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    2008

11.01

「ばす」山本甲士

ばすばす
(2008/09)
山本 甲士

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とある地方都市には、在来種、外来種含めて多くの魚が棲む市民憩いの池がある。南浦溜池と北浦溜池だ。ここにバス釣りに関わることで人生を狂わす人々がいた。バス釣りを悪者扱いしようとする映像を撮るために、やらせをする映像ディレクター。キャッチアンドリリース禁止条例が施行されるなか、気まぐれでバス釣りをしてみる市会議員。ルアーフィッシングクラブ会長で、新聞社から取材を依頼された釣具店店員。バス釣りをやったこともない奴に何が判るという言葉に、バス釣りをしてみる気になった在来種を守る会メンバーの環境生物学准教授。敵対しているバス釣り人との交流会に参加した外来魚駆除隊メンバー。池の底に落ちているルアー拾いで、商売ができないかと考える食堂のドラ息子。そして、釣り人を見ていたら釣りをしたくなり、道具一式を借りて初めて釣りをする女性。ブラックバス騒動の中で、釣り人たちが味わう悲劇の数々。とってもシニカルな連作集。

前作の「あたり」は、釣りをしたくなるような作品だった。だからこれも同じような作品だと思っていた。それがブラックな作品だったのに驚きつつ、個人的には黒い作品が好きなので期待以上に楽しむことができた。この池は釣り人にとっては魔の池かもしれない。一人を除いて、みんなが何らかの最悪の事態に陥るのだ。まあ、その最悪な部分が作品のオチに当たるので、バラすようなことはしないが、これがブラック琴線にモノの見事に触れた。しかし、そんな悲惨なことにまみれても、釣り人は釣り人であり続ける。そのタフな神経は、ある種尊敬に値するし、その一方で、やはりそれだけ釣りって面白いのかな、と想像が膨らむ。

そして本書の真ん中には、外来魚駆除派と擁護派の対立があって、その中でキャッチアンドリリースについても取り上げられている。要するに、釣った魚をその場で再び放すことだ。これがいまいちピンとこない。なぜ釣れた魚を持ち帰らずに逃がすのか。自分なら食べるか飼うかは別として、嬉々と持ち帰るだろう。そういった点で、スポーツフィッシングの心意気には共感はない。かといって、釣った魚をその場で殺してしまう駆除にも抵抗がある。その両者の意見が敵意丸出しで語られているが、どっちもどっちかな~という感じだった。これが池ではなく、琵琶湖などの漁業関係者なら堪ったもんじゃないことは、ニュースなどで知っている。まともな解決策ってないのだろうか。

そんな社会問題がありつつ、人の不幸は密の味だった。すごく面白かったです。お薦め!

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山本甲士
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comments

『あたり』とは違う黒さ。
人生転落話を書かせたら天下一品の山本さんですが、
たかがバス釣りでこんなに人生狂わせていいのか?というオチも
バス釣りしない人間からすると失笑物というか
ワケわかんないなぁ~という感想でした。
実家が漁師なのでスポーツフィッシングに関しては
どちらかというと負なイメージを持ってますけど、
すべてをバス釣りファンにかぶせちゃうのも
どうだかなぁ~とは思いましたね。
確かにどっちもどっちな感じが強かったです。
うまく共存できればいいのに、きっと無理だろうなぁ~。

す〜さん:2008/11/02(日) 08:03 | URL | [編集]

す~さん
たかがバス釣りで人生真っ逆さまでしたね。
こういうブラックな作品はすごく好きです。
それに池の主を釣り上げたりと、釣りの魅力も堪能できました。
意固地な対決はどっちもどっちでしたね。
何か双方が納得する解決策はないのでしょうか。
言ってることがわかるだけに、ムズカシイ問題ですよね。

しんちゃん:2008/11/02(日) 13:09 | URL | [編集]

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ばす   ~山本 甲士~


外来種ブラックバスを巡る人々の悲喜こもごも。 ブラックバスが在来種の減少の一因となっている、という話はよく聞く。 一方でバス釣り...

2008/11/02(日) 07:59 | My Favorite Books

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