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    2008

09.19

「上を向いて歩こう」ヒキタクニオ

上を向いて歩こう上を向いて歩こう
(2008/07/31)
ヒキタ クニオ

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お父さんは臭い、という理由で、娘がお父さんの下着と一緒に自分の下着を洗濯機で洗うことを拒否する時代。それは奥さんが、旦那の下着を割り箸で洗濯機に入れるとテレビのワイドショーで臆面もなく発言している時代でもある。時代遅れで手垢にまみれた「男らしい」という言葉は、現代では「オヤジ」という言葉に変わった。オヤジは黙って家族を養う。オヤジは見返りなんて求めず必死になって家族を養うのだ。

桐山は、神楽坂の毘沙門天さんの裏の石畳を敷き詰められた小路を進んだ先で、「花鳥風月」という名の湯屋を営んでいる。名前の由来は、桐山の双子の娘、花鳥と風月から取ったものだ。花鳥風月は会員制で、売り物のひとつに屠蘇がある。十年前まで裏稼業に身を置いていた桐山の料理を食べながら、客たちが語りだす。その会話の中に、さまざまなオヤジたちが登場してくる。

旅を続けた当たり屋だったオヤジ...「小指のおもひで」、ぼくもあるなと嘘話を被せてくるオヤジ...「霧島先生」、娘が薬物中毒になってしまったオヤジ...「炭酸人形」、我が道を行く亭主関白のオヤジ...「おやじ太鼓」、定年を迎えた日に夫婦憲章を突き付けられたオヤジ...「一通大臣」、妻を亡くすまで本当の姿をしらなかったオヤジ...「鬼やんま」、複数の家庭でシーソーの役目をするオヤジ...「沖縄イズ・フリーダム」、昔気質の武闘派ヤクザのオヤジ...「上を向いて歩こう」。これらオヤジたち、あるいはオヤジたちと関わりのある人物の人間ドラマを描いた連作集である。

ヒキタクニオにしては普通の作品である。だけど、これが読ませる作品だ。子供に引け目を感じる仕事をしている男だったり、子供が親をわずらわしく思ったり、どん底にいる子供を救い出したくて覚悟する親がいたり、昭和の親父が絶対に正しいと思っている暴君だったり、妻の逆襲を受けてたじたじになる男や、時代について行けなくなった男など、こんなオヤジっているいる、となるオヤジばかりだ。ウザッというオヤジもいれば、カッコいいオヤジもいるし、切なくなるオヤジもいるし、呆れてしまうオヤジもいる。

そういうオヤジだけど、読んでいると、多くのオヤジに共通する部分が見えてくる。会社に行って給料を貰って、それを家庭に入れる。子供が産まれて、男が働いたお金で子供が育っていく。家族を養うってことのほかに何があるんだよ。それだけで充分じゃねえか。大変なことだぜ。そう思っているオヤジたちが多く登場するのだ。ヒキタクニオは、その後、こんなセリフを女性に言わせている。家族を養っていくことだけで満足するのなら、離婚して子供の養育費と慰謝料を払っているのと同じだと。これには考えさせられる。

それともうひとつ。今では古い考え方だけど、男は仕事をして、女は家事する、という男もいるだろう。これは男女の役割分担になっていると。じゃあ定年になってその男が家に居つくようになると、男は家事をするのかという問題。日頃から家事をする男も増えただろうが、その家事とはどこまでを指すのか。買い物、食事の用意、後片付け、洗濯、掃除、etc…。そういった一人よがりを考えさせるという点でも、この作品はとても奥が深い。

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ヒキタクニオ
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