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    2008

10.09

「食堂かたつむり」小川糸

食堂かたつむり食堂かたつむり
(2008/01)
小川 糸

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料理店でのアルバイトを終えて家に戻ると、部屋の中が空っぽになっていた。同棲していたインド人の恋人と共に何もかもがもぬけの殻だった。祖母の大切な形見であるぬか床だけは無事だった。ガスメーターが入った狭いスペースの中で管理していたからだ。ここには留まれない。家財道具は引っ越したように何ひとつ残っていない。大家さん宅に鍵を返却し、大型バスターミナルへ向かった。精神的ショックからなのか、倫子は声を消失していた。

十五歳で家を出てから、一度もふるさとに帰っていない。以来おかんとは、年賀状でしか交流していない。山に囲まれた人口五千人足らずの村。村の人たちは、影でルリコ御殿と呼んでいる実家に帰ってきた。ルリコはおかんの名前で、広い敷地には、母屋の他、おかんの経営するスナックや物置小屋、畑などが点在している。この土地は、もともとおかんの愛人が所有していたのだ。

家に戻って来ることをしぶしぶだがおかんは承諾してくれた。条件は、エルメスと名付けられた豚の世話係を引き受けること。もちろん、食費、光熱費、家賃などは別途、きちんと払わなくてはならない。そのためにも、働かなくてはいけなかった。考え込むうち、ふと、この家の物置小屋を借りてちいさな食堂をオープンされることを思いついた。ここは食材の宝庫だ。料理なら作れる。その自信はあった。開店資金は、おかんが、消費者金融並みの高い利息を付けて貸してくれることになった。

顔なじみの熊さんをアドバイザーにして、ほぼ熊さんと倫子の二人三脚で完成させた。オープンさせる食堂の名前はかたつむり。倫子はこれからゆっくりと前に進んでいくのだ。頭の中では、食堂かたつむりのイメージがほぼ固まっている。それは、一日一組だけの、ちょっと変わった食堂だ。メニューはない。食堂かたつむりの名前にふさわしく、ゆっくりと時間をかけて味わってもらいたい。だから、時計は置かない。音楽はかけない。そうしてオープンの日を迎えた。

なんか出来すぎをやりすぎた感はあるものの、悪くはなかった。ただ、余分な文章が多いわりに、調理師免許は持っているのかとか、営業許可を取得しているのかなど、あるべき情報がぽこっと抜けていたり、大事なはずのぬか床が活用されぬままだったり、主人公が料理を始める前に料理の神様にお祈りするだとか、大げさな部分がある反面、人物の感情がわかりづらいのが気になった。そういった書き慣れていない、ぎこちなさみたいなものが見えてしまったのは残念だ。

それに、ここまでレシピが詳しく書かれているのは珍しいものの、最近料理を売りにした本も増えて、そこも目新しさを感じなかった。だからなのか、売れて大絶賛の一方で不評の意見もあって、そういう自分が気になった部分、あるいはエルメスを含めた部分が賛否両論を別けたのかなあと思った。ほのぼのとして、食堂のコンセプトであるスローを楽しめたけれど、もう一度読みたいとは思えなかった。でも食堂かたつむりが近くにあったら行くけどね。

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comments

こんばんは。
余分な部分があったり、足りないところがあったり、ところどころで「ん?」って思いましたが、全体的には面白かった。
食堂かたつむり、行って見たいです。
私にはどんな料理が出てくるのか興味津々。

なな:2008/10/10(金) 21:55 | URL | [編集]

ななさん、こんばんわ。
面白く読めたと思いますが、大絶賛には首を傾げました。
インド人とか、トルコ料理とか、まったく内容と関係ないし。
とにかく、文章の荒っぽさが気になって気になって。

しんちゃん:2008/10/11(土) 19:21 | URL | [編集]

こんにちは。

>調理師免許は持っているのかとか、営業許可を取得しているのかなど、あるべき情報がぽこっと抜けていたり

私もすごい思いました。
もちろん免許は持ってるだろうし、許可も取ってるだろうけど、気になっちゃいますよね。

食堂かたつむり、ある意味料理本みたいだなぁと思いながら読みました。

masako:2008/12/16(火) 12:36 | URL | [編集]

masakoさん、こんばんは。
作者としたら分かっていることでも、ちょっと不親切ですよね。
一言付け加えるだけで違和感がなくなるのに勿体無かったです。
それ以外のところでは大げさなのに、と偉そうだけどそう思いました

しんちゃん:2008/12/16(火) 20:21 | URL | [編集]

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