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    2008

09.11

「熊の場所」舞城王太郎

熊の場所 (講談社文庫)熊の場所 (講談社文庫)
(2006/02/16)
舞城 王太郎

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「熊の場所」「バット男」「ピコーン!」の3編を収録。再読です。

「熊の場所」
僕がまー君の猫殺しに気づいたのは、まー君のランドセルをぶちまけてしまったところ、ひょろりと長い猫の尻尾が、一本ぽろと飛び出て僕の心臓を一瞬停止させた時だ。まー君は優雅といっても良いような手つきで、それを拾い上げて何気なくランドセルにしまいこんだ。僕は怖かった。この大きな恐怖を、僕は何とかしなくてはいけない。かつて豪放磊落気味の父が言っていた。恐怖を消し去るには、その源の場所に、すぐに戻らねばならない。放課後、僕はまー君の家の玄関に立った。

「バット男」
バット男は表面ぼこぼこの金属バットを振り回して喚き出す性格破綻者だ。でもバットは威嚇用であって本当には人を殴ったりしない。だからあっさり反撃を食らって殴られたり蹴られたりしてバット男は生傷が絶えない。僕は心のどこかでバット男の逆襲を待っていた。そのバット男が死んだ。調布のバット男が残したのは一人の女の子の醜聞だった。バット男の汚らしいアパートで四万円もらってやった馬鹿な女の子。それは友達の彼女だった。弱い方へ弱い方へ、不幸は流れ込んでいく。

「ピコーン!」
馬鹿が集団になって改造乗用車に乗りまくるチームが出きた。チョコはそこで哲也と出会い一緒に住み出した。哲也は喧嘩にあけくれる日々。チャコは決めた。ここを抜け出てみせると。哲也と二人で這い上がってみせると。今よりずっとまともな場所にたどり着いてみせると。哲也が出した条件は、フェラチオ一万本ノック。五十本抜きくらいから哲也はチームの誘いを断り始めバイトに通うようになった。チョコはバイトと大検の勉強とフェラチオにより一層熱が入る。その頑張っていた哲也が何者かに殺された。

さて、補足を入れた感想を。

「熊の場所」
まー君への恐怖と対峙するわけだが、わかったことは、まー君は単に猫を殺しているサッカーが巧い少年にすぎなかったということ。まー君との友情を温めながらも、同時にある欲望がわいてくる。まーくんが猫を殺すところを見てみたい。さらには、まー君に殺されたいと。グロい。そして痛い。次々に感情がブラックな方へとエスカレートしていく。普通の読者はどう思うだろう。だけど、自分はこういう黒い作品が好きなのだ。

「バット男」
こういう危ない性格破綻者は子供の頃にいたような。さすがに暴力はしなかったけれど、からかっては追いかけられ、というのを繰り返して遊んだ記憶がある。バット男自体は作品の序章でしかない。その彼が死に、負の遺産を引き継いだ馬鹿女とその彼氏の悲惨な物語だ。主人公は第三者で傍観者でしかない。その冷めた目線にぞぞぞっとくる。

「ピコーン!」
死んだ哲也の様子が異常で、チョコが灰色の脳細胞によって死の謎を究明していく。どう異常だったかは自分で読んで欲しい。ピコーン!というのはチョコの閃きの音。とんちの一休さんでいうチーン!である。そこかよというオチは苦笑いだけど、このピコーン!の瞬間が気持ちいいし、なんと言ってもチョコがかわいい。この作品は漫画にもなっている。

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舞城王太郎
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◎「熊の場所」 舞城王太郎 講談社 1600円 2002/10


 本書の面白いところは、三島賞候補にもなった表題作ほかの小説としての内容にもあるのだが、加えてそのイラストにもある。目次の前に“本文イラストレーション/舞城王太郎”とあるように、目次ページのなどのイラストが著者自身によるものなのである。熊のようで熊では...

2008/09/12(金) 00:14 | 「本のことども」by聖月

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