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    2008

09.16

「カイシャデイズ」山本幸久

カイシャデイズカイシャデイズ
(2008/07)
山本 幸久

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けっこう熱血な営業チーフ、古臭い二枚目顔の施工管理部、掟やぶりのヒラメキ型デザイナー。彼ら″魔のトライアングル″と同僚たちが織りなす内装会社の愉快でアツい日々のお仕事。こんな会社で働きたい!《本の帯より》

これはすごく面白いお仕事小説だと思う。時間の流れを継承し、目線がリレーしていく連作集。はじめはやる気のない社員たちもいるが、パワフルな主要人物の毒気にあてられ、仕事に熱をもって励むようになっていく。黄金トリオの高柳(タカさん)篠崎(シノ)隈元(クマ)と、脇を支える石渡(ハヤブサ)橋本(ケーオー)江沢(エザっち)大矢と弘子たち。彼らがからみあうことで人物像に深みを与え、みんなが魅力的で、楽しそうに働いていて、自分も頑張ろうって気になれる。ユーモアもあって、とても楽しい時間を過ごすことができた。いい作品だ。

以下、内容紹介。

「女神の呼び名」
営業チーフ、高柳憲一。小田弘子は人生において五人目の女神だ。彼女たちにはアプローチなどしない。女神だから、ただ見ているだけでじゅうぶんだった。四人目とは、一年の交際を経て結婚をした。高柳はついに女神を手に入れたのである。しかしまた女神と出会ってしまった。しかも同じ社内で。その女神と、新人の橋本が結婚するという。

「魔のトライアングル」
施工管理部、篠崎光。現場、会社、休みの日と、いつも作業着で過ごし、篠崎にとって現場以外といえば、呑み屋かフーゾクである。営業の高柳が持ってきた仕事を、設計部の隈元が図面をひき、施工管理部の篠崎が形にする。その隈元が言うところの黄金トリオがこだわって施工した喫茶店が、開店二年半にして店じまいすることになった。

「夢破れて」
営業、石渡信吾。入社して五年。それまで担当した物件は、上司や先輩から引き継いだものばかりで、今回はまるまるひとりで、始めなければならなかった。その仕事が取れなかった。しかも顧客の担当者から、営業としてのダメ出しまで食らってしまった。へこんだ石渡だが、かつてのDJ仲間に会うと、魂は自由と見栄をはってしまう。

「いつもおひとり様」
統括室室長、大屋時枝。二畳もない統括室でミスドのドーナツを食べることが楽しみ。入社して三十二年、会社の人間は相談事があると、大屋のところに相談をもちかけてくる。社内ではこれを大屋参りと呼んでいた。だけど、悪い気はしなかった。大屋は粗忽者や莫迦になれる者が嫌いではなかった。そして面倒をみる。

「バームクーヘン」
営業リーダー、江沢六輔。偉くなりたい。出世をしたい。社長になりたい。江沢は社長教育セミナーに参加し、その教えを実践していた。自分をのぞく社員全員、同期の高柳が好きだった。江沢はそれがおもしろくなかった。自分の方が営業成績もいいし、強面の高柳は粗雑で粗暴で粗忽。酒癖も悪い。ところがみんなどこか楽しげで、最後にはこうだ。高柳だからしょうがない。

「ガウディでよろしく」
デザイナー、隈元歳蔵。あなたは天才なんですか?はい天才です。打ち合わせの最中に寝てしまい、顧客の話を満足に聞いていなかったどころか、自分のコンセプトをへし折るほどの意見を飲んでしまった。屈託を抱えたまま別の顧客との打ち合わせに向かうと、彼女はお気に入りの店舗をスクラップブックにまとめていた。それは隈元歳蔵作品集ともいえる代物だった。

「スナイパーヒロコ」
営業、橋本陽七。与党の元幹事長の息子で、ケーオー卒の二枚目。父の権力を頼らず、自分で就職先を決めた。就職を機に一人暮らしもはじめた。そこに弘子と暮らしている。隈元が勝手にラフデザインを描き、それを高柳に渡し、部下の石渡の営業が見事成功。その物件の実地調査に橋本、石渡、隈元と行くと、バイトが急に集団で辞めたとかで、店の手伝いをすることになった。汗水流して働くって気持ちがいい。

「社長教育ABC」
社長、巨瀬司郎。来月にある会社説明会までに、カリスマ性のあるリーダーになるよう総務部長に指示された。手配はすでに整えられていた。社長教育セミナー・三泊四日短期集中コース。これであなたもカリスマ社長!という謳い文句。合宿所を脱走した。罵倒の数々に絶えられなかった。そして会社創立時を思い出す。会社を途中で辞めて旅に出た男。鴻上とふたりですべてやったあの頃を。

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山本幸久
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comments

しんちゃん こんばんは。
キャラがかなり個性的で一人一人
履歴書が書けそうな感じでしたね(笑)
ものすご~く嫌な奴が出てこないのも
山本さんらしい。
こんな会社で働きたいわ!!

naru:2008/09/17(水) 22:43 | URL | [編集]

おはようございます。
よくいそうな嫌なタイプのエザっちでさえ
なんだかかわいらしく見えてくるから不思議。
本当にいい作品でした。

なな:2008/09/18(木) 09:29 | URL | [編集]

naruさん、こんばんは。
キャラは濃いですがみんなに魅力がありました。
迷惑な人物も、冷やかしの対象になった途端、憎めない存在になりました。
同じ会社ですか。べったりはしんどいですが、傍から見る分にはいいかな。

しんちゃん:2008/09/18(木) 19:13 | URL | [編集]

ななさん、こんばんは。
トリオにかかれば、エザっちもただの小さなオヤジでしたね。
本人は呼んで欲しいのに、影でしか呼ばないのはむふふです。
ほんと元気になれるいい作品でした。

しんちゃん:2008/09/18(木) 19:19 | URL | [編集]

何だかんだと皆楽しそうに働いていて、読んでいるこちらも仕事って楽しいのかも!と思えてきましたね。
山本さんのお仕事小説って、良いですよね。
読むと、私も仕事頑張ろう!って思えてきます。

エビノート:2008/09/18(木) 21:06 | URL | [編集]

こんばんは。
読んでいて楽しいお仕事小説でしたね。
どの人物も個性的で、特に魔のトライアングルの3人がよかったし、
エザっちにも笑わせてもらいました。
こういう会社なら働いてもいいかなって思いました。
採用されるかはわかりませんが…(笑)。



mint:2008/09/18(木) 21:41 | URL | [編集]

エビノートさん
みんな楽しそうに働いていましたね。
不景気で暇だけど、頑張らなくてはと元気をもらいました。
山本さんのお仕事ものは安心して読めますね。

しんちゃん:2008/09/19(金) 10:51 | URL | [編集]

mintさん、こんにちは。
できすぎなんだけど、楽しければそれでいいと思いました。
トリオもエザっちも良かったです。個人的に大屋さんも好きでした。
でもトリオの人たちって会社人間ばかりのような^^;

しんちゃん:2008/09/19(金) 10:58 | URL | [編集]

面白かったですね。
登場人物たちの登場の順番も絶妙だった気が。
タカさんが好きでした。黄金トリオは良かった♪
ペンキ塗りが文化祭みたいで楽しそうで、ちょっと参加したくなりました。

ちきちき:2008/09/19(金) 21:45 | URL | [編集]

ちきちきさん
個性派揃いだけど、黄金トリオは別格でしたね。
ペンキ塗りって、いくら気をつけてもどこかが汚れる。
でも楽しいかも。大勢でするならより楽しいかも。

しんちゃん:2008/09/20(土) 12:44 | URL | [編集]

本当、面白かったです。山本さんの会社モノの中ではダントツに面白かった。
仕事に愛を感じましたよ。(笑)
エザッちも、最初は本当に嫌な奴って思ったけど、彼の章を読んだらなんか憎めなくなって。
あの3人にかかると、ホントちっちゃな奴。(爆)

じゃじゃまま:2008/10/22(水) 22:21 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
エザッちタイプはいますよね。これで対処法がわかりました。
でも実際はできないけど^^;
あの三人だからこそ許されるところはありますよね。

しんちゃん:2008/10/23(木) 17:06 | URL | [編集]

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