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    2008

09.18

「イグアナくんのおじゃまな毎日」佐藤多佳子

イグアナくんのおじゃまな毎日 (中公文庫)イグアナくんのおじゃまな毎日 (中公文庫)
(2000/11)
佐藤 多佳子はらだ たけひで

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徳田のジジイはあたしに約束した。誕生日のプレゼントには、生きている恐竜をくれるって。徳田のジジイは親戚だ。パパの大叔父で、パパが英語教師をしている私立中学の理事長をしている。ヤツの前ではいい子にしないとパパに死ぬほど怒られる。ヤツの機嫌をそこねると、ウチは食うのに困るからだ。パパは親戚だけど、油断禁物って、いつもクビのことを心配している。だから、増築したサンルームを我が家へ見にきたときも、うそつきめ、と思いながらジジイに話を合わせた。恐竜なんて欲しくないかね? 生きている恐竜なら欲しい、って。

ウチにきたそれは、一メートルくらいの恐竜ではなくて、ティラノザウルスと名付けられたグリーン・イグアナだった。ジジイの孫である勉が、飼うのを持てあましたイグアナを押し付けられただけで、あたしの誕生日をつかったいやらしいペテンだった。ママはヘビとかトカゲとか大嫌いだから、絶対に世話なんてしないとヒステリー。パパは約束した樹里が悪いと、無理やり決めつけ。ヤだもんとはっきり断ろうとしたけど、ぶたれるのがいやで何もいえなかった。イグアナの世話は結局あたしに押しつけられることになった。

あたしは、イグアナが好きか嫌いか、よくわからなかった。ママほどイヤ!じゃないけど、誕生日のプレゼントにもらいたいシロモノじゃ絶対にない。世話するのも、まっぴらゴメン。ティラなんて呼ぶのも嫌だ。ヤだ、ヤだ、ほんとにヤだもん。「ヤダモン」という名前に決めた。自慢のサンルームは、もうパパのものでも、ママのものでもない。あたしのものでもない。ヤダモン一匹のものだった。ジジイをおそれるパパとトカゲ嫌いのママはケンカばかり。イグアナのせいで、パパもママもあたしも、どんどんアホウになっていく。しかし、ある日を境に愛情がめばえて――。

この樹里一家は欲しくて飼い始めるのではなく、押しつけられて飼うことになる。だから、愛情なんてこれっぽっちもないし、世話なんてしたくないし、それゆえにイライラが募って、家族がおかしくなってしまう。でも本書の場合は、あるできごとがきっかけで、ヤダモンが家族の一員になっていく。ヤダモンを受け入れていく過程は、エサやり、フン掃除、病気の気づかい……。もの言えぬ家族と一緒に過ごしていくということは、そこにいる日々が当たり前になるということで、責任感を持つことであり、めばえる愛情である。

ペットを飼うのって大変だ。欲しいという気持ちだけでは飼えない。生き物を飼うということは、最後に息をひきとるまで面倒をみるという責任が生じてくるのだ。犬や猫、それがイグアナであっても同じである。持てあまして捨てるなら、飼うべきではない。生き物は、ぬいぐるみではないからだ。一方で、癒しがあることも確かだ。その当たり前のことがらが面白おかしく綴られている。そしてかわいいのだ。いい作品だったと思う。

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佐藤多佳子
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