一つに向かっているからだ。女のケツばかり追いかけている純平も、真摯に野球に取り組む春山も、仕切りたがりの健太郎も、勉強をしっかりやっているノブも、当然そうではない雅人も、最上段にある目標はただ一つ。甲子園に行きたいという強い思いだった。

野球にも遊びにも全力投球だった彼らに、雅人が封印するほどの過去とは、いったい何があったのか。そして、雅人は佐知子との出会いを思い出せるのか。これは野球小説であり、友情物語であり、家族のありかたであり、ラブストーリーである。型にはめない、まったく新しい等身大の高校生の姿を描いた作品だ。

ただ惜しいのは、大人サイドが拙いことだ。冒頭の主人公の目に余る幼稚さや、魅力に欠ける佐知子の描写など、どうしても引っかかってしまう部分があった。だけど、高校球児サイドは時間を忘れて読みふけてしまう面白さがあった。高校時代だけでも良かったように思うのは自分だけだろうか。そういう惜しい部分があったので絶賛はできず。でも、おもしろい。

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comments

こんにちは~!
>高校球児サイドは時間を忘れて読みふけてしまう面白さがあった。高校時代だけでも良かったように思うのは自分だけだろうか。 
 いえ、私もです★

私は自分の事忘れられちゃってたら、すんご~~いショックだなあ・・・。だって全然思い出してもらえませんでしたよね?
こっちは初めてなのに・・・。
まぁ、最初の相手に、そんなすぐ知り合ったばっかりの男の子とすぐホテル行っちゃうなんて、って言われちゃえばそれまでなんですけどね^^

latifa:2009/08/14(金) 17:05 | URL | [編集]

latifaさん、こんばんは。
ごめんなさい。まったく内容を覚えていない。
こんなことがあっていいのか。あったのです。
ほんまにごめんなさい。

しんちゃん:2009/08/15(土) 22:43 | URL | [編集]

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