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    2008

09.09

「ミュージック・ブレス・ユー!!」津村記久子

ミュージック・ブレス・ユー!!ミュージック・ブレス・ユー!!
(2008/07/01)
津村 記久子

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オケタニアザミは高校三年生。髪は赤く染め、目にはテンプルの太いメガネ、歯には黒と黄色というカラフルな歯列矯正器。耳にはほとんど一体化しているといっていいヘッドホン。音楽が鳴っている間は自分が自分でなくなることができた。日本の高校生であることを恥じるわけではないけど、それを謳歌できる同世代の女の子たちを遠く感じるのは事実だった。

二年生の学年末考査で数学の単位を落としたアザミは、落第こそ免れたものの仮進級というオミソのような状態だったので、指定校推薦制度の対象からは外れていた。そんなアザミに対して、友達のチユキは、指定校推薦の枠に入れそうな生徒の一人だ。悪目立ちするデカいアザミと、染めたような真っ黒いくせ毛に、服も持ち物もモノトーンで統一した背の低いチユキは、並ぶとちぐはぐながら、ほとんど毎日一緒に下校していた。

チユキとは七対三ほどの割合で、アザミのほうがよく喋った。息をしているだけでくだらないことが次々と頭を過ぎり、それを口に出さずにいられないアザミと付き合うことに疲れを感じる人びとも多い中、チユキは根気よくそれを聞いてやることができる希少な存在だった。勉強も見てくれた。アザミはチユキにはとても感謝していた。

歯列矯正器友達のモチヅキ君を介して知り合った洋楽おたくのトノムラ君や、クラスの合同授業でいつも隣同士になるナツメさんらとも親しくなるきっかけは出来るものの、中々素直になって踏み込めないでいた。アザミがベースギターを弾いていたバンドは解散してしまったし、周りのクラスメイトたちは次々と進路を決めていく。進路が何一つ決まらないアザミのぐだぐだの日常を支えるのは、パンクロックだけだった。

自分は何なのか、何になりたいのか、少女は自分がどうしたらいいのかが分からない。子供の頃ははっきりとした夢があった。しかし高校三年生になって、夏休み、冬休みと過ぎて、まだ進路が決まらない。いや、決められない。だけど、焦りもない。高い授業料を払って大学の四年間を遊ぶことも疑問だし、と言って就職するのもなんだかなという感じなんだけど、周りの人たちは大半が大学に行くしなあ、という流れになんとなく乗っかってしまう。

かつての自分と近いところがあってすごく共感できた。のんびり屋さんって、状況が切迫していてものんびりを決め込むことができる。これって何でしょう。それにあれだけ毎日つるんでいた仲間とも、卒業をきっかけにあっさり別れることができてしまう。音楽にしても、あの頃に聴いていた音楽が未だにすべてだし、パンクとロックの違いはあるが、これって自分のための本じゃないかとそう思ってしまうほど波長がビシバシ合ってしまった。いい作品だった思う。他の方まではどうだか知りませんが。

ちょいと珍しいタイプのサイン本。

Image073_r1.jpg

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津村記久子
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comments

お馴染みの場所、出てきました?
メッセージ付のサイン本っていいですね。
アザミとチユキは実にキュートで素敵でした。

たまねぎ:2008/09/15(月) 13:05 | URL | [編集]

たまねぎさん
特定の地名が出なかったので、答えとしては微妙かな。
あそこっぽいというのはありましたけど。
結構えぐい女子だったので、キュートまでは…^^;

しんちゃん:2008/09/16(火) 12:53 | URL | [編集]

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