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    2008

11.25

「木野塚佐平の挑戦だ」樋口有介

木野塚佐平の挑戦だ (創元推理文庫 M ひ 3-11)木野塚佐平の挑戦だ (創元推理文庫 M ひ 3-11)
(2008/06)
樋口 有介

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テレビでは現職総理死去のニュースを報じている。木野塚探偵事務所開設以来の秘書兼助手であった梅谷桃世がケニアに行ってから、もう半年がたつ。手足ばかりが長くて女性ホルモンの足りない桃世に恋したわけではない。木野塚氏の好みはあくまでも妖艶なセクシーギャル、さらさらのストレートヘアにタイトなミニスカート、と、まあ、そんなタイプだ。なにしろ木野塚氏はハードボイルドの私立探偵で、事務所は新宿の雰囲気ある裏町で、加えて盗聴マイクから暗視カメラ、それに変装用のつけ髭まで待機させている。あとはそれに相応しい美人秘書がいればいい。なのに、桃世にかわる秘書の募集を、なぜかためらっていた。

木野塚氏はなんとも鬱々とした気分だった。探偵事務所に客が来ないことも自分の頭に髪が少ないことも、なにもかも気に食わない。週刊金魚新聞の編集長、高村女史の色気に惑わされたとはいえ、うっかり金魚の取引に加担するなど、ハードボイルドのすることか。木野塚氏は深くため息をつきながら事務所に帰ったところ、驚きで三十センチも飛びあがることになる。ずいぶん日に灼けてはいるものの、それはまさしく梅谷桃世で、坊主頭にちかい短髪もうすい胸もひょろ長い手足も、まさしく、ケニアにいるはずの桃世だった。

復帰した桃世によって、窓に洒落たブラインドカーテンがかかり、机の上は整然。部屋に埃の臭いもなく、壊れたクーラーまで新品になった。だが、木野塚氏憧れの美人キャスターの香川優子をストーキングしているらしい自称犯罪分析家や、部屋が盗聴されていると思い込んでいる自称作家の中年未亡人など、依頼人は頭に少々病気があるらしい人ばかり。そんな中、桃世は青年医師の金魚事件をあっさりと解決する。さらにストーカー男のことでは、香川優子が桃世の従兄妹と大学が同級で、会えるかもしれないと言い出した。

そのあこがれの香川優子に話を聞いたところ、彼女をストーカーしているらしい男は、先ほど亡くなった総理の暗殺疑惑と彼女がそれに直接関与していることをほのめかし、自分との結婚に同意すればこれを公表しないという怪文書で強迫していた。しかもふとした偶然が重なって彼女の部屋から盗聴器が発見される。正式に香川優子から仕事を依頼された木野塚氏は妄想する。事件を解決した暁には、香川優子と、手に手を取って明るい未来へ踏み出すのだ。こうして木野塚氏は、総理の死が暗殺でなかったことを調査することになった。

シリーズ二作目は長編にして、念願の大きな事件に挑むことになる木野塚氏だが、これが予想範囲を超えるスケールの大きさで、これは広げすぎ、やりすぎの嫌いがある。枯れてなお妄想たくましい六十歳の木野塚佐平氏と、秘書兼助手の身分を越権する色気のない桃世、二十四歳。このコンビのからみも思っていたほど少なくて、一作目とは随分放れたところにきたなというのが正直な印象。嫌いではない。だけど求めていたものとは若干違う。だから肩透かしまでとはいかないが、困惑を覚えてしまうことは事実だ。これが単独作なら、これはこれでいいのだけれど、シリーズものの続編としては、世界観の枠を超えすぎているなと思った。


「木野塚探偵事務所だ」樋口有介
「木野塚佐平の挑戦だ」樋口有介

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樋口有介
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comments

一作目とは、かなり印象が違うのですね。
わたしは二作目から読んでしまったので
木野塚探偵と事件とのギャップが可笑しすぎて、かえって愉しめました。

これから一作目を読んだら、がっかりするかしら?

ふらっと:2009/02/14(土) 07:46 | URL | [編集]

ふらっとさん
逆読みバージョンはわかんねえや。
でも、しょぼく思ってしまうかも。

しんちゃん:2009/02/14(土) 16:51 | URL | [編集]

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