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    2008

09.30

「美女と竹林」森見登美彦

美女と竹林美女と竹林
(2008/08/21)
森見登美彦

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妄想作家森見登美彦氏は、作家として行き詰ることを見越して、多角経営を志し、竹林経営へ進出することにした。具体的行動が必要である。登美彦氏の念頭にあったのは、数ヶ月前に鍵屋さんという職場の先輩から聞いた話であった。世間話をしているとき、鍵屋さんの家が竹林を所有しているという話が出た。「今は手入れをする者が誰もおらず、荒れはてたままになっている」と鍵屋さんは語った。その竹林に、俺が手を入れるというのはどうであろう。心配しいしい切り出してみたら、「好きにしてええよ」ということになった。

十月のある晴れた竹林日和、登美彦氏は洛西の竹林へ分け入ってみたが、荒れて薄暗い竹藪をうろつく己が不審者以外の何ものにも見えないことを発見。子兎のごとく淋しがり屋で、一緒に竹を刈ってくれる心の友を必要とした登美彦氏は、ともに笑いともに泣いてきた盟友・明石氏へ協力を要請した。「竹、切らん?」「ええよ」頼りになる友のかぎりなく無力に近い腕力と法科大学院仕込みの知識を武器に、登美彦氏はみごと竹林を整備して、二十一世紀竹林経営のパイオニアとなることができるのか?

竹林伐採エッセイかと思ったがどうも違う。途中から虚実が入り乱れて、妄想が暴走していく。MBC(モリミ・バンブー・カンパニー)設立、たまには小説も書く社長を目指すものの、締切次朗との死闘、山本周五郎賞受賞という予想外のオメデタにより、雑誌や新聞のインタビュー、写真を撮られる、サイン会に引っ張り出される、そしてまた締切次朗を蹴散らすなど、仕事が忙しくなったことによって、たびたび、いやほとんど、竹林伐採事業は暗礁に乗り上げたままになってしまう。そこで本来の趣旨から果てしなく逸脱し、いつの間にか竹林との悲劇的別離というか、竹林をこじつけた物語へと、様相を変えていく。要するに、行き当たりばったりの何でもありなのだ。

本書が雑誌に連載されていた時期といえば、「夜は短し歩けよ乙女」が売れに売れ、「新釈走れメロス」「有頂天家族」が出版され、一躍、森見登美彦という名前が書店の目立つ場所にでんと鎮座し出した頃である。その多忙な作家の普段見られない一日の姿を描き、また授賞式での万城目氏にパンチの真相や、憧れの本上まなみさんとの初対面のこと、それら森見ファンなら喰いつくようなことがさらりと披露されていて、竹を刈るだけなのに、あっちこっちへぶんぶん話題を振り回し、果ては未来予想まで妄想する。

さて、本書は一体何なのか。「竹林が好きです」という漠然とした愛を、なんとかカタチにしようとした登美彦氏の涙ぐましい努力の結晶である。ただし、万人受けするような本ではない。ファン限定という狭き門戸しか開いていないのだ。彼のブログが好きという方にだけ、お薦めしたい。

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森見登美彦
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comments

こんにちは。
私は冒頭から楽しんで読みましたが、
確かに誰でも楽しめる本ではないかも(笑)。
ひたすら竹林の話だもんね。
万城目さんへのパンチとか、森見さんのブログを知っているといっそう楽しめる本ですね。

mint:2008/10/01(水) 13:12 | URL | [編集]

mintさん、こんばんは。
ですよね。初めて読む本がこれだと、キツいかなあと思いました。
おもいっきり独特な森見ワールドやし。
だけど慣れているとこれがハマってしまうよね。
万城目のエッセイにもパンチがあったし、今後も二人から目が離せない(笑)

しんちゃん:2008/10/01(水) 20:33 | URL | [編集]

エッセイだと思って、ものすごく楽しみにしていたのですが、あまりにステキな妄想に終いには、楽しんでしまいました。
竹ってそんなに魅力があったのか?、と思いビックリとともに、すっかり気になってしまった私って。って感じで森見マジックにかかってしまいました。

percy:2008/10/04(土) 16:23 | URL | [編集]

percyさん
文章を書く仕事って大変だなあと思いました。
竹林に行けないからって、ほとんどを妄想で乗り切るなんてすごい。
毎年、知人が持つ山へ破竹掘りに行っています。
本書にもあったけれど、竹林にいる虫たちが苦手。きゃーって感じ^^;

しんちゃん:2008/10/04(土) 19:47 | URL | [編集]

森見さんの作品はちょっと「あわないかも…」と緊張しながら読み始めるのですが、今回はど真ん中。
妄想がすごく面白かったです。

なな:2008/10/17(金) 21:10 | URL | [編集]

ななさん
男汁がほとばしる作品が苦手でしたっけ。
これは自虐ネタが多かったですね。

しんちゃん:2008/10/18(土) 12:01 | URL | [編集]

そうそう「男汁」(苦笑)
森見さんには「男汁注意報」を本の最初にでも書いておいてほしいものですわ。

なな:2008/10/18(土) 20:38 | URL | [編集]

ななさん
ですよね。男汁!
よく覚えていたな~(笑)

しんちゃん:2008/10/19(日) 15:20 | URL | [編集]

こんばんは。
面白かったですが、確かに読む人を選びますね。
私は結婚発表のブログを読んだ後だったので、結構楽しく読みました。

masako:2009/03/06(金) 01:19 | URL | [編集]

masakoさん、こんばんは。
そうそう、結婚しましたよね。裏切り者~、と自分は思ったくちです。
竹林に行けば、かぐや姫との出会いが・・・。ないない(笑)

しんちゃん:2009/03/06(金) 18:13 | URL | [編集]

確かに、妄想で突っ走った話でしたね。
あのノリについていけるのは、他の森見作品を読んで気にいってるファンだけではないでしょうか。
森見さんの本を初読みでこの本だったら、わけがわかんないような気がします。
とはいえ、私は堪能致しました。MBCも気になります(笑)

たかこ:2010/03/02(火) 16:09 | URL | [編集]

たかこさん
森見にしか赦されないようなヘンな本でしたね。
というか、底が見えてこない作家です(笑)

しんちゃん:2010/03/06(土) 18:51 | URL | [編集]

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『美女と竹林』 森見登美彦


今日読んだ本は、森見登美彦さんの『美女と竹林』です。おもしろかったです。 随筆集らしいのですが、どちらかというと妄想小説?という感じでしょうか。

2008/10/01(水) 12:59 | いつか どこかで

『美女と竹林』森見登美彦


『美女と竹林』森見登美彦 美女と竹林(2008/08/21)森見登美彦商品詳細を見る ****************** 出版社 / 著者からの内...

2008/10/08(水) 08:49 | バンザイ!(^^)!

「美女と竹林」森見登美彦


美女と竹林 森見登美彦 JUGEMテーマ:読書 妄想と執筆に明け暮れた、多忙にして過酷な日々。森見登美彦を支えたのは、拝借した竹林。将来の多角経営を夢見つつ、執筆生活の合間をぬって、友や編集者と竹を伐る…。虚実ないまぜの人気文士のエッセイ集。初出「小説宝

2008/10/17(金) 21:10 | ナナメモ

森見登美彦 『美女と竹林』


美女と竹林/森見登美彦 ¥1,680 Amazon.co.jp 美女と竹林。それは、自分がやみくもに好きなもの。竹林を拝借した作家は、将来の多角的経営を夢見る。だが、美女はどこだ? 虚実入り混ぜて綴る、妄想と執筆に明け暮れた多忙にして過酷な日々。 先日30歳の誕...

2009/03/06(金) 01:10 | 映画な日々。読書な日々。

美女と竹林/森見登美彦


JUGEMテーマ:読書 読書期間:2009/2/26~2009/3/1 [光文社HPより] 諸君。どうやら未来は薔薇色らしいぞ! 美女と竹林。それは、自分がやみくもに好きなもの。 竹林の拝借に成功した作家は、将来の多角的経営を夢見る。 しかし。美女はどこだ? 虚実いりま...

2009/03/12(木) 00:25 | hibidoku~日々、読書~

美女と竹林 / 森見登美彦


え~っと、これってエッセイだよね。 エッセイというのは、作家の好きなことを勝手に書く文章だとは思っているけれど、それにしてもモリミーは変。何が変って、妄想がすごいんである。自分のことを登美彦氏と書いてあるところからしておかしい、というか怪しい。彼の頭の...

2010/03/02(火) 15:54 | たかこの記憶領域

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