--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2008

10.18

「100回泣くこと」中村航

100回泣くこと (小学館文庫 な 6-1)100回泣くこと (小学館文庫 な 6-1)
(2007/11/06)
中村 航

商品詳細を見る

犬が死にそうだ、と実家の母から電話があった。実家には就職してから帰っていなかったから、最後に見たのは四年前のことになる。高校を卒業した春に拾ってきた犬だから、今は八歳。茶色くて長い毛に覆われた、雑種の小型犬。メス。名前はブック。僕が拾ってきた犬だった。浪人生活の一年間、僕は犬といつも一緒に過ごした。大学に合格し、また合おうな、と言ってブックと別れた。

バイクで帰ってあげなよ。電話口で彼女が言った。ブックのことは彼女に何度も話してあった。バイクで拾ってきた犬は、単車のエンジン音を聞くと大喜びする犬に育ったこと。2ストのエンジン音にだけ反応する、違いのわかる犬に育ったこと。大学生になって初めて帰省したとき、久々のバイクの音に跳ね回って喜んだこと。喜びのあまり失禁してしまったこと。僕は考えた。ブックのために僕ができるのは、四年近く乗っていなかったバイクを直すぐらいだった。母親からの電話が鳴った。ブックの容態が良くなった、という連絡だった。じっくりバイクを直して、ブックに会いに行こう。

車体を洗い、バッテリーを充電し、部品を交換し、タンクの中の汚れを流し、あとはキャブレターの洗浄。彼女とキャブを洗っている時、僕は結婚しようと彼女に告げた。練習が必要だと思うの。彼女は言った。一週間、結婚してみる。うまくいったら一年結婚してみる。僕らは結婚したつもりになって、一年くらい暮らしてみることに決めた。やあ、嫁に来たよ。僕と彼女の生活が始まった。僕らのプロジェクトの名はハッピネス。こんな生活が続けばいいと思った。続くと思っていた。ずっとずっと続くんだと思っていた。

う~ん、なんだかなあ。ブック重体、ブックとの出会いを回想、ガソリンスタンドでの師匠との出会い、バイクの修復、プロポーズ、ブックと再会、同棲スタート、とここまでは良い。いい雰囲気で気持ち良く読める。しかし、その後がどうも、重くてしんどくて。彼女の病気が発覚、闘病生活、痩せていく彼女、そして死。こういうお涙頂戴系は苦手だ。よくあるパターンなんだけど、この種の恋愛ものは、村山由佳のデビュー作以来、受け付けない体質になってしまった。

言葉を選ぶセンスや、会話文などは、いつも通り輝いていた。ただ、テーマに死を持ってきた時点で、申し訳ないが、自分とは合わなかった。それに、単行本の表紙は素敵だったのに、この文庫版の陰気さは頂けない。中村航は好きで読むけれど、これに関してはすまん。ダメだった。なんて言いながら、ほろっときた。彼女の死にではなく、ブックの死にだけど。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

中村航
トラックバック(2)  コメント(4) 

Next |  Back

comments

こんばんは。
本当に後半は「泣かせます」って感じがよろしくない!
そういうのは他の作家さんに任せて、中村さんらしいのをお願いしたいです。
単行本と文庫の表紙、全く違った印象ですね。

なな:2008/10/18(土) 20:37 | URL | [編集]

ななさん、こんにちは。
こういう恋愛モノはあっても構いません。
だけど、あの人らに任せて欲しかったです。
中村さんにはこんな安っぽいモノを期待しちゃいない。
表紙もガッカリだし。

しんちゃん:2008/10/19(日) 15:16 | URL | [編集]

私は中村さんはこの作品と「リレキショ」しかないんですけど、読んだ当時、同じ作家さんだと気付かなくて後から、ああ、そうなんだって。
中村さんって普段はどんな感じなんでしょう。
私はこの後に読んだ「リレキショ」が全然駄目で、それ以来リストから外しちゃってるんですけど。

でも「100回泣くこと」は案外すんなり読めたんですよね。自分のレビュー読み返すと、やっぱりブックの死の方に泣いてました。(苦笑)

じゃじゃまま:2008/10/23(木) 20:49 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
ひとくちに言えば、この作品の前半が中村さんらしいと思います。
「絶対、最強の恋のうた」とか面白かったですよ。

で、やはりブックですよね(笑)

しんちゃん:2008/10/24(金) 14:09 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

100回泣くこと 中村航著。


≪★★★≫ 「世界の中心で、愛を叫ぶ」や「いま、会いにゆきます」みたい。 男性が書く一途に一人の女性を愛する物語って、なんでこう柔らかいんだろう。なんか似たものがある。 病気に冒され死にそうな愛犬ブック。ブックに会うために、4年間乗ることのなかったバイク...

2008/10/23(木) 20:45 | じゃじゃままブックレビュー

100回泣くこと/中村 航 [Book]


 中村 航:著 『100回泣くこと』  100回泣くこと小学館このアイテムの詳細を見る  健やかなるときも 病めるときも  喜びのときも 悲しみのときも  富めるときも 貧しきときも  これを愛し これを敬い  これを慰め これを助け  死が二人を別つまで  共...

2010/03/16(火) 20:03 | miyukichin’mu*me*mo*

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。