--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2008

10.04

「ドールズ 闇から覗く顔」高橋克彦

ドールズ 闇から覗く顔 (角川文庫)ドールズ 闇から覗く顔 (角川文庫)
(1998/02)
高橋 克彦

商品詳細を見る

シリーズ第二弾は短編集。「紙の蜻蛉」「お化け蝋燭」「鬼火」「だまし絵」を収録。

「紙の蜻蛉」
男の名は華村研という。まだ二十七歳の若さでありながら、創作折り紙の第一人者として世に聞こえていて、弟子の数も多い。もっとも弟子と言ったところでカルチャーセンターの教室での繋がりでしかないが。今度の個展も、夫の転勤で東京から仙台に引っ越した主婦の一人が奔走してくれて実現したものだった。華村の目に小さな折り紙が止まった。小さな紙の蜻蛉である。唖然とした。江戸期の古典折りの手法で折られた見事なものだった。その夜、弟子の主婦が殺され、現場には紙の蜻蛉が落ちていた。華村を嫉妬させるほどの技の持ち主は誰か。彼が探し当てたのは、わずか八歳でしかない少女、怜だった。

「お化け蝋燭」
鬼怒川を見下ろす旅館の宴会場に岩手県の盛岡市からやってきた団体客が集まりはじめた。会場の入り口には盛岡市商店会様御席と紙が張り出されている。恒一郎、香雪、怜、松室の四人は、恒一郎の経営する古書店「同道堂」と、怜の父親信司が開いている喫茶店「ドールズ」の割当分で参加していた。宴会の席で、江戸末期に大全盛時代を迎えたという写し絵の舞台を見ていたそのとき、幹事をしていた男が六階の部屋の窓から突き落とされ、死亡するという事件が起こっていた。

「鬼火」
怜が腹痛と吐き気で救急センターに運ばれた。病名は膵臓炎で、病状の方は大事なかったが、問題は別の方にあった。個室はどの病棟も満杯で、二人用の部屋しか空きがなかったからだ。同室は松永久枝というテレビなどで有名な女性。彼女は良性の脳腫瘍だったそうで、手術も上手くいって、治療の途中なので髪を剃り上げていた。怜はその久枝のことをひどく怖がって、いろいろと駄々をこねる。そこに昼食時のお茶の薬缶に薬物が投入されるという悪戯があり、久枝を看病する秘書の名美が、何者かにナイフで刺されるという事件が起こった。

「だまし絵」
見知らぬ少女だった。躊躇なく膨らんだ死体の腹に包丁を突き立てる。首を吊っている男の死体を揺らしていた。熱心に井戸を眺めている兄の背中を卒塔婆で貫いた。助けて……。私は夢ということも忘れて泣き叫んだ。寝汗で下着が肌に張りついていた。そこに、そろそろ出番だと兄の定行がドアを開けた。晶緒は上半身だけ裸になり、定行に体の汗を拭かせる。予知かもしれない。お兄ちゃんを殺そうとするやつは、私が反対に殺してあげる。西条晶緒は霊能力を持っている美人画家だった。仙台で作家の合同展があり、トークショーが開催された。東京から晶緒が、仙台在住の人形作家の香雪も出演を依頼され、会場には恒一郎と怜の姿もあった。


一作目の「ドールズ」のときは、ネタバレになると踏んで書かなかったけれど、主人公は、泉目吉。幕末の頃に活躍した有名な人形師だ。回向院の門前町に店を構えて、幽霊や生首の細工に評判を得て、回向院の祭礼の時に「変死人形競」と名付けた身投げだとか首吊りとかを本物そっくりに再現した等身大の生き人形を展示して、大騒ぎを引き起こし、興行は大当たりとなった。その目吉が、甦りだか生まれ変わりだかして、八歳の少女・怜の体の中にいたのだ。

これですっきりした。一作目ではこのことが重大なネタバレ事項だったので、言いたいことが言えずにもやもや感を抱えてしまった。シリーズの主人公である目吉の名前を出さずに、何を書けるというのだ。今回は短編集で、それぞれのゲストたちが、いずれも異常性格者で、目吉センセイと関わることで、異常な状態であることから抜け出していく、という作品だ。

そのゲストの異常ぶりがホラーであり、目吉が怜と共存していることがホラーだ。だけど、全然怖くはない。怜の中に目吉がいることを知らないゲストたち。その知らないということが、ある種パターン化したエンタメになっているのだ。そして目吉をはじめとした恒一郎、香雪、戸崎、松室、怜、信司というレギュラーメンバーに魅力があり、やり取りがむふふなのだ。待ちに待ったシリーズ第四弾が出版されたことで、引き続き再読の旅は三冊目へと流れていく。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

高橋克彦
トラックバック(0)  コメント(0) 

Next |  Back

comments

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。