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    2008

11.20

「さいはての彼女」原田マハ

さいはての彼女さいはての彼女
(2008/09/26)
原田 マハ

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「さいはての彼女」「旅をあきらめた友と、その母への手紙」「冬空のクレーン」「風を止めないで」の四編を収録した短編集。

「さいはての彼女」
二十五歳のときに通販の会社で起業。それから十年。気がつけば、社員百人を抱え六本木ヒルズに本社を構える会社の社長になった鈴木涼香。恋に破れ、側近スタッフに当たり散らしたせいか、何人かの重要なスタッフが辞表を出した。その中に秘書の高見沢もいた。そして、最後のミッションを言い渡した。沖縄でのサマーバケーションを手配すること。すべて一流のものを予約して、車で迎えにくること。涼香が到着したのは沖縄ではなく、女満別。レンタカーはポンコツの軽自動車。有能な秘書にしてやられた。そこに現れたのは、ハーレーにまたがった華奢な女の子、ナギだった。

「旅をあきらめた友と、その母への手紙」
山深い宿でのひとりぼっちの滞在で、ナガラのことを思い出す。なぜなら、ハグの旅には、いつもナガラが存在していたから。とにかくにぎやかな友人である。いつからか年に三、四回もナガラと旅をするようになっていた。きっかけは、ハグの失業にある。再就職しようにも、三十五歳までの年齢制限に引っかかる。そんなとき、何気なく入ったメールがあった。ナガラからのメール。旅に出ようという件名だった。ひとりで来たことに、もう後悔はなかった。けれど、友を連れてこられなかったことを悔やんでいた。そこに予期しないナガラからのメールが入った。

「冬空のクレーン」
陣野志保は、三十五歳で、日本を代表する大手都市開発の企業で、日本最大級の開発案件に関わる課長補佐のポストにいる。部下を叱責したところ、その男はそれっきり休職し、名誉毀損で会社を訴えると言い出した。社長直々に咎められ、自宅まで行って謝るよう厳命された。謝る気なんて毛頭なかった。こうなったら篭城して根競べだ、と一ヶ月の休職を決めた。それが志保の休職を知らされた部下は、出社して生き生きと仕事をしているという。逃げ出したい、逃避したい。遠く離れたところへ、何一つ人造物がない場所へ。そうして、志保はやってきた。雪の白以外、ほんとうに何もない北海道へ。

「風を止めないで」
じゃあ、行ってきます。ナギが言った。ひらりと足を上げてシートにまたがる。華奢な身体は、鉄の馬の屈強なボディに比べて、どうにも不釣合いだ。アンバランスだよ。似合ってないよ。やめたほうがいいよ。そんなふうに、何度いじわるを言ったことか。ほんとうのところ、ハーレーに乗った娘の姿は、きゅんとなるくらいかっこいいのに。夫は娘とタンデムしていて、トンネル火災の事故に巻き込まれ、娘を炎から守って亡くなった。ナギはハーレーをこよなく愛している。そのナギが旅立ったところに、面識のない桐生という男性が娘を訪ねてきた。なんとなく、夫の面影をその桐生に重ね合わせてしまう。


最初と最後に登場するハーレー乗りのナギ。彼女のかっこよさや愛らしさがすごく印象に残り、また作品タイトルも内容とぴたりと合っていると思った。それ以外にも良作が揃っている。二作目は時間の流れが静かで低温な作品だけどラストにはぐっとくるものがあり、三作目は仕事からの逃亡先での素敵な出会いに癒される。四作目はナギの家族のお話。それぞれに出会いがテーマとなっていて、上手くいかない、おもしろくないといった何がしかの屈託を持った人たちが旅先で出会い、ふっと枷がはずれる瞬間が心地よい。だけど、やはり一番はナギでしょう。彼女のような明るくて元気な女性と出会えるなら、旅に出てもいいかな~、と若干ひきこもり気味の読者は思ってしまった。とそんな与太は別にして、とにかくいい作品集だと思った。お薦めです。

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原田マハ
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comments

なんといってもナギちゃんなのですが、
それ以外では2作目が好きでした。
笑顔で親指を立てるナギちゃんのかもし出す雰囲気に癒されました。

なな:2008/11/26(水) 00:07 | URL | [編集]

ななさん
やはりナギちゃんですよね。いい子だ。二次元の人物に恋をしそうだ^^;
二作目のラストにもぐっときましたよね。少し単調かなとも思いましたけど。

しんちゃん:2008/11/26(水) 19:54 | URL | [編集]

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「さいはての彼女」原田ハマ


さいはての彼女 原田 マハ JUGEMテーマ:読書 「さいはての彼女」「旅をあきらめた友と、その母への手紙」「冬空のクレーン」「風を止めないで」4つの短編。 主人公は会社で男の人たちに負けずそれなりの地位や名誉などを手にし、そんな自分を「すごい」と思って

2008/11/26(水) 00:07 | ナナメモ

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