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    2008

08.29

「武士道セブンティーン」誉田哲也

武士道セブンティーン武士道セブンティーン
(2008/07)
誉田 哲也

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旧姓西萩改め甲本早苗は、父の仕事の都合で福岡南高校に転校してきた。福岡南剣道部は幾度も全国優勝を果たしている強豪中の強豪校だ。しかもその、団体戦の次鋒に抜擢された。それは発言権のあるレナの推薦があったからだった。レナが磯山に勝つためのスパイにされようとしていたのだ。ルールに反していなければそれは反則ではない。試合に勝つためならなんでもする。レナの剣道には魂がない。武士道がない。それは剣道という名のゲームでしかなかった。自分の思う剣道とは違いすぎる。なんで私、こんな学校を選んじゃったのだろう。

磯山香織は去年辺りまで、繰り返し五輪書を読むのを日課としていた。常に兵法者たらんとし、それ以外の行動を可能な限り慎み、自らを律してきた。団体戦なんて自分の出番が終わったらお終い。チームが勝とうが負けようが知ったことではない、と考えていた。剣道はあくまでも個人競技。複数で勝ち星を持ち合って競うものではないという認識だった。東松女子剣道部への帰属意識も、当時は非常に薄かった。だが西萩を始め、この部の面々と時を過ごす間に、少しずつ、違う考えも芽生え始めた。

剣道の手に汗握るという場面はあまりなかったが、今回はより少女たちの内面を掘り下げている内容だ。とはいっても、香織も当然少しは成長しているが、人の心は相変わらず読めないままだ。今回は早苗がメインで、香織は緩和材になっている。二人の少女たちは、前作とはまったく逆の立場になっていて、早苗サイドを読んでいると、のんびり屋だった早苗の心が揺れまくりで、その原因であるレナに腹が立ったり、その彼女が逆にかわいそうに思えてきたりする。

一方の香織サイドは、自分の勝利がすべてだったあの香織が、後輩の田原を育てようとしていたり、イジメられっ子の清水に頼まれて偽彼氏まで演じている。その香織、田原、清水の変な三角関係が絶妙な味を出していて、ほのぼのとした描写が多く、ついニタニタ顔になってしまうのだ。それと香織の父の言葉がすごく印象的。武者の生業は戦うこと。武士の生業は戦いを収めること。なんかこの親父はカッコいい。それに香織の師匠である桐谷先生はシブすぎ。おまけだけど、福岡南の吉野先生は今後に期待大。

離ればなれになってしまった二人だけど、実はちゃんとつながっている。その分かりやすい象徴がレナの存在にある。香織とレナの過去にはなにやら因縁があって仇敵同士だ。それを知らない早苗だけど、レナが近づいてきたことで、二人の過去になにがあったかを知ることになる。早苗はレナが憎いわけじゃない。人間的に嫌いでもない。だけど、レナのスポーツ剣道や、勝つことがすべてという学校の方針が嫌いだった。早苗と香織がやってきた武道である剣道とは、相容れない別ものでしかない。二人の盟友は遠く離れても、武士道という道でつながっていたのだ。

ああ、エイティーンが待ち遠しい、それに姫とも会いたいなあ、と誉田ファンの独り言。

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誉田哲也
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comments

これも読まなきゃ~。
姫私も早く会いたい。なるべく長編で(^^)

まる:2008/08/29(金) 22:12 | URL | [編集]

まったく正反対だと思っていた香織と早苗ですが
レナの出現によって、二人は似てるんだって感じました。
香織のお父さんや吉野先生が話す「武士」や「武士道」の話、印象的でした。

なな:2008/08/30(土) 07:32 | URL | [編集]

まるさん
この人が死なないシリーズも面白いですね。
姫も読みたいし、香織と早苗も読みたいです。

しんちゃん:2008/08/30(土) 20:23 | URL | [編集]

ななさん
正反対の二人がお互いに影響を受けて、似たもの同士になった。
前作より距離は離れても心の距離はお隣になったという感じかな。
お父さんや吉野先生、それに桐谷先生も魅力がありました。

しんちゃん:2008/08/30(土) 20:31 | URL | [編集]

あたしも、たった今読み終わりました。
最後の2つの決闘なんてステキ♪
青春だなぁって思います(* ̄∇ ̄*)
そして、
本田さんには、やっぱり『エイティーン』書いてもらわないとね♪


ただいま、
あたしも感想書き上げました( ̄▽ ̄)σ
http://tsutamaru.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_a11c.html

つたまる:2008/08/31(日) 09:23 | URL | [編集]

つたまるさん
最後の決闘は見え見えだけど、わくわくしちゃいますよね。
てか、おいおい。誉田さんの名前を間違ってるよ^^;

しんちゃん:2008/08/31(日) 17:30 | URL | [編集]

香織と早苗、今回は離れてしまいましたが、それぞれの剣道に励む姿がよかったです。
離れていてもつながりを感じました。
香織の父、かっこよかったですね。
吉野は、こんないい先生だったのかと驚きでした。

花:2008/09/04(木) 22:00 | URL | [編集]

花さん
二人はちゃんとつながっていましたね。
そんな二人の電話でのやり取りが面白かったです。
父もカッコよかったし、吉野先生も何かありそうだと思っていました。^^

しんちゃん:2008/09/05(金) 19:09 | URL | [編集]

あんなにシックスティーンでは、トゲトゲな香織がこんなにも成長してびっくり。様々なものを得て成長している姿に共感です。早苗の葛藤も大きな成長となりましたね。
吉野先生、ホント笑わせてもらいました!
エイティーンが今から楽しみです。

percy:2008/09/10(水) 13:17 | URL | [編集]

percyさん
香織くん、大人になっていましたね。
前作の香織も良かったですけど、田原と清水に振り回される香織も面白かったです。
早苗サイドはなんといっても吉野先生ですよね。
三年生になるこの続きも楽しみです。

しんちゃん:2008/09/10(水) 19:53 | URL | [編集]

前作では香織が迷い、今回は早苗が見失い、少女の話、うまいな!って思いました。結局、二人とも剣道が大好きで、同じように感じてるから、離れてても存在が励みになるんですよね。
香織がちょっと丸くなってて、早苗のおかげですね。互いの持ってない部分を引き出しあって、いいですよね~。

エイティーンは、レナとの対決でしょうかね。
早苗は結局福岡南に?お父さんの転勤はどうしたんだ?
おっと、私も姫に会いたいです、長編で。

じゃじゃまま:2008/09/11(木) 10:55 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
お互いに高めあう二人がかわいいですね。
ぎゅっと抱きしめるのは危ないから、頭をなでなでしたいです。
これも危ないか!?

その辺の記憶はあやふやです^^;
姫もお忘れなくって感じですよね。

しんちゃん:2008/09/11(木) 12:17 | URL | [編集]

離れてても繋がってる、そんな香織と早苗の様子に嬉しくなっちゃいましたね~。次は剣道のシーンで、二人の熱い対戦を読みたいです。
楽しみ~~♪

エビノート:2008/10/01(水) 20:51 | URL | [編集]

エビノートさん
遠く離れても武士道で繋がっていましたね。
香織が発破した早苗への電話にぐっとときました。
次こそは二人のガチ勝負を期待したいですね。

しんちゃん:2008/10/02(木) 11:20 | URL | [編集]

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