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    2008

11.21

「船に乗れ!(1)合奏と協奏」藤谷治

船に乗れ! 1 (1)船に乗れ! 1 (1)
(2008/10)
藤谷 治

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音楽一家に生まれた僕こと津島サトル。母方の祖父は、新生学園大学の音楽科を創設したパイプオルガン奏者。祖母はピアノ奏者。母親は四人兄弟で、母親以外は全員プロの音楽家。つまり音楽家でないのは一族のうちサトルの両親だけ。だから、立って座れるようになると同時くらいに、もうピアノの前に座らされた。最初のピアノの先生は祖母だった。だがピアニストを目指すには向いていなかった。中学一年のとき、おじいさまはそれを見越して、チェロを習わせたらどうかと腹案を出してきた。音楽をやるなら芸大に行くのは当たり前のことで、芸高を受験したものの、学科と面接で落とされてしまった。残るのは私立だけだ。当然のことながら、おじいさまがいる新生学園大学付属高校を受験することになった。

新生学園というのは、幼稚園から大学までそろった巨大学園なのだが、大学と高校の音楽科だけを例外として、あとはすべて女子高なのだ。本年度の新入生で男子は六人だけ。そうしてサトルの音楽学校の日々が始まる。フルート専攻の寡黙な美少年の伊藤慧と友情を育み、鮎川千佳にいいように弄ばれ、ヴァイオリン専攻の南枝里子に恋をする。初めてのオーケストラ、倫理社会の金窪先生との出会い、厳しい夏季合宿、市民オケのエキストラとしてのさんざんな初舞台、南と北島先生と結成したピアノ・トリオ、伊藤慧の独壇場になった文化祭、練習の集大成となるオーケストラ発表会、そして、ピアノ・トリオを披露するホーム・コンサートと、音楽漬けの慌しい日々が過ぎ去る。

YA作品にありがちな、少年少女のポップな会話で読ませていく作品ではない。しっとりとした文章が情景を脳裏に浮かび上がらせ、主人公に同化して、頑張れと応援しながら成長を見守っていく。そして主人公は南に言い寄る先輩を見て嫉妬にかられる一方で、皆と音を合わせることの難しさを知り、またぴたりとすべての音が揃った瞬間の喜びを覚えていく。そう、一人ではなし得ないような美しい音楽が生まれるのだ。そのように物語も後半になるとどんどんスピードを加速してゆき、最後は軽い興奮と共に、出てきた曲目を聴きたくなってしまうのだ。

いい作品だ。本当に音楽が流れてきそうな作品だ。藤谷さんがジャイブ?という驚きは正直なところあったが、この出来なら文句なしだ。そしてこれは三部作で、続編は来夏に出るらしい。今からすでに待ち遠しい。津島サトル、南枝里子、伊藤慧、金窪先生、北島先生たちと早く再会したい。そして一番のお気に入りは鮎川千佳で、彼女に背中をバシバシ叩かれたい(おい)。音楽小説としてだけでなく、学園小説としても楽しめる作品だと思った。お薦めです。


藤谷さんのサイン本をみつけたので、即買い。

ふじたに1

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藤谷治
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comments

こんばんは。
いい作品でしたねぇ。
読んでて途中から一気に読みました。
サトルや南をはじめ、意外な活躍(?)をする伊藤君や
鮎川千佳もよかったです。
この作品はアンソロジー作品で中年になったサトルが
出てくるんですね。(読んではいないんですが。)
この先の展開、すごく気になります。

mint:2009/01/18(日) 20:23 | URL | [編集]

mintさん、こんばんは。
音楽家の卵たちのキャラが生き生きしていましたね。
続編も楽しみに待っています。
アンソロジーの存在は知っていました。
でもスルーしちゃってます。
へ~、中年になったサトルかぁ。

しんちゃん:2009/01/19(月) 17:11 | URL | [編集]

おはようございます~ お返事が遅くなっちゃってごめんね~(汗)
この本はあまりに専門的すぎてオケやっていない人にはわからないというかつまらないんじゃないか?って読んでいて心配になっちゃったんですが、楽しんで読めたと聞いてほっとしました。(笑)

序盤はなかなか読み進まなかったのですが、そこを越えたらすっごく面白くって。みんな活き活きしていて良かったです。ラストのおじいさんのオルガンにはうるっときました。(^^ゞ

板栗香:2009/03/23(月) 07:10 | URL | [編集]

板栗香さん、こんばんは。
内容と関係なく(おい!)、藤谷さんだから読みました。
基本的に音楽ものは好きだけど、これは上位にくる面白さでした。
演奏場面が始まるとさらに良くなりましたね~。

しんちゃん:2009/03/23(月) 18:26 | URL | [編集]

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『船に乗れ!1 合奏と協奏』 藤谷治


今日読んだ本は、藤谷治さんの『船に乗れ!1合奏と協奏』(2008/11)です。

2009/01/18(日) 20:16 | いつか どこかで

藤谷治  船に乗れ!? 合奏と協奏


音楽一家に生まれた僕・津島サトルは、チェロを学び芸高を受験したものの、あえなく失敗。不本意ながらも二流の音楽学校に進むが、そこで、フルート専攻の伊藤慧と友情を育み、ヴァイオリン専攻の南枝里子に恋をする。夏休みのオーケストラ合宿、市民オケのエキストラとし...

2009/03/20(金) 11:12 | マロンカフェ ~のんびり読書~

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