--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2008

11.11

「遺品」若竹七海

遺品 (角川ホラー文庫)遺品 (角川ホラー文庫)
(1999/12)
若竹 七海

商品詳細を見る

金沢市郊外、銀鱗荘ホテルに眠っていた今は亡き女優・曾根繭子にまつわるコレクション。その公開作業が進められる中、明らかになったのは、コレクションを収集した大林一郎の繭子への異様なまでの執着。繭子の使った割り箸、繭子の下着、繭子の…狂気的な品々に誘われ、やがてホテルには、繭子が書き残した戯曲を実演するかのような奇怪な出来事が次々と起こる。それは確実に終幕に向かって―。書き下ろし本格長編ホラー。《背表紙より》

主人公は学芸員のわたし。失恋し、失職し、家族とも折り合いが悪く、どこにも居場所がない。そこに大学の先輩からある職を紹介される。その先輩とは、大林国際観光グループの創業者の孫にあたり、傲岸不遜を絵に描いたような男。グループにとってお荷物になりつつあるホテルに曾根繭子の膨大なコレクションがあるという。近年になって再評価されてきた女優兼作家の曾根繭子。創業者は彼女のパトロンであり愛人。そして熱烈なコレクター。その繭子の資料を整理して、資料室を一般に公開したいので、その仕事を任せたいということだった。

その銀鱗荘に住み込んで、タケルという若い助手とともに、仕事に打ち込むわたし。ふと聞こえてくる謎の声。「ここにいるからよ」「できないって言ってるのに」「助けて」生臭い臭気が漂う。木箱の中から次々と出てくる変質的な品々。そこに幻の舞台稽古を映したらしい8ミリフィルムが持ち込まれ、その戯曲の原稿が発見される。繭子はこのホテルに滞在中、その戯曲を練り、そして、突然自殺した。彼女はいったい何を考えていたのか。どうして自殺したのか。彼女の死体は、結局見つかっていない。

そうしたところに奇妙な出来事が立て続けて起こる。猫が消え、宿泊客が貴賓室の塔から墜落し、女中が姿を消し…、これら起こった出来事は、まるで繭子の戯曲をなぞられているようだ。そして繭子の遺品を持ち逃げしようとした宿泊客が燃え、映画で繭子が着た衣装をまとった幽霊がホテル内を徘徊する。気がつけば、主人公の容姿は繭子のそれと似ていく。脱出を試みても、車はホテルにしか戻って来ることができない。これは繭子の呪いなのか。それとも…。という内容のミステリーホラー作品。

あまりザワザワ感はなく、重々しい作品でもない。しんどくなることもない。ある意味でポップなリズム感すらある作品になっている。というのは、無茶をいう上司、自分の保身しか考えない支配人、おしゃべりで身勝手な女中、好き放題な宿泊客。これら人物たちに振り回され、主人公のわたしは終始怒っていて、読者も一緒になって腹を立てるからだ。それがテンポのよいリズムを生み出しているのだ。それにちょっとしたロマンスもあって、さらに幽霊の正体も…。おっと、これはいえないか。ラストは切ないというか綺麗というか…。一筋縄ではいかないという意味では、若竹さんらしいかな。とにかく、前向きな主人公に好感が持てて、ミステリーとしてもホラーとしても堪能できる作品だと思った。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

若竹七海
トラックバック(1)  コメント(0) 

Next |  Back

comments

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

遺品/若竹 七海


遺品 若竹 七海/光文社文庫 失業、失恋、家庭不和。元旦那の先輩に当たるイケ好かない男からの学芸員としての仕事を貰い金沢のホテルへ。そこにはホテル創業者がコレクションしていたという、元女優にして作家活動もしながら謎の自殺を遂げたと噂される曽根繭子の遺品...

2010/11/28(日) 01:43 | ◆小耳書房◆

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。