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    2008

11.23

「螢坂」北森鴻

螢坂螢坂
(2004/09/22)
北森 鴻

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ビアバー香奈里屋のマスター工藤が、客にまつわる謎を解き明かすシリーズ第三弾。「螢坂」「猫に恩返し」「雪待人」「双貌」「孤拳」の五編を収録。読んだのは文庫版だけど、画像がダサいので単行本版を使用。

「螢坂」
この街で、オレを待ってくれる人はもう誰もいない。彼女はこの坂を螢坂と呼んだ。螢坂だけは、あの日のままだった。十六年前の有坂祐二は、戦場カメラマンとして名を馳せることを夢見て、恋人の江上奈津美と別れ、中東へと旅立った。ふと立ち寄ったビアバー。そこは五年前に亡くなった奈津美が常連客となっていたお店だった。

「猫に恩返し」
タウン誌に掲載された「猫に恩返し」と題された小話は反響が良かった。それが猫の顕彰碑を建てることになり、募金を集める記事を掲載することになった。募金は集まり、顕彰碑は建った。だが、線路に面したわずかな隙間に建てられた石碑は、こちらから文字を読むことができない。碑が見えるのは、すぐ近くにある踏切からだけだった。

「雪待人」
再開発計画に反対した三代続いた画材屋が、近く店を閉めるらしい。だったらどうして九年前のあのときに。新ビルへの移転を拒んだのがその画材屋であり、商店街は開発から取り残される形となった。あとはずるずる坂道を滑り降りるようなものだった。開発が進む地域を目前にしながら、南原の金物屋は為す術もなく閉店へと追い込まれた。

「双貌」
再就職がうまくいかない柏木は、特有の悪臭がしない路上生活者と出会ったことをふと思い出し、香奈里屋のマスターや、占い師の北さん、ライターの七緒、石材店主人の浅海ら常連客が登場するミステリを書き始めた。一方、小説家の秋津は、香奈里屋にいた客を見たことがある気がしたが、どうしても思い出すことができなかった。

「孤拳」
谷崎真澄は、「孤拳」という幻の焼酎を探していた。幼き頃、大好きな脩兄ィと祖父の書斎で隠れて初めて口にしたアルコールのことも、記憶がなくなる寸前に、唇になにか柔らかいものが押し当てられたことも、脩兄ィとの、大切な秘密だ。その病弱だった脩兄ィが、「孤拳」を探してくれと死の間際に真澄へと託した。

シリーズ三冊目にもなると、もう感想はいいかな。幸せな気分になれる旨い肴と、度数の違う四種類のビールが飲めるビアバー香奈里屋。マスターの工藤が出す料理、常連客の会話、そして工藤が解答を出す人間ドラマと、どれも一級品なので読んで損なし。「花の下にて春死なむ」「桜宵」と併せてお薦めです。

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