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    2008

11.04

「虚栄の肖像」北森鴻

虚栄の肖像虚栄の肖像
(2008/09)
北森 鴻

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香菜里屋シリーズ、冬狐堂シリーズ、蓮丈那智シリーズを買って積んでいるのにも関わらず、図書館の新刊に目がくらんで借りてしまった。読みたくて買ったはずなのに、図書館に負けた。自分の心が負けた。そんな本書の主人公は、花師と絵画修復師の二つの顔を持つ佐月恭壱。「深淵のガランス」に続くシリーズ第二弾は、「虚栄の肖像」「葡萄と乳房」「秘画師遺聞」という三編を収録した連作集。

「虚栄の肖像」
場所は黒御影石の墓前の前。緋毛氈を広げ五、六人の男女が器を並べて酒食に興じている。有田焼の大皿小皿、白磁の酒瓶、南京赤絵の茶碗に黒瀬戸といった銘物。中でも目を引くのが、古備前の甕と、そこに活けられた桜だった。冬狐堂の仲介により、佐月は墓前の前で桜を活けることと、絵画修復の依頼を請けた。仕事の報酬は、桜を活けた古備前の甕。その甕の底に小さな傷があった。なぜか佐月にはこの小さな傷が気になって仕方がなかった。

「葡萄と乳房」
藤田嗣治作品の修復依頼を請け、その帰りに、ふと桔梗寺に寄ってみようかという気になった。山門をくぐろうとしたその時、今から十五年前、同じ場所で倉科由美子と交わした会話を思い出す。佐月は山門をくぐった。忘れることのない声、記憶の中にある声に幾分かの落ち着きを重ねた声で呼び止められた。幻聴ではない。振り返ると黄八丈を一部の隙もなく身につけた倉科由美子が、そこに立っていた。

「秘画師遺聞」
凄まじい目。感情が迸っているようだ。秘め処の三つの黒子がなまめかしい。秘画あるいは秘図とも、あぶな絵などと呼ばれることもある緊縛画であった。号は英斎とあった。絵師の腕の確かさは言葉にするまでもないが、悲しいかな画面のそこそこに褐色が見えた。修復師ならば、これを仕事にかけぬ法はない。仕事をせよと、絵がいっている。謎の絵師を探るうちに思わぬ真実が立ち現れて…。

仕事仲間の善ジイこと前畑善次郎、絵画研究所の若槻伸吾、行きつけのバーの朱明花、その父で裏の顔を持つ朱建民、冬の狐と呼ばれる旗師(宇佐見陶子)。佐月のストイックさが際立ち、おなじみの面々が華を添えて、なおかつ、美術骨董の世界にある真贋の闇に知的好奇心をくすぐられ、そこにいる魑魅魍魎どもの暗躍にわくわくドキドキを覚える。そして絵画に秘められた謎。これはもう、面白くないわけないでしょ。

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北森鴻
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comments

読む順番を間違えちゃいましたが、なかなか面白かったです。脇を固める登場人物も魅力的だったし、絵画修復のあれこれも興味深かったです。北森さんの芸術作品に関する造詣の深さに頬~となった作品でした。

エビノート:2008/11/05(水) 21:04 | URL | [編集]

エビノートさん
順番が逆だと、花師がピンとこなかったんじゃないかな。
みんなわけアリっぽくて、修復に取り組む姿が渋くて、絵画ミステリとしても面白い作品ですよね。
なんていいつつ、上記の本も読まなくては^^;

しんちゃん:2008/11/06(木) 15:32 | URL | [編集]

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虚栄の肖像 〔北森 鴻〕


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