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    2008

10.23

「クラスルーム」折原一

クラスルーム (ミステリーYA!)クラスルーム (ミステリーYA!)
(2008/07)
折原 一

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栗橋中学校3年B組を卒業した7人の男女。10年ぶりに届いたクラス会の通知が、受け取った者の不快な記憶を呼びさます。沈黙と恐怖に支配されたクラスルーム。どす黒い怒りを秘めた不気味な教師。誰もが記憶から消し去ったであろう、あの地獄のような日々。幹事の名前に誰一人見覚えがなく、会場が夜の校舎であることが、さらなる不安を掻き立てる。クラス会まで、あとわずか。忌まわしい過去への扉が、いま開く……。はたしてこれは現実なのか、妄想なのか。読むものを不安におとしいれる「タイムカプセル」の姉妹編。《本の折り返しより》

佐久間百合、青野ミチル、秋葉一平など、彼らの元に届いた3年B組クラス会の通知。ビュン。目を閉じると、風を切る音がした。思わず首をすくめ、背後をふり返った。そこに誰もいるはずがないのに、背筋にぞくっと寒けがし、全身に鳥肌が立った。嫌悪感と同時に漠然とした恐怖感があった。その後に訪れたのは、違和感だった。差出人の幹事、長谷川達彦という名前に記憶はなかった。さらに、往復ハガキの返信先がまた不可解だった。郵便局留め置きとなっているのだ。

栗橋中学校3年B組は、最初は普通だったけど、途中から変になった。担任が突然の産休を取り、新しく担任になったのは桜木慎二、三十三歳。社会の教師で、剣道部顧問だった。教室の中は張り詰めた雰囲気になった。竹刀が横に振られ、ビュンと風を切る音がした。クラスの誰もが、びくびくしながら授業を受けていた。指導が度をすぎているのだ。気が短いので、すぐに怒る。力で教室を支配する強圧的な奴。高校進学を控え、内申点を握られているから、誰も逆らえず、ことなかれ主義の校長は当てにならない。ビュンと風を鋭く切る音が教室内に鳴り続ける。

クラスの平和を取り戻すために、桜木をやっつける。そこで八月の夜の学校で行われた肝だめしを称したこらしめ。しかしあの夜、いったい何が起こったのか、誰も覚えていなかった。あの十年前の肝だめしに関わった者たちが、長谷川達彦という見知らぬ男によって、集められようとしている。暴力教師だった桜木慎二も。そして招かれざる客もいて…。多視点によって、過去と現在が交錯する、折原一らしいミステリ作品。

これは面白かった。姉作品にあたる「タイムカプセル」も読んでいたが、すでに記憶はない。だけど、そんなことは関係なく面白く読めた。桜木の無茶ぶりにはエエッとなるのだが、繰り返されるビュンという効果音が憎らしさを増加させ、そのことによって、出来る子と不良たちが一緒になって、暴力教師をやっつけようとする姿に応援したくなる。ガツンとやっちゃえ、と。

そこに加わる淡い恋心がスパイスになり、長谷川達彦って誰なんだという興味や、見え隠れするもう一人の謎の人物が気になって、後半のスリリングな展開、あるいは、意味深なプロローグが後を引いて、最後まで一気に読んでしまった。そしてラストの一ページは「ベタ」の一言。これは褒めの意味で。これまで読んだミステリYA!の中で、一番好きかもしれない作品だった。お薦め。

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