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    2008

09.30

「晴れた日は、お隣さんと。」福田栄一

〔MF文庫 ダ・ヴィンチ〕晴れた日は、お隣さんと。 (MF文庫 ダ・ヴィンチ ふ 1-1)〔MF文庫 ダ・ヴィンチ〕晴れた日は、お隣さんと。 (MF文庫 ダ・ヴィンチ ふ 1-1)
(2008/06/21)
福田栄一

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修士課程を修了し、菜美は大炊郷土資料館で事務員として働くことが決まった。実家からの引越しの荷解きもほとんど終わり、ようやく部屋が落ち着いた状態になった。窓の外には、柔らかな春の日差しを浴びる畑が一面に広がっている。視界を遮るような高い建物はないから、アパートの二階にあるこの部屋からでも遠くの山の麓まで見渡すことができる。ふと視線を近場にやったとき、菜美はぎくりとして固まった。二十メートルほど先に打ち捨てられたプレハブ倉庫が建っていて、いつの間のかその裏手に妙な男が姿を現していた。

男は腹回りにたっぷりと肉を付けた体型だった。初老くらいの年頃だろうか。そんな外見の特徴はどうでもよく、一番重要なのは男が素っ裸でいるということだった。男が屈みこんだ拍子に尻の割れ目まで見えてしまったので、慌てて視線を逸らした。もし、あれが近所に住んでいる変態だったりしたら。そこは増渕さんのお家で、お風呂がないので水浴びをしていたとのことだった。子供たち相手に塾を営む元大学教授の増渕さんは、ちょっと変わったお隣さんだった。

先生はのんびりとした人柄で頼りになる反面、無邪気で奇抜な行動に驚かされてばかり。先生を敬愛する同い年の康孝は、無愛想だが端正な顔立ちで気になる存在。先生の娘で双子の姉の沙紀は、康孝のことで対抗意識を燃やし、妹の由紀は、二人が張り合うのを見物して楽しもうとする魂胆が見える。先生はといえば、家族とは別居、大学を辞めた経緯も不明と、謎がいっぱい。そして職場では、同僚の佐枝子から嫌がらせを受ける。波乱含みの菜美の新生活が、ここに始まった。

次々と起こる、大小さまざまな事件。大事なマスターキーを失くしたり、先生の過去にまつわる濡れ衣事件が起こり、嫌がらせから始まった郷土史研究会での発表に、そして、恋する人の留学と、ばたばたとした騒がしさが福田さんらしい作品で、それプラス「あかね空」のように、これが田舎だというのんびりした時間が流れている。めっちゃ当たりというわけではないが、安心して読めるのだ。

そして、先生にしろ、康孝にしろ、由紀にしろ、タイプは違うのだけど、とにかく粋だ。おっとこ前だ。表には出さないけれど、見えないところで何か行動してくれているのだ。その何かがさらっと明らかになった途端、ええやっちゃ~となって、その人物のことがすごく好きになってしまうのだ。康孝をめぐって敵対心をむき出しにする沙紀は、お子ちゃますぎて、それがそれでかわいいし。

そんな中で異色だったのが、いびりキャラの佐枝子だ。こういう憎まれタイプは福田作品では初登場で、こいつが嫌なやつであるほど主人公を応援したくなる。できればギャフンといわせて欲しかったけれど、キャフンぐらいでも満足だった。最後はベタな展開にでへへとなり、今度は水着ショウかよとツッコミを入れて、おもしろかったと本を閉じた。

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福田栄一
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comments

こんばんわ!お久しぶりです。

福田さんの新作、楽しかったですね~♪
しんちゃんの記事を見て新作が出てることを知り、急いで買いに行きました。

先生のキャラはとても楽しかったですね♪
最後の水着姿には笑ってしまいました。せんせー、そんな我慢できなかったんだ…って笑。
めずらしく恋もいい感じに行ったし♪
毎回シリーズ化してほしいと思うんですけど、今回も先生と菜美と康孝の話がまた読みたーい!と思いました。楽しくていいと思うんだけどな。

マメリ:2008/10/07(火) 00:52 | URL | [編集]

マメリさん、こんにちは。
お役に立てたようで。販促になったのかな。^^ 
確かに馴染みないところから本がでましたね。
自分は雑誌ダ・ヴィンチを愛読しているので、即買いしました。

恋もめずらしかったけれど、先生のオチがすべてをさらっていったような^^;
相変わらずキャラ読みができて面白かったですね。

しんちゃん:2008/10/07(火) 11:23 | URL | [編集]

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『晴れた日は、お隣さんと。』 福田 栄一


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2008/10/07(火) 00:45 | お菓子を片手に、日向で読書♪

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