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    2008

09.04

「恋はさじ加減」平安寿子

恋はさじ加減恋はさじ加減
(2006/03/29)
平 安寿子

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見た目が悪くても、食べると美味しい。この男もその類かもしれない。だったら、食べられるものはなんでも、おいしく、有り難く、いただきませんとね。ポテサラ、ハヤシライス、カレーうどんにバターご飯etc. 食べ物をきっかけに始まる恋、こじれる恋を描く6編。《本の帯より》

「野蛮人の食欲」
藍の作務衣を着た女が、重箱の蓋を恭しく開けた。するとそこには、ヤモリがいた。どうやら生きてはいないらしいが、それにしても、これを食えというのか。添えられているのは、セミノコやコオロギである。これが焼き蛤コースのオードブルらしい。確かに、焼きハマグリを食べるというのは沙織の念願だった。焼き蛤のおいしさを吹聴したあの男を忘れるための別口とのデートだった。目の前に座る俊哉は、ヤモリを食べ出した。

「きみよ、幸せに」
光洋を誘ったのも、恋の駆け引きめいたことが面倒だからだ。いい人だし、自分と付き合いたがっている。だったら、さっさと始めましょう、ということだ。ポテトサラダへの偏愛を知ったのは、晴れて彼氏になってからだ。何でも決め付ける単純さがうっとおしい。そこに現れたのがフミオだった。フミオはポテトサラダにソースをかけて食べるのが好きな男だった。

「泣くのは嫌い」
会社は志奈にナチュラル家具の取り扱いを任せた。チーフという肩書きもくれた。そして、晴れてきょう、樋口木工に現物の見学に行ったのだ。しかし、樋口家のハヤシライスは不意打ちだった。自家製のタマネギに一家自慢のお袋の味。タマネギが苦手なんですとよけるなんて、どうしてもできなかった。それで、小学校卒業以来のくるみ捨てでしのいだ、と思ったら、見られていた。ばかりか、惚れられた。その徹がタマネギ攻撃を仕掛けてきた。

「一番好きなもの」
カレーうどんなんか、嫌いだ。あんな迷惑な食べ物はない。大体、熱すぎる。うどんは本来、ゆっくり噛んで歯応えを楽しめるくらいの温度に収まっている。ところが、カレーでとろりと粘るつゆにまみれた途端、手に負えない暴れ者に変身する。現在、充は週に最低三回、カレーうどんを食べる。ホームページを勧めたのは路子だった。カレーうどん仲間をみつけてからというもの、充は夢中だ。カレーうどんに、彼氏を持っていかれた。

「とろける関係」
バターご飯なるものを、ご存知か。バターのせご飯にご飯で蓋をする要領だ。そこに醤油をまわしかけて、全体をよくかき混ぜる。ロミはこのところ毎朝、バターご飯を食べて仕事に出かける。バターご飯を教えてくれたのは、高村だ。ロミとは、二十二も年が違う。寝ちゃったこと、なかったことにできないかな。もう、会わないほうがいいのかな。だけど、部屋に入れたのも、抱きついたのも、ロミの方からだ。バターご飯って、催淫効果があるのかな。

「愛のいどころ」
家事をしない、料理をしない、典子は修介との了解のもと、外食にするか、買って食べていた。なのに去年の暮れくらいから、お祖母ちゃんの手料理の思い出話が修介の口からこぼれてくるようになった。修介はお祖母ちゃん子だ。お祖母ちゃんは毎年、梅干しを壺にいっぱい作った。その味が忘れられないそうだ。そしてついに、本当に自分で作るに着手した。修介がキッチンの床にあぐらをかき、水に漬かっている梅の実を洗っていた。そこのところが、微妙に典子の感情を波立たせる。

恋愛時に存在する、駆け引きや計算、目に付くマイナス部分や相手に合わせてしまう自分など、読むと疲れそうな状況を、歯切れのよい文章でさくさく読ませていく辺りは、さすが平安寿子といえる作品集だ。始まる恋もあれば、終わっていく恋もある。出てくる女性はみんなパワフルである。男性陣はその逆で、いい大人なのに子供のようである。人間描写が巧みで、これが男女の本質を見事に突いているのだ。そして、出てくる食べ物すべてがうまそうだった。この平安寿子にはハズレがない。だけど、読んでいる方があまり多くいない。もったいないと、ツクヅク思う一読者であった。お薦め。

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平安寿子
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comments

ほんと、平安寿子にはずれなし!ですよね。
私もだーいすきな作家です。
ぜひぜひ、もっとみんなに読んでもらいたいものです。

sakura-kanade:2008/09/05(金) 13:36 | URL | [編集]

sakura-kanadeさん
いまいち人気に火がつきませんね。
コンスタントに本がでているのに何故でしょう。
そういう自分もすべてを読めていませんが^^;
平さんはいいよね!

しんちゃん:2008/09/05(金) 19:16 | URL | [編集]

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