--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2008

09.22

「ドールズ」高橋克彦

ドールズ (角川文庫)ドールズ (角川文庫)
(1997/08)
高橋 克彦

商品詳細を見る

雪が降る盛岡市の深夜。結城恒一郎が運転する車が、明りの洩れている土蔵の前に着いた。信司が電気を消し忘れて帰ったのだろうか。月岡信司は恒一郎の亡くなった姉のつれあいで、土蔵の持ち主でもある。一階は恒一郎が借りて同道堂という古書店を開いていて、二階のほうは信司が遊び半分で経営している喫茶店「ドールズ」になっている。とにかく、インテリアに金がかかりすぎている。フロアの中央には店名の由来でもあるようにドイツから輸入した巨大なドールズ・ハウスを飾っているが、信司の自慢話によると三千万を軽く越したと言うのだ。静まりかえった土蔵の戸に、信司からの伝言が貼りつけられていた。

伝言には信司の一人娘の怜が事故に遭ったと書かれていた。救急センターに駆けつけたところ、怜は轢き逃げに遭ったという。骨折のほうは大丈夫らしいが、脳波に少し異常があった。人の気配に気がついて怜は静かに目を開いた。目が合う。怜の瞳が次第に恐怖の色に変わった。悲鳴を上げようとするのだが声がでないらしい。失語症に陥っていた。さらに問題なのは、血圧が異常に高く、心臓の肥大も目立ち、重度の動脈硬化が見られたことだ。七歳の子供が動脈硬化。老化現象なんてありえない。

小夜島香雪は半年くらい前から頻繁に同道堂へ顔を見せる客の一人で独身の人形師。それだけで充分恒一郎の関心を引いているのに、彼女は相当の美人だった。彼女の希望で二人は病院へ向かった。怜は相変わらず声がでない。けれど症状だけは薬の効果で確かに好転している。今では医者や看護師に対しての怯えもなくなった。ベッド生活にも慣れ、食事も進んでいるらしい。怜は香雪を覚えていた。人形の…。はじめて声がでた。

その怜が隠れてタバコを喫っていた。また失語症が再発したようだが、ワザと装っている感じがする。歩けるのに歩けないフリをしている。甘いものばかり食べて叱られていた子が、梅干しや漬物を特に好んで食べている。機械の構造が知りたくて分解して壊す。そして、人形に異様な関心を示しだす。少女の心に何がひそんでいるのか。ドールズ・シリーズ第一弾。

待望の4冊目が出版されるというわけで、この際、過去のシリーズを再読することにした。やはり面白い。だけど、この作品については感想が書けない。二冊目三冊目になると別なのだが、シリーズの序章にあたる本書では、秘密のキーワードが作品の頂点にあり、これを避けたネタバレなしでは語れないのだ。ジャンルでいえばホラーだけど、身の毛がよだつ怖さではなく、日常の中に異常が紛れ込んでくるホラーになっている。

また、主人公たちが自分探しの旅に出るので、盛岡の報恩寺や、熊本の浄国寺や、宮本武藏がこもって五輪書を書いたという霊巌洞などに、ぜひ行ってみたくなるのだ。近い日にシリーズ二冊目も読むつもりだ。こちらの再読も楽しみである。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

高橋克彦
トラックバック(0)  コメント(0) 

Next |  Back

comments

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。