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    2008

09.20

「小さな空」風野潮

小さな空小さな空
(2008/08/25)
風野 潮

商品詳細を見る

大阪府北部に位置する自然豊かなM市。山から吹きおりてきた風を受けるその団地の四階に住む岩本一家は、小学四年生の太一、二年生の慎ニ、母の光江、父の潤三の四人家族。その岩本家のお隣に引っ越してきた十和田家は、少しわけありの父子家庭。太一と同じクラスに転校してきた風希子と、二十五歳という年齢の若き美青年の父親。若すぎるのは当たり前で、まーくんこと正見は、風希子の死んだママの再婚相手だった。

ドラマーだという正見に太一が弟子入りし、漫画を執筆しては投稿する光江に風希子が弟子入り。そして子供たちは子供同士で、親たちは子供を通して親しくなり、やがて光江もママさんバンドを始め、昔バンドをしていた潤三も正見と音楽談義を咲かせるようになり、お互いの家庭を理解しあうようになる。いつしかふたつの家庭は、困ったときはお互いに助け合う親密さを持っていた。

春、夏、秋、冬、それぞれの季節に起きる事件や発見や出会い。自分たちの幸せとは何か、自分の夢とどう向き合うのか、ふたつの家庭の交流を中心に、大人も子どももそれぞれが少しずつ成長していく。自然の音や、ロックの音楽が聞こえてきそうで、一瞬の淡いときめきや、親が子どもを見る姿が瑞々しく、淡々とした日々が続くふつうの日常の物語。

ザリガニ取りや秘密基地など、子供の頃に遊んだ風景がここにある。今でもこういう遊びがあるのだろうか。すごく懐かしかったです。それに近くにM国定公園があるので、みんなでハイキングに行ったりもする。自分が子供の頃は、サルが我がもの顔で観光客を襲撃していたM国定公園だけど、今では餌付け禁止になり、サルの管理が徹底されているらしい。大阪に住む子供にとっては遠足の定番の場所だし、車好きならドライブの名所になっているMが舞台というのも嬉しいことだ。

そういう思い入れのある場所についてはここまでにして、作品の方に戻りたい。わんぱくな太一に対して、弟の慎二はドンくさいんだけど、そこにお転婆だけどしっかり者の風希子が加わることで、いい三人組になっていたと思う。ただ運動会での慎二に対する先生の発言は対処して欲しかった。劣ったものだとみなすことはあるかもしれないけれど、理解力が弱いので検査を受けろ、なんてあまりにも酷すぎる。もしこんなことを言う先生がいたら、自分ならキレていたかもしれない。個人的な要望だけど、お灸があってもいいと思った。

風希子と生活することを選び、ミュージシャンとして成功する可能性が薄れてしまった正見といい、お母さんをしながら漫画家を目指す光江といい、夢を簡単にあきらめない姿がすごくカッコ良かった。これって風野さんご本人が投影されているのだろうか。光江が描きたいと思う熱いビートのお話って、「ビートキッズ?」のまんまのような気がしたのだけど。こういうファンにとってのニヤリもあって、最後には、恒例(?)の音楽があふれるお祭りが待っている。

ドラムを叩く太一のニィという笑いに、こちらまでニィと笑ってしまい、ママさんバンドの超高速テンポにはおもわず吹き出してしまい、よれよれ姿が定番である正見がドラムを叩く場面には、ぐっときて、簡単には言葉に表せないものがあった。やはり音楽の流れる風景は楽しい。そして、希望を乗せた風を感じて、気持ちよく本を閉じることができた。家族の物語であり、音楽の楽しさがいっぱい詰まった、優しく温かな気持ちになれる作品だ。

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風野潮
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comments

ご紹介いただきましてありがとうございました。
この本は、児童書出版部から出ている一般書寄りの本、というわけなので、かなり売りにくい(メディアでも取り上げてもらいにくい)ように編集さんから聞いています。ですので、紹介していただけるのは、本当に嬉しいです。感謝しております!

潮:2008/09/26(金) 15:42 | URL | [編集]

風野センセイ、こんにちは。
この本も売れるといいですね。いや、売れて欲しいですね。
自分の記事でどうこうはないとナイと思いますが、読んで感じたことを書かせてもらいました。
今年中にあと一冊の本が出版するんでしたっけ。
出たらまた、読みますし、買いますし、書きます。
おウチのことも執筆の方もガンバってくださいませ。
今後も応援させてもらいます。

しんちゃん:2008/09/27(土) 12:26 | URL | [編集]

こんばんは。
夢と笑顔がいっぱい詰まった一冊でしたね。
私は結構ひねくれものですので、こういうお話、なかなか素直に読めないんですが、今回はまーくんの笑顔にすっかりやられてしまいました。

ちきちき:2008/10/26(日) 19:53 | URL | [編集]

ちきちきさん、こんばんは。
こういう普通にあった風景ってなくなりましたね。
それが懐かしくもあり、寂しくもありました。
まーくん、父親としては?ですが、爽やかで素敵な好青年でしたね。

しんちゃん:2008/10/27(月) 17:56 | URL | [編集]

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小さな空


JUGEMテーマ:読書 『ビート・キッズ』で講談社児童文学新人賞、野間児童文芸新人賞、椋鳩十児童文学賞を受賞した著者による、珠玉の家族小説。  自然豊かな郊外の団地に住む4人家族と、隣に住む「わけあり」の父娘家族の交流を中心に、大人も子どももそれぞれが成長

2008/10/26(日) 19:53 | ぼちぼち

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